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 ○建築用語
 
  ◇   行  ◇
RC

読み方:あーるしー

「 Reinforced Concrete 」の頭文字をとったもの。
「鉄筋コンクリート構造」という意味である。

IH クッキングヒーター

読み方:あいえいちくっきんぐひーたー 

IH とは、 Induction Heater の頭文字をとったもので、「電磁誘導加熱器」という意味である。
IH クッキングヒーターは、トッププレート(結晶化ガラスなどの板)の下に、磁力発生用コイルを敷いたものである。
トッププレート上に鉄製の鍋を置いた状態でコイルに電流を流すと、電磁誘導により鍋底に電気抵抗が生じ、電気抵抗により鍋底が加熱される。
このような原理により鍋底全体を直接加熱するので、周囲の空気へ熱が逃げにくく、熱効率が 80 %以上と高いという特長がある。 2 キロワットのタイプの IH クッキングヒーターは、 4,000 キロカロリーのハイカロリーバーナーに近い火力を持つとされている。
ただし電磁誘導により加熱を行なうため、磁力の影響を受けやすい調理器具(鉄製のフライパン、鉄鍋、 18-0 のステンレス鍋、鉄ホーロー鍋など)を使用する必要がある。アルミ鍋、銅鍋、土鍋、耐熱ガラス鍋などは使用することができない。また鍋底が平らでない鍋(中華鍋など)も使用できない。
このため、アルミ鍋・銅鍋・超耐熱ガラス鍋などが使用できるクイックラジエントヒーターと IH クッキングヒーターを組み合わせたタイプの調理用ヒーターが開発され、普及しつつある(詳しくはラジエントヒーターへ)。
また IH クッキングヒーターを使用するには、家庭内の分電盤において、 IH クッキングヒーターだけに使用する 200 ボルトの専用回路を設置する必要がある(ただし予備の回路がある場合、その回路を利用できる)。

IP 電話

読み方:あいぴーでんわ 

インターネットをベースとした格安の音声電話サービスのこと。
IP フォンに加入するためには、利用者が光ファイバー・ ADSL ・ CATV という高速の情報通信サービスに加入していることが必要になる。その上で、利用者が加入している通信事業者(プロバイダなど)が IP フォンサービスを提供している場合には、利用者が申し込むことにより、 IP フォンが使用できるようになる。ただし初期費用、月額(定額)使用料が必要である。
現在提供されている IP フォンのサービスでは、既存のアナログ電話機を、 IP フォンに対応した特別の機器( IP フォン対応モデムなど)につなぐことにより、 IP フォン通話が使用可能になるものが多い。
IP フォンに加入した場合、 IP フォン専用の電話番号が交付される(既存の電話番号は一般電話回線として引き続き使用できる)。 IP フォンへの一般電話・携帯電話からの着信も可能である。
IP フォンの加入者どうしの通話は無料となることが多い。また一般電話との国内通話・国際通話は格安となる。

IP フォン

読み方:あいぴーふぉん 

→ IP 電話へ
上がり框

読み方:あがりかまち 

玄関に段差が設けられて、腰をおろせるようになっているとき、その腰をおろす部分にあたる水平材のこと。
高価な材が用いられることが多い。

アスファルトシングル葺き

読み方:あすふぁるとしんぐるぶき 

アスファルトシングルとは、基材(無機系材料)にアスファルトを塗覆した柔軟性のある板状の材料である。
軽量かつ安価で、複雑な屋根でも加工しやすく、防水性、耐震性にも優れている。
このアスファルトシングルで屋根を覆うことを「アスファルトシングル葺き」という。
具体的な工法としては、アスファルトシングルを接着剤で下地に張る方法や、釘打ちによる方法がある。

アルコーブ 

読み方:あるこーぶ 

マンションにおいて、共用廊下から数メートル離れた位置に玄関扉をおいた造りのこと。
アンカーボルト

読み方:あんかーぼると 

布基礎(ぬのきそ)にあらかじめ埋め込んでおく棒状の金物のこと。
布基礎と土台を緊結するための重要な金物である。

インテリア

読み方:いんてりあ 

本来は、建物の内部空間の全体を指す言葉である。
住宅の場合で言えば、室内の天井・壁・床の内装材と、家具・調度品のすべてが「インテリア」である。
また一般的には、家具と調度品のみを「インテリア」と呼ぶことも多い。

内法 

読み方:うちのり 

建物の床面積を測定する際に壁の厚みを考慮せず、壁の内側の部分の面積だけを「床面積」とする考え方のことである。
不動産登記法では、分譲マンションなどの区分所有建物を登記する場合には、この内法の考え方で床面積を計算することとされている(不動産登記法施行令第 8 条)。
この反対に、建物の床面積を測定する際に、壁の厚みの中心線を想定し、この中心線に囲まれた面積を「床面積」とする考え方のことを「壁心(へきしん・かべしん)」という。
ちなみに建築基準法では、建築確認を申請する際には、建物の床面積はこの壁心の考え方で測定することとしている(建築基準法施行令 2 条 1 項 3 号)。
従って、分譲マンションなどの区分所有建物については、建築確認を申請する際には床面積を「壁心」で求めるが、そののちに登記をする際には床面積を「内法」で求めているのである。

ウッドデッキ

読み方:うっどでっき 

庭の一部に設けられた木製の床で、居間等と連続した造りになっているものを「ウッドデッキ(木の甲板)」という。
ALC

読み方:えーえるしー 

「 Antoclaved Light Weight Concrete 」の頭文字を取ったもの。日本語では「軽量気泡コンクリート」と表記される。
「軽量気泡コンクリート」は、工場でセメント等に発泡剤を混ぜて、高温高圧の状態で養生したコンクリートである。その特長として軽量にもかかわらず強度があり、耐火性や遮音性にも優れていることが挙げられる。

ALC 造 

読み方:えーえるしーぞう 

ALC 造とは、 ALC 製のパネルを使用した建築構造のことである。
以前は高級戸建住宅の外壁や間仕切りを ALC とすることが多かったが、最近では賃貸マンションにも ALC 造が多用されるようになった。

ADSL

読み方:えーでぃーえすえる 

通常の電話回線を使用して高速の情報通信を行なう技術のこと。 ADSL ( Asymmetric Digital Subscriber Line :非対称デジタル加入者線)の頭文字をつなげたもの。
ADSL は 2000 年以降、日本全国で通信事業各社によって家庭用サービスが開始されている。
通常の電話回線を使用する通信技術としては「ダイヤルアップ接続」があるが、ダイヤルアップ接続では通信速度が遅く、インターネットの画像送信に時間がかかるという問題点があった。
これに対して ADSL では通信速度が 2Mbps から数十 Mbps ( bps は1秒間に1ビットのデータを送信できるという単位)程度と高速であるので、インターネットの画像送信が瞬時に行なえるという長所がある。また使用料金(専用モデムのリース料金を含める)は、使用時間に関係なく1ヵ月当たり 4,000 〜 6,000 円程度の定額制となっている。
なお、さらに高速・大容量の情報通信を行なう技術として光ファイバーがある。

エクステリア

読み方:えくすてりあ 

本来は、建物の外観や建物の外壁を指す言葉であるが、わが国の不動産業界・建築業界では、建物の外まわりに設置される工作物等を総称して「エクステリア」と呼んでいる。
具体的には、住宅の場合で言えば、門扉、塀、生垣、庭、カーポートなどのことである。

SRC

読み方:えすあーるしー 

「 Steel Reinforced Concrete 」の頭文字をとったもの。
「鉄骨鉄筋コンクリート構造」という意味である。 

SI

読み方:えすあい 

→スケルトン・インフィル
S 造

読み方:えすぞう 

S は「 Steel 」のことであり、「鉄骨構造」という意味である。
LDK

読み方:える・でぃ・けー

「リビング・ダイニング・キッチン」のこと

リビングは「居室」、ダイニングは「食事室」、キッチンは「台所」であり、リビング・ダイニング・キッチンは「居室兼食事室兼台所」という意味である。

不動産広告を規制している「不動産の表示に関する公正競争規約(表示規約)」では、広告中に「LDK」と表示する場合には、「居室兼食事室兼台所」として使用できるだけの広さと機能を備えていることが必要であるとしている(不動産の表示に関する公正競争規約第 15 条第 25 号)。

ただし具体的にどれだけの広さが必要かは、この表示規約では規定されていない。
追いだき 

読み方:おいだき 

追い焚き、追焚きとも。
ふろの湯の温度が時間の経過や入浴により低下したときに、温度を上げるためにふろの湯を再度加熱することを「追いだき」と言う。
かつては手動で追いだきを行なっていたが、近年はオートタイプのガスふろ給湯器やオートタイプの電気温水器が登場したことにより、自動的に追いだきを行なうことができるようになった。

大壁 

読み方:おおかべ 

構造用合板などの面材で柱を覆い、柱を隠した壁のこと。
  ◇   行  ◇
カーテンウォール 

読み方:かーてんうぉーる 

高層ビルや高層マンションにおいて、建築物自身の軽量化を実現し、地震の際にガラスが飛散することを防止するために開発された非常に軽量な外壁のこと。
通常の高層建築では鉄骨鉄筋コンクリート構造を採用し、外壁が荷重を支え、かつ地震力や風圧力に対抗する役割を有しているが、高層化が進むと、外壁自体の重さが課題となった。また高層建築で柔構造(地震の揺れに抵抗せずにしなって地震力を吸収するような建築構造)が採用されると、地震の際に壁面の変形によりガラスが飛散することが問題となった。
こうした問題を解消するために、建築物の主要構造を柱と梁とし、外壁は構造体に張り架けただけのものとし、かつ外壁をウロコ状に配置して建物のしなりによる歪みの影響をごく小さくするという工法が開発された。
この工法による外壁のことをカーテンウォールと呼ぶ。またカーテンウォールを採用すると、外壁施工の際に建物外部に足場を組む必要がないため、施工しやすいという長所もある。
わが国では初期の代表例としては霞ヶ関三井ビルのアルミカーテンウォールが挙げられる。
その後さらに改良を加えたハニカムアルミパネルや、ガラスカーテンウォール、チタンパネル、セラミックパネル、 PC カーテンウォール(=プレキャストコンクリートカーテンウォール)などのさまざまな製品が登場している。

花崗岩 

読み方:かこうがん 

火成岩の一種。産出量が多く、磨耗に強いことなどから、床材・壁材などに多用される。ただし耐火性が小さいという欠点もある。
ガス給湯器 

読み方:がすきゅうとうき 

ガスにより瞬間的に湯を沸かし、台所・風呂などのへの給湯を行なうガス機器のこと。
給湯栓の蛇口を開くと同時に燃焼が始まり、水道の水圧を利用して給湯を行なう。
大きく分けて「ガス給湯器」「ガス風呂給湯器」の 2 種類がある。
また浴槽の水を沸かす機能だけに特化したものは「風呂がま」と呼ばれる。

1 )ガス給湯器

ガスの燃焼により瞬間的に湯を沸かし、台所・洗面台・ふろ・シャワーの給湯栓まで湯を運び、給湯を行なう機器のこと。
かつては水温や通水量により湯温が変化するという問題があったが、近年では電子制御により火力をコントロールすることで安定した湯温が確保されている。
ガス給湯器の能力は号数で表示されている。この号数は「水温よりも 25 度だけ高温の湯を 1 分間に何リットル沸かすことができるか」を示したものである。一般的には 4 人家族の場合、 24 号またはそれ以上の号数のガス給湯器が推奨されている。

2 )ガスふろ給湯器

台所・洗面台・ふろ・シャワーへの給湯を行なうだけでなく、ふろの追いだき・沸かし直しというふろがまの機能をも 1 台で兼ね備えた給湯器のこと。
追いだき時に給湯性能が低下することを防止するために、給湯用と追いだき用の 2 組の熱交換器を持ち、バーナーも別々になっているタイプが主流である。
ガスふろ給湯器のふろの沸かし方については、湯はり・追いだきを自動的に行なうタイプ(オートタイプ)と、湯はり・追いだき・足し湯を自動で行なうタイプ(フルオートタイプ)という 2 種類がある。
なお、ガスふろ給湯器は設置場所により次の 2 タイプに分かれる。

ア:自由タイプ

強制循環ポンプを備え、給湯器から離れた浴槽まで強制的に温水を送り出すもの。戸外に設置する。浴室に隣接して設置する必要がないため、間取りの自由さを確保しやすい。

イ:浴室隣接タイプ

浴室に隣接した戸外に設置するもの。主に戸建て住宅で使用される。強制循環ポンプを備えたものと、強制循環ポンプがなく自然対流で浴槽に湯を送り出すものがある。
強制循環式のものは、ある程度設置場所を自由にすることができ、浴槽の高さと機器を設置する高さをある程度ずらすこともできる。
自然対流式では浴槽の高さと機器を設置する高さを合わせる必要があり、また水面に近い方から湯が出るために浴槽下部に冷水がたまりやすいという面もある。

可動間仕切り 

読み方:かどうまじきり 

移動可能な間仕切りのこと。
通常は、展示場や会議場などで使用されるスライド式のパーテーションのことを「可動間仕切り」と呼んでいる。
また最近、住宅で使用されることが多くなったアコーディオン式や引き戸式の間仕切りも「可動間仕切り」と呼ばれることがある。(詳しくはフレックスウォールへ)

角地

読み方:かどち 

正面と側方に路線(道路)がある土地のこと。
角部屋 

読み方:かどべや 

分譲マンション・賃貸マンション・アパートで、各階の廊下の端にある住戸、または廊下が屈折している場合にその屈折部にある住戸のこと。
各階の廊下の端にある部屋を「端部屋」、屈折部にある部屋を「角部屋」と呼んで区別することもあるが、通常は両者を合わせて「角部屋」と称している。
「角部屋」(端部屋を含む)は日照がよく、隣室の騒音の影響を受けにくいなどの利点があることが多いため、分譲価格・家賃において同じ階の通常の住戸よりも高いことが多い。

金物 

読み方:かなもの 

建築材の接合部を結合し、補強するために取り付ける部品(その多くが金属製である)を総称して「金物」と言う。
金物には、くぎ、ボルト、短ざく、かね折り、プレート、アンカーボルト、ホールダウン金物などの多様な種類がある。
特に在来工法の木造建築物では、建築物の安全性・耐震性を確保するために、「筋かいプレート」などの多種多様な金物の使用が必要不可欠である。
このため国土交通省・農林水産省が設立する「財団法人日本住宅・木材技術センター」では、在来工法の木造建築物で使用する金物について、次のような厳格な認定制度を実施している。

1)Z マーク承認制度

( 財 ) 日本住宅・木材技術センターが開発した規格にもとづく高品質な金物を製造する業者に「 Z マーク(ゼットマーク)」の使用を承認する。

2)Z マーク同等認定制度

金物製造業者が開発した金物について、 ( 財 ) 日本住宅・木材技術センターが同等認定試験を行い、これに合格した高品質な金物について金物製造業者に「 Z マーク同等認定」を付与する。
1) の金物は「 Z マーク表示金物」、 2) の金物は「 Z マーク同等認定金物」と呼ばれている。
両者をまとめて「 Z マーク金物」と呼ぶ。
なお、阪神大震災の教訓に基づき、建設省(現国土交通省)では平成 12 年に建築基準法を改正して、金物について厳しい基準を設けた。
この基準を定める「建設省告示第 1460 号」(平成 12 年 6 月 1 日施行)は、筋かいの端部の接合部などにおいては、事実上 Z マーク表示金物または Z マーク同等認定金物(またはそれと同等以上の性能を有する金物)の使用を義務付けるような内容となっている。

壁式鉄筋コンクリート構造 

読み方:かべしきてっきんこんくりーとこうぞう 

鉄筋コンクリート構造のひとつ。
この「壁式鉄筋コンクリート構造」は、「柱」「梁」を設けず、基本的に「壁」だけで荷重を支えるような鉄筋コンクリート構造である。
この「壁式鉄筋コンクリート構造」には、柱・梁がないため、建物の内部空間が広く使用できるというメリットがある。
なお強度を確保するため、壁の中には梁に相当する配筋が作られている。
この「壁式鉄筋コンクリート構造」は、壁が多い中層建物に最適である。しかもコストが安く、空間が広くとれるため、 3 階建共同住宅などで多用されている。

壁心 

読み方:かべしん 

建物の床面積を測定する際に、壁の厚みの中心線を想定し、この中心線に囲まれた面積を「床面積」とする考え方のこと。「壁芯」と書くこともある。
この「壁心」の考え方で計算すると、壁の厚みの分が床面積に加算されるので、実際に使用可能な部分の床面積よりもやや大きな床面積となる。
建築基準法では、建物の床面積とは「壁その他の区画の中心線で囲まれた部分の面積」であると規定しているので、建築基準法は壁心の考え方を採用していると言うことができる(建築基準法施行令 2 条 1 項 3 号)。
なおこの「壁心」と異なる床面積の測定方法として「内法(うちのり)」がある。

框 

読み方:かまち 

障子の枠(わく)を形成する部材のこと。
上辺は「上框」、左右の辺は「たて框」、下辺は「下框」、中央の水平な部材は「なか框」という。
また障子だけでなく、ふすま、板戸、雨戸、和風の玄関戸、ガラス戸、網戸についても上下左右の辺を「框」という。

カラーベスト 

読み方:からーべすと 

建築業界で石綿スレートを指す言葉。本来は(株)クボタのブランド名である。
がらり 

読み方:がらり 

細い板を斜めにして、水平方向に連続的にはめこんだもの。
収納庫の扉などによく使用される。

がらり戸

読み方:がらりど 

板戸であって、框の内部に、細い板を斜めにして、水平方向に連続的にはめこんだもの。
通気性がよいため、押入れなどに使用することが多い。
よろい戸ともいう。

瓦葺き 

読み方:かわらぶき 

瓦とは、あらかじめ互いに重なり合うような曲面の形状に作られた粘土製等の板のことである。この瓦によって屋根を覆うことを「瓦葺き」という。
瓦には、その素材によって、粘土瓦、厚型スレート瓦などがある。
粘土瓦は、粘土を焼成して成型したもの。耐久性に優れるが、他の屋根材料よりも重く、かつ吸水性が高いという欠点もある。
厚型スレート瓦は、セメントと細骨材から作られた瓦で、粘土瓦よりも軽量・安価である。
瓦の形状には、本瓦、桟瓦、 S 瓦、スペイン瓦、フランス瓦、波形瓦、平形瓦などの多くの種類がある。
瓦葺きの工法については、かつては瓦の下に土を入れる工法を用いていたが、現在では瓦を銅線や釘で止める乾式工法が一般的である。

瓦屋根

読み方:かわらやね 

瓦葺きの屋根のこと。
関東間 

読み方:かんとうま 

主に関東で用いられてきた日本の伝統家屋の基本モジュールのこと。京間よりもやや狭い。「田舎間」とも称される。
日本の伝統家屋を設計する際に基本となる柱の間隔(柱の中心から柱の中心までの距離)のことを「 1 間(いっけん)」という。関東間とは、この 1 間を「 6 尺」(約 181.2cm )とする家屋のことである。
(注)日本古来の度量衡である尺貫法では、 1 尺は 30.303cm 、 1 寸は 1 尺の 10 分の 1 、 1 分は 1 尺の 100 分の 1 である。なお尺の長さは明治 24 ( 1891 )年の度量衡法で定められたが、昭和 33 ( 1958 )年に公式の単位としては廃止されている。

蟻害 

読み方:ぎがい 

シロアリにより主に木材が食い荒らされ、建築物の歪み・傾きなどの様々な不具合を引き起こすこと。
シロアリはアリに似た白色または茶褐色の昆虫で、等翅目(シロアリ目)に属する。蟻とは無縁で分類的にはむしろゴキブリに近い仲間である。胴体部にくびれがないことから、アリとの区別ができる。シロアリは生殖の時期には羽を持ち、羽アリとなって戸外へと移動する。
日本に生息するシロアリには、ほぼ日本全域に生息するイエシロアリ、千葉より西の温暖な海岸地域に生息するヤマトシロアリ、都市部に生息するアメリカカンザイシロアリのおおむね 3 種類がある。
特にイエシロアリは、湿潤な木材(主に建物の下部の木材)のみならず、乾燥した木材をも食害する能力を持ち、古材よりも新材を好んで食害し、加害場所から離れた場所に特別な巣を作り、急速に繁殖するため、その被害が大きい。

基礎 

読み方:きそ 

建物の荷重を地盤に伝えるための構造のこと。
直接基礎と杭基礎の 2 種類に分かれる。
直接基礎には、独立基礎(独立フーチング基礎)、布基礎(連続フーチング基礎)、べた基礎などの種類がある。

京間 

 

読み方:きょうま 

主に関西で用いられてきた日本の伝統家屋の基本モジュールのこと。関東間よりもやや広い。京都、大阪を中心に主に関西以西で用いられる。
日本の伝統家屋を設計する際に基本となる柱の間隔(柱の中心から柱の中心までの距離)のことを「 1 間(いっけん)」という。京間とは、この 1 間を「6尺5寸」(約 197.0cm )とする家屋のことである。
(注)日本古来の度量衡である尺貫法では、 1 尺は 30.303cm 、 1 寸は 1 尺の 10 分の 1 、 1 分は 1 尺の 100 分の 1 である。なお尺の長さは明治 24 ( 1891 )年の度量衡法で定められたが、昭和 33 ( 1958 )年に公式の単位としては廃止されている。

金属板葺き

読み方:きんぞくいたぶき 

金属板で屋根を覆うこと。 金属板には、亜鉛メッキ鋼板(トタン)、スズメッキ鋼板(ブリキ)、アルミなどが使用されるが、最近では、銅、ステンレス、チタンなども用いられる。一般住宅では鋼板、アルミが多く使用されている。
金属板葺きには、軽量かつ安価であること、複雑な屋根でも加工しやすいことなどの長所がある。
金属板葺きの工法としては、一文字葺き、瓦棒葺き、横葺きなどがあり、いずれも板どうしの継ぎ目を折り曲げて加工し、下地に釘などで止めるものである。
この他に、継ぎ目を溶接する工法が用いられる場合もある。

金属屋根 

読み方:きんぞくやね 

亜鉛メッキ鋼板(トタン)、スズメッキ鋼板(ブリキ)、アルミ、銅、ステンレス、チタンなどの金属板で葺(ふ)いた屋根のこと。
杭基礎 

読み方:くいきそ 

直接基礎では十分に建物を支持できない場合に用いられる基礎。
コンクリート製などの杭を打設して硬い地盤まで到達させ、その杭の上に建物の土台を築くものである。
また固い地盤がない場合には、杭自体の摩擦力で、建物全体の荷重を支える方法が取られる。

クッションフロア 

読み方:くっしょんふろあ 

プラスチック系床材のうち、塩化ビニル系床材であって、発砲層を含んでいる厚さ 2 ミリ前後のプラスチックシートのことを「クッションフロアシート」または「クッションフロア」と呼んでいる。
「クッションフロア」は、表面層と裏打ち層の間に発泡層をはさんでいるため、保温性・衝撃吸収性があり、また水にも強い。そのため、洗面所・脱衣所・台所の床仕上げ材として多用されている。

クロス 

読み方:くろす 

天井や壁などの仕上げ材として用いられる薄い布製の装飾用壁紙のこと。布製だけではなく、ビニル製やプラスチック製のものも多く、環境問題を含めた安全性が問われている。
最近ではシックハウス症候群の原因とされるホルムアルデヒドを含まない壁装用接着剤がつかわれていたり、環境対応商品や機能性壁紙も登場している。

CATV

読み方:けーぶるてれび 

地上波・ BS 波・ CS 波のテレビ番組を、通信ケーブルによって各家庭へ送るサービスのこと。各地域で設立されたケーブルテレビ会社と各家庭が契約をすることにより、番組を視聴できるようになる。通信ケーブルは、光ファイバーによる幹線と、幹線から枝分かれして各家庭に引き込まれる同軸ケーブル(メタルケーブル)から構成されている。
またこのような CATV の通信ケーブルを利用して高速のインターネット接続を行なうサービスが開始されており、こちらは「 CATV 」または「 CATV インターネット」と呼ばれている。
このインターネット接続サービスでは、家庭にケーブルモデムを設置し、これに同軸ケーブルを接続する。通信速度は数 Mbps ( bps は1秒間に1ビットのデータを送信できるという単位)という高速である。初期費用は数万円、月額費用は 5,000 円前後が主流。

軽量鉄骨 

読み方:けいりょうてっこつ 

正式名称は「軽量形鋼」(けいりょうけいこう)。
厚さ 6 ミリメートル以下の鋼板を、複雑な形状に折り曲げてつくった鋼材のことである。
この軽量鉄骨には、断面の形状等により多数の種類がある。
もっともよく使用されるのは、断面の形状がアルファベットの「 C 」に似たもの(「リップ溝形鋼」)である。

軽量鉄骨構造 

読み方:けいりょうてっこつこうぞう 

鉄骨構造のひとつ。
軽量鉄骨構造とは、次のような特徴を持つ鉄骨構造である。

1) 軽量鉄骨を柱・梁として使用する。

2) ブレース( brace :留め具)で柱・梁を対角線につなぐことにより、水平方向の外力に対抗できる構造をつくる。

3) 木質系パネル・軽量気泡コンクリートパネル・窯業系パネルなどで壁・床を構成する。

従って、「軽量鉄骨構造」とは、在来工法の木造建築物における木造軸組を「軽量鉄骨とブレース」に置き換えたものであると考えることができる。
こうした「軽量鉄骨構造」は一般住宅やアパートに使用されることが多い。

化粧合板 

読み方:けしょうごうはん 

普通合板の表面をプラスチック材料などで覆ったもの。
化粧石綿スレート 

読み方:けしょうせきめんすれーと 

→石綿スレート

下水

読み方:げすい 

雨水を汚水をあわせたものを「下水」という。

1) 雨水

街や建物の敷地に降った雨のことを「雨水」という。

2) 汚水

水洗便所から排出される排水(し尿)と、台所や風呂場から排出される排水(雑排水)とをあわせて「汚水」という。
なお「下水道」とは、雨水と汚水をあわせた「下水」を処理するためのシステム全体を指す言葉である。 

下水道の処理区域 

読み方:げすいどうのしょりくいき 

水洗便所から排出される排水(し尿)を、浄化槽(し尿浄化槽)によって浄化することなく、下水道管へ放出することができる区域のこと。
したがって、この下水道の処理区域では、一般の住宅では、浄化槽(し尿浄化槽)の設置は不要である。

下水道の排水区域 

読み方:げすいどうのはいすいくいき 

水洗便所から排出される排水(し尿)を、浄化槽(し尿浄化槽)によって浄化した上で、下水道管へ放出しなければならない区域のこと。
玄関テラス 

読みみ方:げんかんてらす

外廊下から玄関扉までの間に造られた、植栽などが設置されている空間のこと。

建設業法

読み方:けんせつぎょうほう 

昭和 24 年に制定された建設業に関する法律。具体的には次のような内容を規定している。

1 )建設業を営むには知事又は国土交通大臣の許可を受ける必要がある。

2 )工事請負契約を締結する際に、契約書を作成することを義務付ける(建設業法第 19 条)。

3 )上記 2 の契約書に一定の事項を盛り込む義務がある。具体的には、工事の内容、代金の額、代金の支払方法などの事項を記載しなければならない(建設業法第 19 条)。

4 )受注した工事を一括下請負(いわゆる丸投げ)に出すことが原則的に禁止される(発注者が書面による承諾を与えた場合にのみ一括下請負が可能とされる)(建設業法第 22 条)。
建設工事標準請負契約約款 

読み方:けんせつこうじひょうじゅんうけおいけいやくやっかん 

中央建設業審議会や建設業界の業界団体が制定している、建設工事の請負契約のモデル契約書のこと。
建設業法第 19 条では工事請負契約の書面化を義務としているが、建設工事標準請負契約約款はこの建設業法第 19 条に適合する契約書として、現実に建設業界で広く使用されている。
建設工事標準標準請負契約には次のような種類がある。

1 )公共工事に関しては、中央建設業審議会が「公共建設工事標準請負契約約款」を制定している。

2 )民間工事に関しては、中央建設業審議会が「民間建設工事標準請負契約約款」を制定している。

3 )民間工事に関しては、建設業界の業界団体(全国建設業協会など 4 つの団体)が 2 )の約款をベースとして、「四会連合協定工事標準請負契約約款」を制定した。

4 )その後上記 3 において 2 つの団体が加入したため、上記 3 )の約款の名称が「民間連合協定工事標準請負契約約款」と改められた。
建築構造

読み方:けんちくこうぞう 

「荷重や外力に対抗するために必要な部分の組合せ」のことである。

端的に言えば、建築構造とは「建物の骨組」のこと。
コーナーガラス 

読み方:こーなーがらす 

建物の出隅部分に桟なしではめ込まれた、L型のガラスのこと。コーナーには構造体が配置されることが多いが、これらをずらすことにより生まれるスペースに配置されたもの。採光を確保しやすく、開放的で、パノラマ景観を楽しむことができる。

コーポラティブハウス 

読み方:こーぽらてぃぶはうす 

土地・建築物を共有し、居住することを前提に、入居予定者が事前に組合を結成、その組合員による協同建設方式で造られた住宅のこと。土地の入手から建物の設計・建設・管理等における諸問題をその組合で対処していく。自分達で話し合い、解決するため大変なことが多いが、独自性のある家づくりを可能とし、協同製作の楽しさをも味わうことができる。
構造用合板

読み方:こうぞうようごうはん 

壁などの強度をつくりだすことができる合板のこと。
在来工法や枠組壁工法の木造建築物において、耐力壁、床板、屋根の野地板などとして使用される。

合板 

読み方:ごうはん 

ベニヤ板ともいう。
薄く切った木材を奇数枚貼り合わせたもの。木材を交互に直交させることにより、強度を高めている。
合板は、普通合板、構造用合板などに区別される。

鋼矢板 

読み方:こうやいた 

矢板とは土止めをするための板のこと。鋼矢板とは鋼製の矢板のことである。
小屋裏 

読み方:こやうら 

小屋組の内部のこと。屋根と天井との間にできる空間である。
屋根裏部屋などとして利用される場合もある。

小屋裏換気口 

読み方:こやうらかんきこう 

小屋裏にたまる湿気や熱気を排出するために、軒裏などに設けられる換気口のこと。
小屋組 

読み方:こやぐみ 

木造または鉄骨造の建築物の屋根において、屋根の荷重をささえる骨組のこと。
和小屋と洋小屋の 2 種類に分かれる。

コルクタイル

読み方:こるくたいる 

コルク砕粒や鋸屑に接着剤を混入し圧縮したコルク板を、一定寸法に切断したもの。薄手のものが多く、床・壁において防振・断熱の効果がある。
コレクティブ住宅 

読み方:これくてぃぶじゅうたく 

→コレクティブハウス
コレクティブハウス 

読み方:これくてぃぶはうす 

都市における集合住宅の一つの型式として、個人生活のプライベートな領域の他に共用生活スペースを設けた協同居住型集合住宅のこと。もともとは北欧で生まれた居住スタイルと言われている。複数の家族が共同の台所等を使い、家事・育児を分担し、助け合うスタイルがつくられる。これにより、高齢者・単身者等のさまざまな世代間で豊かなコミュニティが生まれるとされている。
コロニアル 

読み方:ころにある 

建築業界で石綿スレートを指す言葉。
本来は(株)クボタのひとつの商品の名前である。
(株)クボタの生産している「石綿スレート」の商品群は「カラーベスト」というブランド名で販売されているが、このカラーベストのうち最も標準的で普及している商品が「コロニアル」である。
このため、石綿スレート葺きのことを建築業界では「コロニアル葺き」と呼ぶことがある。

コンクリート 

読み方:こんくりーと 

セメントに、水、砂利、砂を加えて混ぜ合わせることにより、化学反応(水和反応)を起こし、固体化させたもの。
圧縮に対する強度が非常に大きく、主に建築物の荷重を支える構造材として多用されている。

  ◇   行  ◇

サーキュレーター 

読み方:さーきゅれーたー 

室内の暖房の空気等を循環させる装置。天井などに取り付け、冷暖房と併用する。暖房時には上部に溜まりやすい暖かい空気を下方へ、冷房時には下部に溜まる冷たい空気を循環させる。すなわち、室内の空気の質・温度を均一にする道具である。
サービスルーム 

読み方:さーびするーむ 

居室における、建築基準法上必要な採光や換気の基準を満たしていない室。準備室という意で、収納スペース等としての使用が望ましい。間取り図上では S や F で表示することが多い。納戸とも。
サイディング 

読み方:さいでぃんぐ 

建物の外壁に使用する仕上材のこと。木材、セメント板、金属、セラミック等が用いられる

在来工法 

読み方:ざいらいこうほう 

木造建築物の工法のひとつ。
「在来工法」とは、「伝統工法」を母胎としながら、第二次大戦後の技術革新で新たに生まれた木造建築物の工法である。
この「在来工法」は、「木造軸組工法」「在来軸組工法」「在来木造」「木造軸組」などの様々な呼び方がされるが、その内容は基本的に同じである。
「在来工法」の特徴としては次のことが挙げられる。

1 )鉄筋コンクリート製の「布基礎」(連続フーチング基礎)を採用し、土台と布基礎をアンカーボルトで緊結する

2 )筋かいを入れて、プレート等で止めつけることにより、軸組全体を安定させる

3 )壁材に構造用合板を採用する等により、壁に強度を与える

4 )その他、材の接合部(仕口)に多様な金物を用いて、軸組全体を補強する

これらの工夫により構造的に強い木造建築が初めて可能となった。
ちなみに建築基準法では、木造建築物についてさまざまなルールを設けているが、これらのルールの前提として想定されているのはこの「在来工法」である。

下がり天井 

読み方:さがりてんじょう 

パイプスペースや梁の出っ張りにより、天井より下に下がった部分(低くなっている部分)を指す。図面上では点線で表示することが多い。
GIS

読み方:じーあいえす 

Geographic Information Systems の頭文字を取ったもの。「地理情報システム」と訳される。
GIS とは「地理情報を総合的に管理し、視覚的に表示し、高度な分析や迅速な判断を可能にする技術」のことである。土地利用、住民台帳、ライフラインなど省庁や企業が個別に作成してきた各種の地図データを統合し、統一的に扱うシステムである。
1995 年 1 月の阪神・淡路大震災の反省をきっかけに、政府は同年 9 月、各省庁局長級による「 GIS 関係省庁連絡会議」を発足させた。 2002 年 2 月に決定された「 GIS アクションプログラム」によれば、 2006 年までに GIS の基盤をおおむねつくり上げることが予定されている。
(詳しくは GPS へ)

GPS

読み方:じーぴーえす 

Global Positioning System の頭文字をとったもの。「地球測位システム」と訳される。

人工衛星から電波を発信し、電波を発信した時刻とその電波を受信した時刻との差を計算することによって、受信者と人工衛星との距離を割り出し、さらに複数の人工衛星について同様に距離を割り出すことにより、受信者の現在位置を知ることができるという位置測定技術。もともとは冷戦時代に米国国防総省が開発した軍事技術である。そのため民生用に使用されている人工衛星の電波は精度が低く、位置測定において最大 100m の誤差が生じるといわれている。

こうした GPS の精度の問題点を克服するため、 1997 年 12 月にわが国の科学技術庁(現・文部科学省)航空科学研究所では「リアルタイム・キネマティック」方式という新しい GPS 技術を開発した。この方式は頭文字をとって、 RTK-GPS とも呼ばれている。

RTK-GPS では、あらかじめ位置が正確にわかっている位置基準点と、移動可能な受信機が、ともに GPS 衛星からの電波を受信する。それと同時に位置基準点から受信機へと無線により補正用のデータが送信される。こうして、受信機側では位置のずれを自動的に修正し、受信機の正確な位置を高精度で測定することができる。その誤差はわずか数センチで、精度は通常の GPS のおよそ 1,000 倍に達する。

そのため、土木・建築の測量においても、 RTK-GPS 受信機を使用することにより、カーナビのような感覚での精密測量が可能となる。また RTK-GPS はリアルタイムで高精度の位置情報が得られることから、高度道路交通システム( ITS )への応用が期待されている。

こうした RTK-GPS を活用するには、 RTK-GPS 用の受信機が普及すると同時に、あらかじめ位置が正確にわかっている位置基準点が多数整備されることが必要である。この点について国土交通省国土地理院は 2002 年度から 3 年計画で、 RTK-GPS に対応する「電子基準点」の整備を進めている。電子基準点は高さ約 5m のステンレス製の塔で、アンテナ、受信機および通信用機器で構成される。電子基準点の位置は毎日精密に測定され、地殻変動によるずれが補正されている。このような電子基準点の位置情報をリアルタイムで提供するサービス(「 GPS 民間活用基盤」という)も一部地域ですでに稼動している。

こうした RTK-GPS の実用化に伴って、 1995 年から各省庁が連携して検討を進めてきた GIS ( Geographic Information Systems :地理情報システム)の推進にも拍車がかかるものと予想される。

GIS では「世界測地系」に準拠した地図情報の集積が必要となるが、 RTK-GPS は「世界測地系」に準拠したデータシステムである。しかも RTK-GPS では前述のように高精度の測量が可能となるので、これまで困難とされてきた各種の地図情報を統合するデータベースの構築が進展するものと期待されている。
敷居 

読み方:しきい 

開口部の下部に設けられる水平材。門の内外を仕切ったり、部屋を区切るために敷く横材で、同時に建具を受ける役目もする。建具の受け方は、戸の開閉形式によって異なり、レールを上に設けたり、溝を彫る等の手法がある。略して「敷き」とも。
軸組 

読み方:じくぐみ 

垂直材(柱)と水平材(梁など)を組み合わせたもの。
木造の建築物の「骨組」のことである。

仕口 

読み方:しぐち 

水平材・垂直材・斜材をさまざまに組み合わせて使用するとき、それらの材どうしの接合部を「仕口」という。
「仕口」は軸組全体の強度を大きく左右するものであるので、一般に金物で補強することとされている。

漆喰 

読み方:しっくい 

消石灰に糊剤を混ぜたもの。
日本古来の左官材料として使用される。

地袋 

読み方:じぶくろ 

床面に接して設けられた高さの低い袋戸棚のこと。床の間の違い棚の下部、あるいは和室の窓の下部等に設置される。
ジャロジー 

読み方:じゃろじー 

細長い羽根を上下に並べ、羽根を回転させることで開閉ができる窓のこと。外部からの視線をさえぎる効果があること、狭い空間でも開閉がしやすいことから、浴室・トイレなどの窓によく使用される。
集成材 

読み方:しゅうせいざい 

厚さ 1 〜 3 センチメートル程度の挽板またはラミナといわれる小角材を、繊維方向が互いにほぼ平行になるように重ね、合成樹脂接着剤で接着合成し 1 つの材としたもの。天然材と比較して、強度性能が高く欠陥が少ない、均一な材を造ることが可能である。
重量鉄骨 

読み方:じゅうりょうてっこつ 

「重量鉄骨」とは、厚さが 6 ミリメートルを超える鋼材のことである。
その反対に、厚さが 6 ミリメートル以下の鋼材は「軽量鉄骨」と言う。
重量鉄骨は、重量鉄骨構造の建物において柱・梁として使用される。

重量鉄骨構造 

読み方:じゅうりょうてっこつこうぞう 

鉄骨構造のひとつ。
重量鉄骨構造とは、次のような特徴を持つ鉄骨構造である。

1) 重量鉄骨( H 形鋼など)を柱・梁として使用する。

2) 柱・梁の接合部をボルトにより「剛接合」する
(「剛接合」とは外力を受けても接合部が回転・変形しないという意味である)

3) 木質系パネル・軽量気泡コンクリートパネル・窯業系パネルなどで壁・床を構成する。

このように「重量鉄骨構造」は、剛接合された骨組を持つ非常に頑強な構造となっている。
そのため、重量鉄骨構造は 3 階建ての一戸建て住宅や、 3 階建ての共同住宅で多用されている。(ただし最近は 2 階建ての重量鉄骨構造も見られる)

浄化槽(し尿浄化槽) 

読み方:じょうかそう 

便所からのし尿と、台所等からの雑排水を一緒に浄化する水槽のこと。沈殿、バッキ、消毒の処理を行なう機能を持っている。
下水道の完備した区域(処理区域という)ではないエリアでは、し尿浄化槽をかならず設置して、し尿を浄化してから、雨水管へ放流しなければならないとされている(建築基準法 31 条 2 項)。

消石灰 

読み方:しょうせっかい 

生石灰に水を反応させて作られる白色の粉状の物質。
主成分は水酸化カルシウム( Ca ( OH ) 2 )である。
運動競技場のライン引きとしても使用されている。
なお石灰は英語で「 lime 」(ライム)という。

上棟 

読み方:じょうとう 

→棟上げ
植栽 

読み方:しょくさい 

敷地内の花壇や空いているスペースに樹木や草花を植えること。視覚的に生活を豊かにするだけではなく、災害時の避難場所、気候調節等、さまざまな効果・役割がある。
真壁 

読み方:しんかべ 

軸組(柱・梁など)をあらわにして、軸組の内側に下地を設け、土塗り等で仕上げたもの。
伝統的な日本家屋ではよく用いられていたが、現在ではほとんど見られない。

シングル葺き

読み方:しんぐるぶき 

薄い板を並べるという最も基本的な屋根の葺き方をいう。
このとき板の種類が金属板であれば「金属板葺き」、スレートであれば「スレート葺き」、アスファルトシングルであれば「アスファルトシングル葺き」と呼ばれるが、いずれも「シングル葺き」の一種である。

スキップフロア 

読み方:すきっぷふろあ 

1 )勾配のある土地、または住宅の一部を地下とする場合等で、建築物の室内において、半階ずらした床を設け、空間に変化をつける空間構成手法。室内に段差が生じるため、バリアフリーには適さない。

2 )集合住宅において、 1 または 2 階おきに廊下を設け、エレベーターは廊下のある階にだけ停止し、その上下階の住戸へは階段を利用するようにした型式。廊下のない階ではプライバシーが確保でき、通風もよい。また、エレベーターの停止階が少ない分だけ、その分のエレベーターホールが不要、通路面積も小さくできるといった利点もある。
数寄屋造り 

読み方:すきやづくり 

豪華な書院造りに、草庵風茶室建築の手法や意匠を取り入れて造られた建築様式のこと。正式の書院と比較して意匠上自由な造りとなっており、洗練された構成美を造り出している。
スケルトン・インフィル 

読み方:すけるとん・いんふぃる 

スケルトンとは骨組ともいえる躯体や共用設備、インフィルは、住戸専有部分の内装・間仕切りや設備。これらを分離させることで、耐久性と可変性が得られる。略して SI (エス・アイ)とも言う。

また、集合住宅において、インフィル部分を入居者の要望により間取りや使用を自由に構成する方式をスケルトン方式と言う。

集合住宅において、入居者の要望により各住戸の間取りや仕様を構成する方式の住宅。集合住宅においても、生活様式の多様化に対応した注文住宅を実現できるように考えられた手法。スケルトン(骨組ともいえる躯体や共用設備)とインフィル(住戸専有部分の内装・間仕切りや設備)が分離することにより、耐久性と可変性が得られる。
筋かい 

読み方:すじかい 

軸組の垂直面において、垂直材(柱)と水平材(胴差し・土台など)を対角線にそって斜めにつなぐ材のこと。
筋かいを入れることによって、軸組が水平方向の力に対抗できるようになり、構造強度が増す。
建築基準法施行令第 45 条では、筋かいの基準を設けるとともに、筋かいと柱・土台等を「金物」で緊結することを義務付けている。
なお平成 12 年 6 月 1 日に施行された建設省(現国土交通省)告示第 1460 号により、筋かい端部における仕口(筋かいと柱・土台等との接合部のこと)の接合方法が具体的に厳しく規定された。
この結果現在では、筋かい端部の接合部においては、事実上、 Z マーク金物(またはそれと同等以上の性能を有する金物)の使用が義務付けられている。
スプリンクラー 

読み方:すぷりんくらー 

「自動散水消化器」ともいわれる消火設備の一つ。天井面に配置された散水口(スプリンクラーヘッド)と送水管より成り、火災時の熱によって散水口の可溶片が溶け、水が自動的に散水される。感知する温度を設定することができるので、厨房等でも設置する事が可能である。
連結される送水管は常時水を満たしている湿式と圧縮空気による乾式とがあり、湿式の方が一般的である。

スラブ 

読み方:すらぶ 

本来は英語で「石板」のこと。
建築用語では、鉄筋コンクリート構造における床板のことを「スラブ」と言う。
鉄筋コンクリート構造では、スラブは大梁や小梁と一体化して成型される。

スレート 

読み方:すれーと 

本来は、粘板岩を薄い板状に加工した屋根材料のことを「スレート」という。
粘板岩は硯(すずり)にも使われる天然鉱物である。
しかし昭和 30 年代に、石綿とセメントを原料とする人工屋根材料である「石綿スレート」が登場し、屋根材料として非常に広く普及したため、近年ではスレートと言えば「石綿スレート」を指すのが一般的である。
そのため、粘板岩の屋根材料は「天然スレート」と呼ばれることが多い。

スレート葺き 

読み方:すれーとぶき 

石綿スレート(または無石綿の人工スレート)や天然スレートで、屋根を葺(ふ)くこと。
スロップシンク 

読み方:すろっぷしんく 

床掃除のモップ・雑巾などを洗うため、また掃除で使った汚水を流すための深型の流し。主にバルコニーや便所、湯沸し室に設置される。「掃除用流し」ともいう。
生石灰 

読み方:せいせっかい 

石灰石を高温で焼いて作られる白色の物質。
主成分は酸化カルシウム( CaO )である。
なお石灰は英語で「 lime 」(ライム)という。

石綿スレート 

読み方:せきめんすれーと 

スレートとは天然鉱物である粘板岩のことを指す。
石綿スレートとはこの粘板岩の代替品として登場した人工屋根材料である。
石綿スレートは、セメントと石綿(アスベスト)を高温高圧下で養生し、成型した板状の人工屋根材料である。さらに着色剤で着色したものを「化粧石綿スレート」と呼ぶことがある。
石綿スレートは、色彩が豊富で、種類が多いだけでなく、粘土瓦に比べて非常に軽量かつ安価であることから、わが国では最も普及した屋根材料となっている。
特に(株)クボタのシェアが高いことから、(株)クボタのブランド名である「カラーベスト」あるいは商品名の「コロニアル」が石綿スレートの代名詞として広く使用されている。
ただし近年、環境問題等への配慮から、石綿を使用しない製品が登場した。石綿の代わりに、人工繊維や天然繊維を使用した無石綿の人工スレートが次第に普及しつつある。

石灰石

読み方:せっかいせき 

炭酸カルシウム( CaCO3 )を主成分とする天然鉱石のこと。
石灰は英語で「 lime 」(ライム)という。

石膏 

読み方:せっこう 

硫酸カルシウム( CaSO4 )を主成分とする物質のこと。
二水石膏( CaSO4 ・ 2H20 )、半水石膏( CaSO4 ・ 1/2H20 )、無水石膏( CaSO4 )の 3 種類がある。
二水石膏を焼成すると半水石膏となる。このため半水石膏を「焼石膏」ともいう。
この焼石膏に水を加えて練ると、流動性の液体となるが、この液体は数分から数十分で再び二水石膏となり固体化する。
このような性質があるため、石膏は左官材料等として多用されてきた。
また石膏には、天然に産出する天然石膏と人工的に生産する化学石膏とがあるが、わが国で用いられる石膏の大半は化学石膏である。
石膏は英語で「 gypsum 」という。

石膏プラスター 

読み方:せっこうぷらすたー 

石膏(焼石膏)に水、砂などを混ぜ合わせたものを「石膏プラスター」という。左官材料などに用いる。
また、石膏(焼石膏)、消石灰、水、砂などを混ぜ合わせたものは「混合石膏プラスター」という。

Z マーク金物 

読み方:ぜっとまーくかなもの 

金物とは、建築材の接合部を結合し、補強するために取り付ける部品である。
Z マーク金物とは、「財団法人日本住宅・木材技術センター」が承認または同等認定する高品質な金物のことである。
筋かいの端部の接合部などにおいては、「建設省告示第 1460 号」(平成 12 年 6 月 1 日施行)によって、 Z マーク金物(またはそれと同等以上の性能を有する金物)を使用することが事実上義務付けられている。(詳しくは「金物」へ)

セメント 

読み方:せめんと 

本来は、水と練り混ぜることにより、時間の経過とともに硬化する物質をすべてセメントと呼ぶ。
建築工事では通常、ポルトランドセメントのことを「セメント」と呼んでいる。
ポルトランドセメントとは、石灰、粘土、石膏から作られる粉末状の物質である。

洗濯機パン 

読み方:せんたくきぱん 

洗濯機を置くための皿状の台のこと。防水パンともいう。
  ◇   行  ◇
DK

読み方:だいにんぐ・きっちん 

ダイニングは「食事室」、キッチンは「台所」であり、ダイニング・キッチンは「食事室兼台所」という意味である。
不動産広告を規制している「不動産の表示に関する公正競争規約(表示規約)」では、広告中に「DK」と表示する場合には、「食事室兼台所」として使用できるだけの広さと機能を備えていることが必要であるとしている(不動産の表示に関する公正競争規約第 15 条第 25 号)。
ただし具体的にどれだけの広さが必要かは規定されていない。

大理石 

読み方:だいりせき 

石灰岩が高温高圧下で結晶化した岩石。中華人民共和国の「大理」で多く産出することからこの名がある。光沢があり、色彩が美しいことから、室内の床材などに使用される。火熱や水に弱いという欠点もある。
耐力壁 

読み方:たいりょくへき・たいりょくかべ 

建築基準法第 20 条の規定にもとづいて、地震力や風圧力による水平方向の力に対抗することができるように、筋かいを入れ、または構造用合板などを張った壁のことを「耐力壁」と呼ぶ。
建築基準法では「建築物は、自重、積載荷重、積雪、地震力、風圧力などに対して安全な構造でなければならない」として、すべての建築物が構造に関する基準を満たすことを要求している(建築基準法第 20 条第 1 号、同施行令第 3 章第 1 節から第 7 節の 2 )。
また、木造 3 階建てなどの建築物では、特に構造計算により安全性を確認することを義務付けている(建築基準法第 20 条第 2 号)。
この建築基準法第 20 条により、建築物は地震力・風圧力という水平方向の外力に十分に対抗できるような構造を有することが要求されており、この必要性を満たすために筋かいを入れ、または構造用合板等を張った壁を一般に「耐力壁」と呼んでいる。
耐力壁の構造は、建築基準法施行令第 46 条第 4 項の表(一)と昭和 56 年建設省告示第 1100 号により詳しく規定されている。
それによれば、例えば在来工法の木造建築物において、柱・梁・筋かいから構成される壁は耐力壁となる。また枠組壁工法において一定の面材(構造用合板、パーティクルボード、石膏ボードなど)を張った壁は、筋かいが無くとも、耐力壁である。
なお建築物の形状や面積により、どれだけの耐力壁を備えるべきかという基準のことを「必要壁量」と言い、この必要壁量の計算方法は建築基準法施行令第 46 条第 4 項に規定されている。
この必要壁量の計算方法では、建築物の下方階ほど強度の高い耐力壁を多く備えることが要求されている。これは地震力・風圧力とも下の階にいくほど多くの力がかかり、強い対抗力が必要になるからである。
また建築物の形状については、奥行きの長い建築物ほど多くの力がかかるため、必要壁量も多くなる。このため奥行きの長い建築物では、外壁だけでなく、内部を仕切る内壁(間仕切り壁)も耐力壁にする必要性が生じやすい。

タイルカーペット 

読み方:たいるかーぺっと 

50 センチ× 50 センチなどの正方形に加工された小型のカーペット。
施工しやすく、汚れた部分の取替が容易で、床下の配線工事などのための一時的な取り外しにも簡単に対応できるので、主に事務所で多用される。

タウンハウス 

読み方:たうんはうす 

2 階建ての連棟式住宅のこと。各住戸の敷地は、すべての住戸の所有者が共有していることが多い。
たたき 

読み方:たたき 

「三和土」とも。建物内において、床を張らずに、地面のまま、もしくは叩き土、しっくい、コンクリートなどで叩き固めて仕上げられた土間のこと。最近では、コンクリート仕上げのものが多い。

読み方:たたみ 

不動産広告では、建物の間取りを表示する際には「和室 6 畳」「洋室 8 畳」「台所 3 畳」のように表示している。
このとき、畳数から部屋の床面積を求める方法としては、一般的には、おおよそ「畳数× 1.65 平方メートル」が部屋の床面積になるものと考えられていると言ってよい。
ただし実際に、ある部屋が何畳間に相当するかは、地域ごとの慣行の違いなどにより、確立したルールがあるわけではない。そのため上記の計算によって必ず正確な部屋の床面積が算出できるというわけではない。
そこで、不動産広告を規制する不動産の表示に関する公正競争規約(表示規約)では、次のような基準を設け、畳と床面積との関係に関する最低限のルールを定めている(規約第 15 条第 23 号)。

1 )壁心の計算で求めた部屋の床面積を、広告中に表示した部屋の畳数で割ったとき、 1 畳当たりの床面積は少なくとも 1.62 平方メートル以上とならなければならない。

2 )ただし新築住宅以外の建物(店舗・事務所・中古住宅など)の場合には、上記 1) の例外として、 1 畳当りの床面積が 1.5 平方メートル以上 1.62 平方メートル未満であるものとして、部屋の床面積を畳数に換算することが許容される。

3) なお上記 2) の場合においては、 1 畳当りの床面積が何平方メートルであるものとして畳数を求めているのかを、不動産広告中に明記しなければならない。

つまり表示規約にしたがう不動産広告では、新築住宅の場合は、部屋の床面積(壁心で計算したもの)は、少なくとも「畳数× 1.62 平方メートル」以上になる必要がある。
また中古住宅の場合は、部屋の床面積(壁心で計算したもの)は、少なくとも「畳数× 1.5 平方メートル」以上になる必要がある。
なお上記の「壁心」とは、壁の厚みの中心線で囲まれた床面積を建物の床面積とするという計算方法のことである(詳しくは「壁心」「内法」を参照)。

建物 

読み方:たてもの 

民法では、土地の上に定着した物(定着物)であって、建物として使用が可能な物のことを「建物」という。
具体的には、建築中の建物は原則的に民法上の「建物」とは呼べないが、建物の使用目的から見て使用に適する構造部分を具備する程度になれば、建築途中であっても民法上の「建物」となり、不動産登記が可能になる。

垂れ壁 

読み方:たれかべ 

天井から垂れ下がった形状の壁のこと。
建築基準法では、こうした垂れ壁であって、天井面から 50 センチ以上、下方向に突き出しているものを「防煙壁」と呼ぶ。
この「防煙壁」は、火災により発生する煙の拡散を防ぎ、避難を容易にするための設備のひとつである(建築基準法施行令第 126 条の 2 )。

長尺塩ビシート 

読み方:ちょうじゃくえんびしーと 

プラスチック系床材のうち、塩化ビニル系床材であって、発砲層を含んでいない、幅の広いロール状のプラスチックシートのことを「長尺塩化ビニルシート」または「長尺塩ビシート」と呼んでいる。
「長尺塩ビシート」は、ロール状であるため大きな床面の仕上げに適しており、同時に硬質で耐久性・耐摩耗性に優れている。このため、学校、病院、オフィスなどでよく使用されている。

張壁

読み方:ちょうへき 

構造耐力(自重、積載荷重、積雪、地震力、風圧力などを支えまたは対抗する力のこと)を負担しない壁である。
具体的には、耐力壁ではない間仕切り壁が張壁である。また近年、高層ビルの外壁に使用されているカーテンウォールも張壁である。

直接基礎 

読み方:ちょくせつきそ 

建物の荷重が、基礎を通じて直接的に地盤に伝達されるとき、この基礎を直接基礎という。
直接基礎には「独立基礎」「布基礎」「べた基礎」の 3 種類がある。

2 × 4 (ツーバイフォー)工法 

読み方:つーばいふぉーこうほう 

北米で生まれた木造建築の工法。わが国における正式名称は「枠組壁工法」である。
断面が 2 インチ× 4 インチの木材を使用することから、このような名称が付けられた。
このツーバイフォー工法の最大の特徴は、木材で組んだ「枠組」に構造用合板を打ち付けることで、構造全体の強度を得ることである。

継手 

読み方:つぎて 

部材の長さが確保できないときに、 2 つ以上の部材を継ぎ足すことがある。
このときの接合部のことを「継手」と言う。
しかし「継手」は強度が非常に小さくなるので、できるだけ「継手」は行なわないことが望ましい。またやむをえず行なうときは金物で補強する必要がある。

坪 

読み方:つぼ 

土地面積や部屋の広さを測るときの単位。 1 坪おおよそ 3.3 平方メートルに相当する。
土地の売買契約においては、一般的に「 1 辺を 6 尺(約 1.818 メートル)とする正方形」が 1 坪であるという慣行が成立しているものと思われる。この慣行に従えば、 1 坪とは約 3.3058 平方メートルであると言うことができる。
なお不動産の広告を規制する「不動産の表示に関する公正競争規約(表示規約)」によれば、土地の面積や建物の床面積を広告で表示する場合には、必ずメートル法によって表示することとされている(不動産の表示に関する公正競争規約第 15 条第 19 号)。
ただしメートル表示と同時に、坪表示も併せて表示することは可能である。

鉄筋コンクリート構造 

読み方:てっきんこんくりーとこうぞう 

鉄筋とコンクリートによって、柱・小梁・大梁・スラブ・壁を造り、すべての部分を一体化した構造のこと。
鉄筋コンクリートの部材は、引っ張る力にも、圧縮する力にも強いので、地震に対する安全性が高い構造となる。
またすべての部材がコンクリートで一体化され、部材どうしの接合部は剛(ごう)であるので、建築学上の「ラーメン構造」となっている。
この鉄筋コンクリート構造のデメリットは、自重が大きいため、原則的には大空間建築や高層建築に向かないということである。

鉄骨構造

読み方:てっこつこうぞう 

鉄骨造、S造とも。
柱と梁を「鉄骨」で作り、壁・床に「木質系パネル」「軽量気泡コンクリートパネル」「窯業系パネル」など使用した構造のこと。
主要な構造を形成する鉄骨の種類により「軽量鉄骨構造」と「重量鉄骨構造」に分けることができる。

鉄骨鉄筋コンクリート構造

読み方:てっこつてっきんこんくりーとこうぞう 

鉄筋コンクリートに、鉄骨を内臓させた建築構造。
比較的小さい断面で、強い骨組を作ることができ、粘り強さもあるため、高層建築に多用されている。

出窓 

読み方:でまど 

外壁から外部に突き出した窓のこと。
建築基準法では、外壁から外側に突き出した長さが 50 センチ未満であれば、この突き出し部分は床面積から除外することとしている。このため、出窓の突き出しは 50 センチ以下であることが多い。

テラス 

読み方:てらす 

庭の一部にコンクリートやレンガ等を敷き詰め、住宅から自由に出入できるようにした場所のこと。
テラスハウス 

読み方:てらすはうす 

2 階建ての連棟式住宅のこと。各住戸の敷地は、各住戸が単独で所有している。
テラゾ 

読み方:てらぞ 

白セメントに大理石の粒を入れて練り、板状にし、表面を研磨することにより、大理石に似た模様を作り出したものを「テラゾ」という。大理石に似せた人造石である。
大理石以外の石の粒(花崗岩など)を入れたものも「テラゾ」と呼ぶ場合がある。

DEN

読み方:でん 

一般的には書斎のこと。趣味を楽しむための部屋としても使用され、要するに動物の巣のようなプライバシーの高い室。広さ・形の基準はなく、間取り図に DEN と表示されることが多い。

電気温水器 

読み方:でんきおんすいき 

割安な深夜電力を利用して夜間に高温の温水を沸かし、貯湯タンクに蓄えておいて、台所・洗面台・ふろ・シャワーなどのへの給湯をまかなう電気機器のこと。
深夜電力は通常の電灯料金の約 3 分の 1 と割安であり、また電気ヒーターで加熱するので二酸化炭素が発生せず、燃焼音がなく静かに湯を沸かすことができるというメリットがある。
近年では、湯を使用すると同時に必要な量の湯を自動的に追加して沸かすタイプや、給湯圧を高めて 2 階でも湯の出る勢いを高めたタイプなど様々な製品が普及している。また配管を電気温水器本体部に内蔵し、配管工事の手間を軽減した製品が主流となっている。標準的な貯湯タンクの容量は 3 人家族で 300 リットル程度が目安とされている。
浴槽への給湯については、給湯のみを行なうタイプ、自動的に風呂釜への湯はりを行なうタイプ(オートタイプ)、自動湯はりだけでなく自動追いだき・自動足し湯も行なうタイプ(フルオートタイプ)という 3 種類がある。
なお、電気温水器の「ふろ追いだき機能」については昼間電力を使用するためコストが高いなどの課題があったが、近年は深夜電力の蓄熱を利用して熱交換方式で追いだきをすることにより低コストかつスピーディーな追いだきができる製品が平成 12 年に開発されており、ガス給湯器に劣らない性能となっている。

天地返し

読み方:てんちがえし 

汚染土壌について、土壌の直接摂取による健康被害の恐れがある場合における土壌汚染の除去等の措置のひとつ。
土壌汚染の除去等の措置として土壌入換えを行なう場合に、指定区域内において汚染されている深さまでの汚染土壌をすべて掘削し、その下の汚染されていない土壌と上下をすべて入れ換えることである。(環境省の「土壌汚染対策法ガイドライン」を参考とした)

伝統工法 

読み方:でんとうこうほう 

第二次大戦以前から行なわれてきた日本古来の工法のこと。現代ではこの伝統工法による木造住宅は極めて少なくなりつつある。
伝統工法は、布基礎(ぬのきそ)を用いないこと、筋かい(すじかい)ではなく貫(ぬき)で壁の強度をつくること、柱をあらわにする「真壁(しんかべ)」を採用することなど、現代の一般的な木造住宅とは大きく異なる特徴を有している。

天板 

読み方:てんばん(てんいた) 

カウンターや机、棚(箱物家具)等の最上面の板。「甲板(こういた)」ともいう。
天袋

読み方:てんぶくろ 

2 つの意味がある。

1. 天井面に接して、もしくは近い位置に造られる戸棚のこと。押入上部や天井から吊り下げて設置されることが多い。

2. 押入の上部にある、小さいふすまのつけられた収納部分のこと。
天窓 

読み方:てんまど 

トップライトともいう。

屋根に設けられる窓のこと。天井からの採光のために作られる。

壁面の窓にくらべて、 3 倍の採光効果があるとされている。

また天井近くの高い位置に設ける窓も「天窓」と呼ばれることがある。
独立基礎 

読み方:どくりつきそ 

独立フーチング基礎ともいう。
主要な柱の底部に、それぞれ独立したフーチングを置いた基礎である。

土台 

読み方:どだい 

建物の最下部で、柱の荷重を受ける水平材のこと。
柱から受けた荷重は、土台を通じて基礎へと伝えられる。

トップライト 

読み方:とっぷらいと 

→天窓 
戸袋 

読み方:とぶくろ 

雨戸を開けた際、収納するための造作物のこと
ドライエリア 

読み方:どらいえりあ 

地下室がある建物において、建物の周囲の地面を深く掘り下げて作った「からぼり」のこと。
目隠しとして、また雨水の侵入を防ぐため、地上部に腰壁が設けられていることが多い。
建築基準法では衛生上の要請から地下室にはこのドライエリア(からぼり)を設けることを原則として必要としている(建築基準法 29 条)。

トランクルーム

読み方:とらんくるーむ 

分譲マンションにおいて、区分所有者が利用するために、各住戸とは別に設置された小型の倉庫のこと。
区分所有者が各住戸を購入する際に、同時にトランクルームを購入する場合もあれば、区分所有者はトランクルームを所有せず、毎月使用料を支払う場合もある。

  ◇   行  ◇
長押

読み方:なげし 

柱の側面や鴨居の上部などに取り付ける化粧材のこと。壁を装飾するための水平材で、断面は台形である。本来は、軸組を引き締める効果もあったとされている。取り付ける位置によっては天井長押、内法長押などと呼ぶ。
生放流 

読み方:なまほうりゅう 

下水道が完備されている区域を「下水道の処理区域」という。
下水道の処理区域では、汚水を各住戸の浄化槽で浄化する必要がなく、汚水をそのまま公共の下水道管(汚水管)へと放流することができる。このことを不動産業界では、汚水を生のまま放流できるという意味で「生放流(なまほうりゅう)」と呼んでいる。
ただし不動産販売のパンフレット等では「下水:公共下水道へ直接放流」のように表記する方が一般に理解しやすいと思われる。

納戸 

読み方:なんど 

もともとは屋内に設けた衣類などを収納する部屋という意味であるが、不動産広告では採光のための窓がない(または窓が小さい)部屋のことを「納戸」と表示する。
建築基準法によれば、住宅の居室には、採光のための窓などを居室の床面積の 7 分の 1 以上の大きさで設けなければならない(建築基準法 28 条 1 項)。
従って、住宅の構造上、採光のための窓を設けにくい部屋は、建築基準法上の「居室」となることができない。そこで、住宅の販売広告等ではこうした部屋を「納戸」と表示することにしているのである。
また最近は「サービスルーム」、さらにはその頭文字をとって「S」と表示されることも多い。
なお不動産広告を規制する「不動産の表示に関する公正競争規約(表示規約)」では、建築基準法の採光等の規定をクリアしていないために「居室」となることができない部屋は「納戸」等と表示することと定めている(不動産の表示に関する公正競争規約(表示規約)第 15 条第 26 号)。

二世帯住宅 

読み方:にせたいじゅうたく 

親世帯と子世帯が一緒に住まう住宅で、その状況を考慮されたつくりのものをいう。少子化に伴う親子関係の密着度の増加、限られた土地の有効活用等が一緒に住まう理由の一つとして挙げられる。形状的にはいくつかのパターンがあり、それぞれのライフスタイルに合うものとする。いずれも税金や公的融資上の優遇措置がある。
ニッチ 

読み方:にっち 

廊下やホールなどの壁を凹状にえぐった部分のこと。西洋建築によく見られる。草花や彫像等を収めるためのスペースで、飾り棚として使用されることが多い。

読み方:ぬき 

壁面において、柱どうしを水平方向につなぐ材のこと。
伝統的な日本家屋の真壁(しんかべ)では、貫を利用して壁の下地を設けていた。

布基礎

読み方:ぬのきそ 

連続フーチング基礎ともいう。
建物の土台にそって、切れ目なくフーチングを築造した形状の基礎である。
建物の土台と布基礎は金物で緊結されている。
なお布基礎は通常は鉄筋コンクリート造である。 

ぬれ縁 

読み方:ぬれえん 

屋根や壁などがなく、建物の外側に設けられる雨ざらしの縁側のこと。木口を見せる、すなわち縁と直角方向に縁板を張ることが多く、長手方向に張る普通の縁側(内部)の場合とは異なる。「雨縁」、「縁」ともいう。
法面

読み方:のりめん

宅地としては利用できない切土や盛土における傾斜面のこと。「法(のり)」ともいう。

  ◇   行  ◇
パーゴラ 

読み方:ぱーごら 

イタリア語で葡萄棚という意で、蔦・藤などのつる性植物を絡ますように造ったトンネル状の棚のこと。開放的であると同時に、植物による日除けのスペースであり、庭園における景観的美しさも兼ね備えている。
パース 

読み方:ぱーす 

透視図法、すなわちある点から放射状に線を引いて投影した図のこと。物を立体的に表現し、平・立面図に比べてイメージを把握しやすい。従って、建築物の完成予想図としてよく用いられる。描く部分によって外観透視図・室内透視図がある。「パースペクティブ」とも。
ハイカロリーバーナー 

読み方:はいかろりーばーなー 

標準的なガスバーナーの 2 倍以上の火力をもつガスバーナーを「ハイカロリーバーナー」という。
またハイカロリーバーナーを組み込んだ 2 口以上のバーナーをもつガスコンロ(ガステーブル)のことを「ハイカロリーバーナー」と呼ぶこともある。
標準的なガスバーナーは、強火の場合で 1 時間当たり約 2,000 キロカロリーの熱量を発生させる。この熱量とは、 20 度の2リットルの水を約 5 分で 100 度に沸騰させるという熱量のことであるが、実際には外部に逃げる熱量が 50 %以上あるため、 10 分近くかかる。
これに対して、ハイカロリーバーナーは 1 時間当たり 4,000 キロカロリー以上の熱量を発生させることができ、調理時間を大幅に短縮するだけでなく、中華料理のような強い火力を必要とする調理も家庭でできるようにしたものである。
またハイカロリーバーナーでは、火力が外部に逃げることを防ぎ、かつ鍋の取っ手が加熱されることを防止するために、炎が上向きに立ち上がるようにしたタイプや炎を内向きにしたタイプなど、熱効率を大幅に高めた機種が開発されている。
また高火力による油の飛び散りへの対策として、ガスコンロ(ガステーブル)の表面をフッ素樹脂加工や結晶ガラスとし、調理後の掃除を簡単にしたタイプも発売されている。

PS

読み方:ばいぷすぺーす 

上下水道管(さらにはガス湯沸器など)を収納したスペースのこと。住戸の外部(玄関脇など)に設置されているのが一般的である。このパイプスペースの中に電気・ガス・水道のメーターを納めているときは、「 MBPS 」と表示されることがある。
なおこの PS や MBPS は、住戸の外部にあるときは、住戸の使用面積(専有面積、賃貸面積)には一般的に算入されない。

パティオ 

読み方:ぱてぃお 

スペインやラテンアメリカなどの住宅に見られる中庭。一般的には、多彩なタイル張りの床、噴水、植木などで構成された中庭。スペインやラテンアメリカなどの住宅に見られる。
幅木 

読み方:はばき 

壁の最下部で床に接する所に水平に設けられた化粧材のこと。壁の最下部を物がぶつかる等の損傷や汚染から保護し、床の納まりをよくする。木材、石、タイル、金属板、プラスッチック等が用いられる。
はめ殺し窓

読み方:はめごろしまど 

開閉できない、枠に直接ガラスなどが固定された窓。「はめ殺し」ともいう。
パラペット

読み方:ぱらぺっと 

次の 2 つの意味がある

1 )陸屋根(水平な屋根)の周囲を取り囲むように設置された低い壁。

2 )店舗の屋上や、店舗の正面の上方に取り付ける壁。

1 )の意味のパラペットは、落下防止や雨水の侵入を防止するために設置されるものであり、 2 )の意味のパラペットは主に看板を取り付けるために設置されるものである。
パラボラアンテナ 

読み方:ぱらぼらあんてな 

衛生からさまざまな情報を受信するためのお椀型のアンテナのこと。一般的には、衛星放送受信用のアンテナ( BS アンテナ)のことを指す。
最近のマンションでは、各住戸でそれぞれ設置する必要がないよう、あらかじめ共用のパラボラアンテナを設置し、各住戸への配線によって衛生放送が見られるようにしたものも多い。
パラボラとは放物線のことで、アンテナの内部が放物線の用に半円を描いている所から、この名前がついた。放物線の焦点は光が集まる点としての性質をもっており、この原理を生かし、アンテナに届いた電波は、中央部に設置された受信機に集められる。
パラボラアンテナは電波指向性が高いため、アンテナを電波の来る方向へある程度正確に向ける必要がある。

バランスがま 

読み方:ばらんすがま 

浴室内に設置される風呂釜(ふろがま)のこと。浴槽の脇に設置するタイプの風呂がまである。浴槽と風呂がまが接しているため、エネルギーの損失が少なく経済的という利点がある。
バランスがまは、浴槽にためた水を沸かす機能だけでなく、追いだき機能・沸かし直しの機能を持つ。またシャワー機能をもつ機種もある。ただし台所・洗面台への給湯機能は持たない。
バランスがまを設置する場合には、給排気を安全に行なうために、浴室内から戸外へと通じる排気筒を浴室内に設置する必要がある。また換気を確保するために浴室に換気窓を設けるケースが多い。

梁 

読み方:はり 

小屋組や床組の荷重を二点支持により水平や斜めの状態で支える横材のこと。柱などと連結して、上方からの荷重を鉛直方向に流し、地面に力を伝える重要な構造部材である。
バリアフリー 

読み方:ばりあふりー 

高齢者や身体障害者など、体の不自由な人々の行動を妨げる物的・心理的障害を取り除くという意味。バリアフリーデザインはその障害となる物を除去し、生活しやすいよう設計されたものである。段差を出来る限りつくらずにスロープ等を用いることも一つの手法である。
バルコニー

読み方:ばるこにー 

建物の壁面から突き出した床の部分。ベランダとも言う。
バルコニー・ベランダは、マンションの場合、共用部分とみなされるので、各住戸の専有面積に算入されない。
またマンションの各住戸の所有者は、バルコニー・ベランダに物を置いて火災時の避難に支障をきたしてはならないとされている。

ハロゲンヒーター

読み方:はろげんひーたー 

ハロゲンランプ(石英管内にタングステンフィラメントを内蔵し、ハロゲンガスを封入したもの)を熱源とする調理用ヒーターのこと。
ハロゲンランプが放射する光の 80 %以上が熱(赤外線)であることに着目し、この放射熱を調理に応用したものである。
ハロゲンヒーターの特徴として、熱効率がガスバーナー(ガスコンロ)に比べて高いこと、火力が強いことが挙げられる。また熱源であるハロゲンランプの寿命は 5,000 時間から 1 万時間程度である。
ただしハロゲンヒーターでは、土鍋、ガラス鍋、ホーロー鍋などは使用することができない(超耐熱ガラス鍋・耐熱ホーロー鍋は使用できる)。
なお最近は、ハロゲンランプを使用した暖房器具も発売されており、この暖房器具もハロゲンヒーターと呼ばれている。

パントリー 

読み方:ぱんとりー 

食料品や食器を入れておく小室、または配膳室のこと。厨房に隣接して配置する場合と、食事をとる部屋に近づける場合があり、配膳における一連の動作がスムーズに進むように設計すると良い。
PC 造

読み方:ぴーしーぞう 

プレキャストコンクリートを使用した建築構造のこと。
鉄骨の骨組にプレキャストコンクリートをはめこむことによって造られる建築構造である。
この建築構造は工事期間とコストが少なくてすむため、賃貸マンションなどに多用されている。

P タイル 

読み方:ぴーたいる 

プラスチック系床材であって、タイル状に成型されているものを「プラスチックタイル」または「 P タイル」という。
P タイルには、その材料によって、塩化ビニル系タイル、アスファルト系タイル、ゴム系タイルなどの種類がある。
ただし、一般的に「 P タイル」と言う場合には、塩化ビニル系タイルのうち硬質のもので、大きさが 30 センチ× 30 センチのものを指していることが多い。
この一般的な意味での P タイルは、硬質で耐久性・耐磨耗性に優れており、学校、オフィス、商業施設で多用されている。

光ファイバー

読み方:ひかりふぁいばー

ガラスやプラスチックの細い繊維を芯として光をとおす通信ケーブルのこと。通信データを光の信号でやりとりするため、高速・大容量の情報通信が可能になる利点がある。
ADSL の通信速度が 2Mbps 〜数十 Mbps ( bps は 1 秒間に 1 ビットのデータを送信できるという単位)であるのに対して、光ファイバーでは計算上は 100Mbps の通信速度が出るとされている(ただし現時点では設備上の問題から 100Mbps は実現しないことが多い)。このため光ファイバーは、映画などの動画を配信できる次世代の情報通信技術として注目されている。
光ファイバーの家庭向けサービスは、すでに NTT の「 B フレッツ」をはじめとして通信事業者各社が開始しているが、初期費用が数万円と高いこと、月額費用が通常で 8,000 円から 15,000 円と ADSL よりも高額であることからまだ普及が進んでいない。
なお、光ファイバーを各家庭へ引き込むことを「 FTTH 」( Fiber To The Home )と言うが、ここから転じて、家庭用の光ファイバー通信サービスのことを「 FTTH 」と呼ぶ場合がある。

ビルトイン 

読み方:びるといん 

あらかじめ壁面などに組み込んで用いられる方式、すなわち造り付けのこと。ビルトインエアコン、ビルトインクローゼットなどがよく見られる。室内における出っ張りを減らし、すっきりと美しく納めることができる
ピロティ 

読み方:ぴろてぃ 

本来はフランス語で「杭(くい)」のこと。そこから派生して、建築物を柱だけで支え、 1 階部分が自由に通り抜けできるようになった建築スタイルのことを「ピロティ」と称するようになった。
現在の建築用語では、 1 階部分の一部にあり、 2 階の重みを柱だけで支えた空間のことを「ピロティ」と呼んでいる。
このピロティは駐車スペースや作業場に使用しやすいので、オフィスビルやマンションで多用されている。
また一戸建て住宅でも、 2 階部分を 1 階部分より大きくすることで、1階にピロティを設け、駐車スペースとすることがある。

フーチング 

読み方:ふーちんぐ 

基礎の底部を幅広くした構造のこと。
断面は「 T 」の字を逆さまにしたような形状となる。
このフーチングを地盤面の下に埋め込むことにより、基礎全体を水平方向に安定させると同時に、地盤の支持力を高めている。

ファサード 

読み方:ふぁさーど 

建物(主に店舗)を正面から見た場合の外観のこと。
パラペットの看板と店頭部分の両方をまとめて「ファサード」と呼ぶ。

不同沈下 

読み方:ふどうちんか 

建物荷重や外力の作用によって、場所によりむらがある沈み方で地盤下に沈下する現象。傾斜や地盤の状況、基礎の形状等が原因となり、地震時に軟化現象等を引き起こすことによって起きる。建築物の構造に障害を引き起こす可能性のある場合は、地盤改良、基礎形状の見直し等有効な対策を講じる必要がある。
プラスター 

読み方:ぷらすたー 

鉱物性の粉末と水その他の材料を練り合わせ液体状の材料で、時間の経過とともに硬化するもの。左官材料などに用いられる。
英語では「 plaster 」と表記する。

プラスターボード 

読み方:ぷらすたーぼーど 

→石膏ボード
プレイロット 

読み方:ぷれいろっと 

おおまかには、都市における幼児対象の幼児公園のこと。砂場やブランコ、滑り台などの静的な遊具を設けて、幼児のための遊び場とする。特に、団地やマンション等の敷地内における、乳児用を対象とした簡単な遊び場のことをいう。
プレキャストコンクリート 

読み方:ぷれきゃすとこんくりーと 

英語表記は「 Precast Concrete 」。
工場であらかじめ製作された鉄筋コンクリートパネルのことである。
現場で鉄筋コンクリートの壁等を製作するには時間と費用がかかるが、プレキャストコンクリートを使用することによって建築に要する時間とコストを大幅に削減することが可能となった。

フレックスウォール 

読み方:ふれっくすうぉーる 

建築物の内部空間を区画するために設けられる開閉可能な間仕切りのこと。可動間仕切りとも呼ばれる。
フレックスウォールは、ひとつの部屋を必要に応じて 2 つに仕切ることができる。
フレックスウォールには、アコーディオン式(折り戸式)のものや、引き戸式のものなどさまざまなな種類がある。
また小窓のついた家具調のものや、床から天井まで隙間無く覆う壁のようなものなど、形状もさまざまである。

プレハブ住宅 

読み方:ぷれはぶじゅうたく 

現場での施工の前に、あらかじめ工場で部材の加工、組立を行ない、それを現場で組み立てる住宅。生産性の向上、質の均一性、精度の向上を目的とし、現場作業を軽減させることから工期も短縮できる。また、工場生産により価格が抑えられることなどの特徴がある。
フローリング

読み方:ふろーりんぐ 

木板や木質材料による床板のことを一般に「フローリング」という。
フローリングには、単層フローリング(無垢材(一枚の厚い天然木単板)を多数敷き詰めたもの)と、複合フローリング(単板を重ねて表面に天然木単板を接着した板材を多数敷き詰めたもの)の 2 種類がある。
近年では、コストが安く、変形・伸縮が少ない複合フローリングが主流となっている。
フローリングには下階に床衝撃音が響くという短所がある。これを克服するには、フローリングとクッション材を複合した商品(複層フローリング)を使用することが有効である。

風呂がま

読み方:ふろがま 

浴槽にためた水をガスで瞬間的に加熱し、風呂を沸かす機器のこと。「ガス風呂がま」とも言う。
風呂がまは、ガス給湯器の一種ではあるが、台所・洗面台への給湯機能は持たず、風呂の湯沸し機能・追いだき機能・沸かし直し機能だけを持つ。またシャワー機能を備えている機種とそうでない機種がある。
風呂がまは設置場所により次の 3 タイプに分かれる。

ア:浴室内設置タイプ(これを特に「バランスがま」という)

イ:浴室外屋外設置タイプ(浴室に隣接した戸外に設置するタイプのこと)

ウ:浴室外屋内設置タイプ(浴室に隣接した室に設置するタイプのこと)

浴室内設置タイプは、浴室内の浴槽の脇に設置する風呂がまであり、排気筒を浴室から戸外へ通じるように設ける必要がある。
浴室外屋外設置タイプは、浴室に隣接した戸外に設置し、排気筒を設けないものである。
浴室外屋外設置タイプは、浴室に隣接して風呂がま用の小さなスペースを屋内に設けて、そのスペースに設置するものであり、排気筒を戸外へ通じるように設ける必要がある。
なお近年では、台所・ふろ等への給湯と、風呂の追いだき・沸かし直しを 1 台で行なうことができる「ガスふろ給湯器」が普及しつつある。

分電盤 

読み方:ぶんでんばん 

配電盤より配電された幹線を、分岐する箇所に設置する装置。分岐配線するという役目だけではなく、保守点検を行ないやすくするという利点も兼ね備えている。
ペアガラス 

読み方:ぺあがらす 

複層ガラスともいう。遮音性・断熱性を高めるため、ガラスを二重にしたサッシのこと。結露を防ぐ性能をもつタイプもある。
壁心 

読み方:へきしん 

→壁心(かべしん)
べた基礎 

読み方:べたきそ 

基礎の底部がすきまなく連続し、基礎の底部が一枚の板状になっている基礎のこと
ベランダ 

読み方:べらんだ 

建物の壁面から突き出した床の部分。バルコニーとも言う。
バルコニー・ベランダは、マンションの場合、共用部分とみなされるので、各住戸の専有面積に算入されない。またマンションの各住戸の所有者は、バルコニー・ベランダに物を置いて火災時の避難に支障をきたしてはならないとされている。

ペントハウス 

読み方:ぺんとはうす 
次の 2 つの意味がある。

1 )建物の最上階に設けられた非常に高級な部屋

2 )建物の屋上に造られた階段室・昇降機塔などのこと

わが国では主に 2 )の意味で用いられる。
なお、わが国の建築基準法では、建築面積の 8 分の 1 までの広さのペントハウス( 2 の意味)は、建築物の高さ及び階数に原則的に算入しないという特例がある(建築基準法施行令第 2 条)。

ポーチ 

読み方:ぽーち 

建物の入り口部分で、建物の屋根とは別の庇(ひさし)を持ち、建物の外壁から突き出している部分を「ポーチ」と言う。(建築用語では庇型ポーチと言う)
ただし、建物の外壁に大きなくぼんだ空間を造り、そのくぼみの内側に玄関ドアを設けた場合もその空間を「ポーチ」と言うことがある。(建築用語では寄り付き型ポーチと言う)

ポーチの面積 

読み方:ぽーちのめんせき 

一戸建て住宅の場合、ポーチの面積は、建築基準法では次のように扱われる。

1)床面積の計算

庇型ポーチ、寄り付き型ポーチのどちらでも、主に通行専用の用途である限りは、建築基準法上の「床面積」に含まないこととされている。
しかしポーチが通行専用ではなく、例えば車庫や作業場として使用される場合には、建築基準法上の「床面積」に含める必要がある。

2)建築面積(いわゆる建坪)の計算

庇型ポーチ、寄り付き型ポーチのどちらでも、建築面積に含める必要がある。
ただし庇型ポーチで、庇を支える柱がない場合には、庇が外壁から突き出した長さが 1 メートル以下であれば建築面積から除外される。

ホールダウン金物 

読み方:ほーるだうんかなもの 

布基礎(ぬのきそ)にあらかじめ埋め込んでおく棒状の金物で、アンカーボルトよりも長い。
ホールダウン金物は、 1 階の床組の水平材(これを土台という)にあけておいた穴にとおして、柱の側面にボルトで締めて緊結する。つまりホールダウン金物は、柱と布基礎を緊結するものである。
特に 3 階建て住宅などでは水平方向の力がかかるときに柱が土台から浮き上がることがあるが、ホールダウン金物はこの浮き上がりを防止する効果がある。

防水パン 

読み方:ぼうすいぱん 

洗濯機を置くための皿状の台のこと。洗濯機パンともいう。
ホルムアルデヒド

読み方:ほるむあるでひど 

ホルムアルデヒドは、無色で刺激臭のある気体状の有機化合物(化学式は HCHO )であり、 VOC (揮発性有機化合物)のひとつである。またホルムアルデヒドが一定の割合で水に溶けたものをホルマリンという。
ホルムアルデヒドは建材や家具に多く使用されており、シックハウス症候群を引き起こす主要な原因物質のひとつであると言われている。
ホルムアルデヒドは塗料・接着剤・フェノール樹脂などとして広く用いられる。建築関係では特に合板、繊維板、パーティクルボード、壁紙、フローリング材などに多用されるほか、合板を用いた家具にも使用されている。
ホルムアルデヒドの有害性については、一般的には空気中の濃度が 0.05ppm で臭気を感じ、 0.8ppm でほとんどの人が目の刺激、鼻・喉の乾燥を感じるとされている( 1ppm は 100 万分の 1 という意味)。また低濃度であっても長期間にわたって人体に吸収されることにより、化学物質過敏症を引き起こすとも考えられている。
厚生労働省では、現状において入手可能な科学的知見に基づき、人がその濃度の暴露を一生涯受けたとしても、健康への有害な影響を受けないであろうとの判断により設定された安全な指針として、ホルムアルデヒド濃度を 0.08ppm 以下(重量換算で1立方メートルあたり 0.1 ミリグラム以下)にすることを勧めている。
しかしながら国土交通省が平成 12 年度に実施した全国約 4,500 戸の住宅を対象とする実態調査においては、ホルムアルデヒドの平均濃度は 0.071ppm であり、厚生労働省の濃度指針値 0.08ppm を下回るが、同指針を超える住宅が全体の約 27.3 %に達していた。
住宅の建築経過年数別に比較すると、築後 4 ・ 5 年の住宅が最も濃度が高く、築後 2 〜 3 年のものや築後 1 年以内のものは逆に濃度が低くなっていた(これは近年シックハウス対策が普及しつつあるためと考えられる)。
また同じく国土交通省が平成 13 年夏に新築住宅 1,726 戸を対象に行なった調査では、 13.3 %の新築住宅でホルムアルデヒドの濃度が厚生労働省の指針値を上回っていた。
こうしたことから国では平成 14 年 7 月 12 日に建築基準法を改正・公布し、ホルムアルデヒドの規制に乗り出している。具体的には遅くとも平成 15 年 7 月 12 日までに建築基準法施行令を改正し、ホルムアルデヒドを含む建材の使用面積を制限する予定である。
また、マンションなど気密性の高い住宅では、ホルムアルデヒドを発散するおそれのある建築材料を使用しない住宅等であっても、家具からの発散があるため、原則として、常時換気が可能な構造の機械換気設備等の設置を義務付ける予定である。

本下水

読み方:ほんげすい 

下水道が完備されている区域を「下水道の処理区域」という。
下水道の処理区域では、汚水を各住戸の浄化槽で浄化する必要がなく、汚水をそのまま公共の下水道管(汚水管)へと放流することができる。
このことを不動産業界では、公共の下水道管(汚水管)が完備しているという意味で、「本下水」と呼んでいる。
ただし不動産販売のパンフレット等では「下水:公共下水道へ直接放流」のように表記する方が一般に理解しやすいと思われる。

  ◇   行  ◇
間口 

読み方:まぐち 

土地と道路が接する長さのこと。
間仕切り壁

読み方:まじきりかべ 

建築物の内部空間を仕切るための内壁のことであり、室と室とを区画する壁のことである。
間仕切り壁は、耐力壁(地震力、風圧力に対抗する壁)である場合もあれば、そうでない場合もある。

御影石 

読み方:みかげいし 

花崗岩(かこうがん)のこと。
かつて兵庫県の御影で花崗岩が多く採れたことから、花崗岩を御影石とも呼ぶようになった。

棟上げ 

読み方:むねあげ 

棟木を納めること、もしくはその時に行なう儀式のこと。
新築への祝福と神の守護に感謝を示し、同時に無事建設されることを祈願する。建築工事の着工と完了の中間にあり、建物の形態がおおよそ整った時点を指す。

MB

読み方:めーたーぼっくす 

電気・ガス・水道のメーター(計器)をまとめて収納したもの。住戸の外部(玄関脇など)に設置されているのが一般的である。なお、上下水道管用のスペース(パイプスペース)の中にこのメーターボックスを納めているときは、「 MBPS 」と表示されることがある。
メゾネット 

読み方:めぞねっと 

マンションにおいて、上下 2 階にわたる住戸のことを「メゾネット」という。
上下に広い空間を確保し、一戸建てのような内部空間を作ることができる。

面格子

読み方:めんごうし 

本来は、断面が丸や平角の鉄棒を窓などの開口部に取り付けたもの、すなわち鉄格子である。現代ではアルミ製(枠付き)のものが多い。防犯対策として台所の窓等に設ける。
免震工法 

読み方:めんしんこうほう 

建築物の上部構造と絶縁させた基礎部分(免震層)に、積層ゴムなどの免震装置を設置し、建物に入る地震力や振動を少なくし、かつ直接建物に伝わらないようにする構造のこと。建築物自体だけではなく、設備機器・給排水管・ガラスなどの転倒・破損を軽減・防止する。
木造 

読み方:もくぞう 

建物の主要な部分を木材とした建築構造のこと。
木造の工法は、大きく分けて「在来工法」「伝統工法」「枠組壁工法」に分類されている。

木造軸組工法 

読み方:もくぞうじくぐみこうほう 

→在来工法へ

モジュール

読み方:もじゅーる 

建築生産における規格化・標準化を図るための基準寸法のこと。または、構成材のサイズを定めるために、ある法則で秩序だてられた寸法組織のこと。一般的には尺である 91cm を基本寸法とするが、最近は 1m を基本寸法とするメーターモジュールが採用されるケースが増えてきている。
モルタル 

読み方:もるたる 

セメントと砂に、水を加えて練り合わせたもの。
左官材料として多用される。

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ユーティリティ 

読み方:ゆーてぃりてぃ 

住まいにおける家事作業の中心となる室のこと。家事作業をするために必要な設備が集中的に設けられ、作業台なども整備される事も多い。台所の近くに設置されることが多い。
床組

読み方:ゆかぐみ 

木造建築物において、床面を支えるための骨組のことを「床組」という。
在来工法の木造住宅の場合、一般的に次の 4 種類の床組が使われている。

1) 束立て床
「根太・大引・床束・土台」から構成される 1 階部分の床組のこと。

2) 根太床
「根太・胴差し」から構成される床組のこと。廊下などに用いる。「単床」とも呼ぶ。

3) 梁床
「根太・床梁・胴差し」等から構成される 2 階部分の床組のこと。
一般的な在来工法の木造住宅ではこの「梁床」を使用する。「複床」とも呼ぶ。

4) 組床
「根太・小梁・梁・胴差し」等で構成される 2 階以上の部分の床組のこと。
床面積が大きい場合、下階の柱が少ない場合、3階建て住宅の場合などに使用される。

床下換気 

読み方:ゆかしたかんき 

耐震性を高める布基礎(ぬのきそ)が普及した結果、床下の湿気により、土台が木材腐朽菌のせいで腐食するなどの問題が起きるようになった。
そのため法律(建築基準法施行令第 22 条)では、床下の換気について、「壁の長さ 5 メートルごとに布基礎に換気用の穴( 300 平方センチ以上)を設けて、その換気孔にねずみの侵入を防止するための格子などを付けること」を義務付けている。
ただし、他の有効な床下防湿の措置を講じたときは、換気孔を設ける必要はない。

UB

読み方:ゆにっとばす 

浴槽と床・壁・天井を一体成型した強化プラスチック製の浴室のこと。浴槽だけのものと、浴槽・便器・洗面台を一緒にしたものがあり、後者は単身者向けのマンションなどでよく用いられている。
洋小屋 

読み方:ようごや 

小屋組に斜材を組み入れて、水平方向の力に対して強い構造としたもの。
ツーバイフォー工法( 2 × 4 工法)の木造建築物などで用いられる。

擁壁 

読み方:ようへき 

崖をおおう人工の壁のこと。
主に、敷地と道路に高低差がある場合や、敷地の背後に崖がある場合に設置される。
単に崖を補強するものではなく、土砂の崩壊を防止することがその役割であり、大きな荷重を支えることができるような性能を持つ必要がある。
なお建築基準法 88 条・施行令 138 条により、高さが 2 mを超える擁壁(ようへき)を造る場合には、建築主事の建築確認を受ける必要がある。

  ◇   行  ◇
ラーメン構造(建築学上の〜) 

読み方:らーめんこうぞう・けんちくがくじょうの 

柱・梁という部材どうしが剛接合(ごうせつごう)され、水平方向の外力などに対抗できる強い骨組を形成しているような建築構造のことを、建築学では「ラーメン構造」と呼んでいる。「ラーメン」とは「枠(わく)」という意味である。
「剛接合」とは、部材の接合部が完全に固定されており、水平方向の力がかかっても接合部が回転・変形しないということを指している。
こうした建築学上の「ラーメン構造」は具体的には次のようなものである。

1) 鉄筋コンクリート構造

通常の鉄筋コンクリート構造は、壁が外力に対抗する役割を担っており、「ラーメン構造」ではない。(「壁構造」である)
これに対して、鉄筋にコンクリートを巻くことにより、鉄筋コンクリート製の柱・梁を形成する場合がある。この場合には、その柱・梁が強固な骨組となるので、「ラーメン構造」である。

2) 鉄骨鉄筋コンクリート構造

「鉄骨の柱」と「鉄骨の梁」が溶接とボルトで強固に接合されることで鉄骨骨組そのものが非常に頑強な「ラーメン構造」となっている。普通、「ラーメン構造」という言葉を使用するときはこの鉄骨鉄筋コンクリート構造を指すことが多い。

3) 重量鉄骨構造

3 階建て共同住宅などで多用されるこの重量鉄骨構造では、「鉄骨の柱」と「鉄骨の梁」がボルト接合されることで頑強な骨組の「ラーメン構造」となっている。
ラーメン構造(高層マンションの〜)

読み方:らーめんこうぞう・こうそうまんしょんの 

高層の新築分譲マンションの販売広告で「ラーメン構造」「鉄骨ラーメン構造」「重量鉄骨ラーメン構造」と表示されていることがある。具体的には次の 2 通りがある

1) 「鉄骨鉄筋コンクリート構造」のことを指している場合
「鉄骨鉄筋コンクリート構造」では、鉄骨の柱と鉄骨の梁で荷重を受け、水平方向の外力に対抗する。そのため、コンクリート壁の量を削減することが可能となり、壁の位置や開口部を比較的自由に変更することができるというメリットがある。
また風力・地震などの外力にも強く、高層マンションで多用される。
その反面、「鉄骨鉄筋コンクリート構造」は柱と梁が太くなり、居室の内部空間がやや狭く感じるというデメリットもある。このデメリットを克服するために、柱と梁を外壁に突き出したデザインにするという工法(これを「アウトフレーム」という)が採用されることがある。

2) 「鉄筋コンクリート構造」のことを指している場合

鉄筋にコンクリートを巻くことにより、鉄筋コンクリート製の柱・梁を形成する場合には、その柱・梁が強固な骨組となるので、「ラーメン構造」となる。
これも 1) と同様に、壁量を削減し、壁の位置や開口部を比較的自由に設けることができるというメリットを持つ。
実際の新築分譲マンション広告で「ラーメン構造」とうたわれるときは、上記 1) の「鉄骨鉄筋コンクリート構造」を指すことが多い。
また最近の超高層マンションでは、上記 1) ・ 2) と異なるラーメン構造(鉄骨の代わりに鋼管を使用した「鋼管コンクリート構造」など)が採用されることがある。

ラジエントヒーター

読み方:らじえんとひーたー 

ニクロム線を発熱・発光させ、その放射熱により加熱を行なう調理用ヒーターのこと。
最近は発光までの時間が数秒という立ち上がりの極めて早いタイプが開発されており、これはクイックラジエントヒーターと呼ばれている。
ただしクイックラジエントヒーターでは、土鍋、ガラス鍋、ホーロー鍋などは使用することができない(超耐熱ガラス鍋・耐熱ホーロー鍋は使用できる)。
なお最近では、 IH クッキングヒーターとクイックラジエントヒーターを組み合わせたコンビネーションタイプの調理用ヒーターが普及しつつある。

ラバータイル 

読み方:らばーたいる 

ゴム製の内装用タイル。クッション性が優れており、床仕上げに用いる。
欄間 

読み方:らんま 

日本の伝統建築で、鴨居と天井の間に設けられた開口部のこと。

高窓ともいう。
ルーバー 

読み方:るーばー 

日照調整のために天井または壁面(開口部)に設けられる、固定または可動の羽根状の板。
ルーフバルコニー 

読み方:るーふばるこにー 

マンションにおいて、下の階の住戸の屋上部分を、上の階の居住者のためのバルコニーとしているものを「ルーフバルコニー」という。
通常のバルコニーと比べて広い空間を確保することができる。

連続フーチング基礎

読み方:れんぞくふーちんぐきそ 

→ 布基礎

陸屋根 

読み方:ろくやね 

水平な屋根のこと。

屋根面(屋上面)の全体に防水加工を施し、雨水がルーフドレン(屋上排水口)へと流れ込むよう小さな勾配をつけて、雨水の排水を確保したものである。
防水加工としてはアスファルト防水、シート防水などが用いられる。
また、屋根(屋上)を取り囲むように低い壁(パラペット)を設けて、防水層の内側に雨水が浸入することを防いでいる。
こうした陸屋根は、鉄骨コンクリート構造・鉄骨鉄筋コンクリート構造・鉄骨構造の建物で多く見られる。

ロフト 

読み方:ろふと 

次のような 3 つの意味がある。

1 )屋根裏の空間を利用して造られた部屋
2 )床から天井までの高さが大きい部屋において、天井近くに設置された物置等に利用できる空間
3 ) 1 つの住戸内において、 2 つの部屋が上下に連続した形で造られているとき、上の方の部屋

わが国では主にマンション・アパートで 2 )の意味で使われることが多い。

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ワイドスパン 

読み方:わいどすぱん 

間口、すなわち南面の柱と柱(もしくは壁)の間が広いこと。一般的には 6 m以上のものを指す。これだけ開口部が広いと、開放的で採光・通風を確保しやすい。
枠組壁工法 

読み方:わくぐみかべこうほう 

木材でつくった枠(わく)に、構造用合板等を釘で打ち付けて、壁・床・屋根を形成する工法。
壁そのものが垂直方向と水平方向の強度を持つ点に最大の特徴がある。
本来は北米で生まれた工法だが、わが国では昭和 49 年の建設省告示により自由に建築できるようになった。
「ツーバイフォー工法( 2 × 4 工法)」と呼ばれることもある。

和小屋 

読み方:わごや 

垂直な小屋束によって屋根の荷重を支えるような小屋組のこと。

伝統工法や在来工法の木造建築物で用いられる。
 
○宅建業法用語
 
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一般媒介契約 

読み方:いっぱんばいかいけいやく 

媒介契約のひとつの類型。
一般媒介契約とは、次のアおよびイの特徴を持つ媒介契約のことである。

ア)依頼者(すなわち売主等のこと)が「依頼した宅地建物取引業者」以外の「他の宅地建物取引業者」に重ねて媒介を依頼することが原則的に自由である。
イ)依頼者自身が、自分の力で取引の相手を発見し、直接契約することが原則的に自由である。

なお、依頼者が、「依頼した宅地建物取引業者」以外の「他の宅地建物取引業者」に重ねて依頼する場合において、その「他の宅地建物取引業者」の名称と所在地を、「依頼した宅地建物取引業者」に通知するかどうかにより、一般媒介契約はさらに次の 2 つの類型に分かれる。

1) 明示型の一般媒介契約
明示型の一般媒介契約とは、「他の宅地建物取引業者」の名称と所在地を、「依頼した宅地建物取引業者」に対して通知する義務があるとする媒介契約である。

2) 非明示型の一般媒介契約
非明示型の一般媒介契約とは、「他の宅地建物取引業者」の名称と所在地を、「依頼した宅地建物取引業者」に対して通知しなくてよいとする媒介契約である。

売主

読み方:うりぬし 

不動産の売買契約において、不動産を売る人(または法人)を「売主」という。
また不動産広告においては、取引態様の一つとして「売主」という用語が使用される。
この取引態様としての「売主」とは、取引される不動産の所有者(または不動産を転売する権限を有する者)のことである。

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解約手付性の付与 

読み方:かいやくてつけせいのふよ 

売り主が宅地建物取引業者である売買契約を締結するとき、手付は必ず「解約手付」の性質を与えられるということ(宅地建物取引業法第 39 条第 2 項)。
手付には、解約手付、違約手付、証約手付という 3 種類があるが、実際には圧倒的に解約手付が多い。判例(昭和 24 年 10 月 4 日最高裁判決)によると「契約において特に定めがない場合には、手付は解約手付であると推定する」こととなっており、契約上単に「手付」とされた場合には、反証がない限り、解約手付として扱われる判例が確立している。
宅地建物取引業法ではこの判例よりさらに進んで、売り主が宅地建物取引業者である売買契約では、契約内容の如何にかかわらず、手付は必ず「解約手付」の性質を与えられると規定した(宅地建物取引業法第 39 条第 2 項)。ただしこの第 39 条は一般消費者保護の規定であるので、この制限は売り主が宅地建物取引業者で、買い主が宅地建物取引業者以外の者である場合にのみ適用される。
また、この解約手付性の付与(第 39 条第 2 項)に反するような特約であって、買い主に不利なものは無効とされる(宅地建物取引業法第 39 条第 3 項)。

過料

読み方:かりょう 

行政上の秩序を維持するために、行政法規上の義務違反に対して少額の金銭を徴収するという罰則のこと。行政法学では「行政上の秩序罰」として分類している。
過料は刑罰ではないので、刑法、刑事訴訟法は適用されない。
これに対して「罰金」「科料」は刑罰であり、刑法、刑事訴訟法が適用される。(詳しくは財産刑へ)
特に刑罰である「科料(かりょう)」と行政上の秩序罰である「過料(かりょう)」は混同されやすい。そのため前者を「とがりょう」、後者を「あやまちりょう」と呼んで区別することがある。

業務を行なう場所の届出

読み方:ぎょうむをおこなうばしょのとどけで 

宅地建物取引業者が、その業務を行なう案内所・展示会等について、業務内容その他を、業務開始の 10 日前までに、その案内所等を管轄する知事等に事前に届け出ること(宅地建物取引業法第 50 条第 2 項、同施行規則第 19 条第 3 項)。

( 1 )趣旨
宅地建物取引業者は、宅地建物の分譲・代理・媒介のために現地案内所を設けたり、展示会・相談会・抽選会を催すなどの方法で、「事務所」以外の場所で契約を締結し、または契約の申込みを受ける場合がある。
このような場合についても公的機関が監督し、業務の適正を確保する必要があるので、そのような案内所等を事前に届け出るよう宅地建物取引業者に対して義務付けたものである。

( 2 )届出の対象となる場所
法第 15 条第 1 項の国土交通省令で定める場所である。これは具体的には「事務所以外で専任の宅地建物取引主任者を置くべき場所」のことを指している。
(詳細は「事務所以外で専任の宅地建物取引主任者を置くべき場所」を参照のこと)

( 3 )届出をすべき時期
案内所・展示会等で業務を開始する日の 10 日前までに届け出なければならない(施行規則第 19 条第 3 項)。

( 4 )届出の方法
宅地建物取引業者は、所定の様式による届出を、免許を受けた都道府県知事(または免許を受けた国土交通大臣)と、その案内所等が所在する都道府県の都道府県知事の両方に届け出なければならない。
なお、免許を受けた都道府県知事(または免許を受けた国土交通大臣)に対する届出は、案内所等の所在地を管轄する知事を経由することになっている。

( 5 )届出書の内容
届出書の様式は、施行規則様式第 12 号に規定されている。
届出書の内容は、「対象となる案内所・展示会等の場所」「業務の種別」「業務の態様(契約の締結、契約の申込みの受理)」「取り扱う宅地建物の内容等」「業務を行う期間」「専任の宅地建物取引主任者の氏名・登録番号」である。

刑罰 

読み方:けいばつ 

犯罪に対して国家が犯人に与える罰のこと。
刑罰には重い順に「死刑、懲役、禁固、罰金、拘留、科料」があるとされている。
「懲役、禁固、拘留」は自由刑に分類され、「罰金、科料」は財産刑に分類される。
また財産刑の付加刑として「没収」がある。

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財産刑 

読み方:ざいさんけい 

刑罰のうち、犯人の財産を剥奪する刑罰のこと。「罰金」「科料」「没収」がある。
罰金と科料はともに一定額の金銭を国庫に納付させるという刑罰であり、金額の違いがあるに過ぎない。
罰金は、犯罪ごとに金額が異なるが、「 1 万円以上」と法定されている(刑法第 15 条)。
科料は「 1,000 円以上 1 万円未満」である(刑法第 17 条)。
また没収は、主刑(死刑、懲役、禁固、罰金、拘留、科料)の言い渡しに伴って、犯人の物の所有権を剥奪して国庫に帰属させる刑罰であり、犯罪によって得た財物や証拠品を没収するものである。

自己の所有に属しない宅地又は建物の売買契約締結の制限 

読み方:じこのしょゆうにぞくしないたくちまたはたてもののばいばいけいやくていけつのせいげん

宅地建物取引業者が他人物や未完成物件を売ることを原則的に禁止するという規制のこと。これは一般消費者を保護するための措置である(宅地建物取引業法第 33 条の 2 )。

( 1 )概要
「自己の所有に属しない宅地又は建物」とは他人物(たにんぶつ)と未完成物件を指している。
他人物の売買は、民法上は可能とされているが、一般消費者にとってはそのような取引を行なうことは危険性が高い。未完成物件の取引も同様である。そこで宅地建物取引業法では、そのような他人物・未完成物件の売買取引を、原則的に禁止しているのである。

( 2 )他人物売買の制限
宅地建物取引業法では他人物売買について、原則的に禁止する措置をとっている(法第 33 条の 2 本文)。
具体的には、宅地建物取引業者は、他人の所有物について、自らが売り主になるような「売買契約」を締結することができない。また、宅地建物取引業者は、他人の所有物について、自らが売り主になるような「予約」を締結することもできないとされている。
ただし、「他人物を確実に取得できるという別の契約または予約」があるときには、他人物の売買契約または予約を締結してよいという例外規定がある(法第 33 条の 2 第 1 号)。(詳細については別項目の「他人物売買の制限」へ)

( 3 )未完成物件の売買の制限
未完成物件を造成中・工事中の段階で販売することは、「自己の所有に属しない宅地建物の売買契約締結」に該当するので、原則的に禁止されている(法第 33 条の 2 本文)。
しかし、仮に、造成中における宅地分譲・工事中における建物分譲が全く行なえないことになっては不動産実務上、非常に不便ことは明らかである。
そこで、宅地建物取引業法では「未完成物件に関する手付金等の保全措置」が行なわれている未完成物件については、造成中・工事中であっても、未完成物件の売買契約または予約を締結してよいこととしている(法第 33 条の 2 第 2 号)。(詳細については別項目の「未完成物件の売買の制限」へ)

( 4 )適用範囲
宅地建物取引業者が売主で、宅地建物取引業者以外の者が買主になる場合についてのみ適用されることになっている(法第 78 条第 2 項)。

( 5 )違反に対する罰則
「自己の所有に属しない宅地又は建物の売買契約締結の制限」(法第 33 条の 2 )に違反した場合には、宅地建物取引業法の監督処分として「指示処分」または「業務停止処分」が予定されている。
なお、「自己の所有に属しない宅地又は建物の売買契約締結の制限」に違反した売買契約(予約含む)の効力については、宅地建物取引業法にはこれを無効とする規定がないので、そのまま有効な売買契約(予約含む)として取り扱われることになる。

実務経験

読み方:じつむけいけん 

宅地建物取引主任者の登録の申請を行なう際に必要となる、宅地建物取引業に従事した経験のこと。
宅地建物取引主任者資格試験に合格した者が、都道府県知事の登録を申請しようとする場合には、「宅地建物の取引に関し 2 年以上の実務の経験」を有することが原則として必要である(宅地建物取引業法第 18 条第 1 項本文、施行規則第 13 条の 15 )。(※)
この「宅地建物の取引に関し 2 年以上の実務の経験」とは、「免許を受けた宅地建物取引業者としての経験または宅地建物取引業者の下で勤務していた経験」を指す。
具体的には「顧客への説明、物件の調査等具体の取引に関するもの」が実務の経験であり、「受付、秘書、いわゆる総務、人事、経理、財務等の一般管理部門等の顧客と直接の接触がない部門に所属した期間および単に補助的な事務に従事した期間」は実務の経験に算入しないことが適当とされている(宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方「第 18 条関係」より)。
なお、都道府県知事への宅地建物取引主任者の登録の申請にあたっては、実務経験証明書(施行規則第 14 条の 3 、施行規則様式第 5 号の 2 )の提出が必要である(下注参照)。この実務経験証明書は実務経験先の宅地建物取引業者等が証明するものであり、在職期間、従業者証明書の番号などを記入する。

(※)宅地建物の取引に関し 2 年以上の実務の経験を有しない者であっても、(財)不動産流通近代化センターが実施する「実務講習」を受講しその修了証書を交付された場合には、その実務の経験を有するものと同等以上の能力を有すると認定される。詳しくは「実務講習」へ。
実務講習 

読み方:じつむこうしゅう 

宅地建物取引主任者資格試験に合格した者が、宅地建物取引主任者の登録を申請しようとする場合には、宅地建物の取引に関して 2 年以上の実務経験を有することが必要である。
しかし、この実務経験を有しない場合でも、(財)不動産流通近代化センターが実施する講習を受講しその修了証明書を交付された場合には、実務経験を有する者と同等以上の能力を有していると認定され、宅地建物取引主任者の登録を受けることができるようになる。
このような講習を「実務講習」と呼んでいる(宅地建物取引業法第 18 条第 1 項本文、施行規則第 14 条の 2 )。
実務講習の申込み方法・日程等は、(財)不動産流通近代化センターが毎年公表している。
例年 12 月が申込受付期間、 2 月から 4 月にかけて通信講座が開講される。通信講座とあわせて、連続 2 日間のスクーリングを受講し、記述式問題(売買契約書、重要事項説明書)に解答、提出。さらにスクーリング終了後、総合試験問題に解答し提出する。これらにおいて所定の修了要件をすべて満たした者に対して「修了証書」及び「修了証明書」が 7 月頃に交付される。
修了証明書は、宅地建物取引主任者の登録の申請をする際の添付書類となるものである。修了証明書の有効期限は一般的に 10 年程度とされているが、各都道府県により有効期限が異なるので、注意したい。

指定流通機構 

読み方:していりゅうつうきこう 

指定流通機構とは、宅地建物取引業者間で不動産情報を交換するために、宅地建物取引業法第 50 条の 2 の 4 第 1 項 の規定により、国土交通大臣が指定した公益法人のことである。
全国では地域ごとに次の 4 つの公益法人が「指定流通機構」として指定されている。

1 )(財)東日本不動産流通機構
2 )(社)中部圏不動産流通機構
3 )(社)近畿圏不動産流通機構
4 )(社)西日本不動産流通機構

死亡等の届出(宅地建物取引主任者における) 

読み方:しぼうとうのとどけで(たくちたてものとりひきしゅにんしゃにおける) 

宅地建物取引主任者の登録を受けている者について、死亡等の一定の事情が発生した場合に、相続人等の一定の者が知事に対して行なうべき届出のこと。
宅地建物取引主任者として業務に従事するためには、その前提条件として、都道府県知事より宅地建物取引主任者の登録を受けることが必要である(宅地建物取引業法第 22 条の 2 第 1 項、第 18 条第 1 項)が、この登録を受けた者について死亡等の一定の事情が発生した場合には、その旨を、登録を受けた都道府県知事に対して届出なければならず、この届出を「死亡等の届出」という(法第 21 条)。
死亡等の届出が提出された場合、都道府県知事はその届出にもとづいて宅地建物取引主任者の登録を消除しなければならない(法第 22 条第 2 号)。
また死亡等の届出に該当する事由(下記 1 )および 2 )の事由)が生じていることが知事において判明した場合には、知事は死亡等の届出が提出されていないときでも、職権により登録を消除しなければならない(法第 22 条第 3 号、法第 68 条の 2 第 1 項第 1 号)。
(詳しくは宅地建物取引主任者の登録の消除へ)
死亡等の届出を提出すべき事由と提出方法は次の 1 )および 2 )のとおりである。

1 )死亡した場合

登録を受けた者が死亡した場合は、その者の相続人が、その事実を知った日から 30 日以内に、登録を受けた知事に対して、宅地建物取引主任者死亡等届出書(施行規則様式第 7 号の 2 )を提出しなければならない(法第 21 条第 1 号)。
届出期間は「死亡から 30 日以内」ではなく「死亡の事実を知った日から 30 日以内」であることに注意。

2 )法第 18 条第 1 項第 1 号から第 5 号の 2 までの欠格事由が生じた場合

登録を受けた者について、宅地建物取引主任者の登録が不適当とされるような一定の欠格事由(法第 18 条第 1 項第 1 号から第 5 号の 2 までの事由)が発生した場合には、宅地建物取引主任者の登録を消除する必要がある。
(欠格事由について詳しくは宅地建物取引主任者の登録の基準へ)
この場合には、原則として本人(欠格事由が「成年被後見人又は被保佐人となったこと」(法第 18 条第 1 項第 2 号)であるときは、届出を行なうのは本人ではなく、後見人または保佐人(法第 21 条第 3 号))が、その事実が発生した日から 30 日以内に、登録を受けた知事に対して、宅地建物取引主任者死亡等届出書を提出しなければならない(法第 21 条第 2 号、第 3 号)。

事務所 

読み方:じむしょ 

宅地建物取引業法第 3 条第 1 項で規定する場所のこと(法第 3 条第 1 項、施行令第1条の 2 )。
具体的には次の 2 種類の場所が「事務所」に該当する。(以下の文章は国土交通省の宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方にもとづいている)

( 1 )本店または支店(施行令第 1 条の 2 第 1 号)
商業登記簿等に記載されており、継続的に宅地建物取引業の営業の拠点となる実体を備えているものを指す。
ただし宅地建物取引業を営まない支店は「事務所」から除外される。
また本店は、支店の業務を統括する立場にあるため、本店が宅地建物取引業を直接営んでいない場合であっても、その本店は「事務所」に該当するものとされる。

( 2 )上記( 1 )以外で「継続的に業務を行うことができる施設」を有する場所で、宅地建物取引業に係る「契約を締結する権限を有する使用人」を置く場所(施行令第1条の 2 第 2 号)。
「継続的に業務を行うことができる施設」とは、固定的な施設であり、テント張りの施設や仮設小屋は含まれない。
「契約を締結する権限を有する使用人」とは、宅地建物取引主任者を指すものではなく、支店長・支配人などのように営業に関して一定範囲の代理権を持つ者を指している(ただし支店長等が同時に宅地建物取引主任者である場合がある)。
また「置く」とは常勤の使用人を置くという意味である。 
以上の( 1 )と( 2 )の場所をあわせて、宅地建物取引業法では「事務所」と呼んでいる。
従って、会社の登記(商業登記簿)では支店として登記されていなくても、継続的に業務を行うことができる施設に、宅地建物取引業に係る支店長や支配人を置いていれば、その施設は「事務所」とみなされることになる。
なお、宅地建物取引業法ではよく似た概念として「事務所等」「事務所以外で専任の宅地建物取引主任者を置くべき場所」「標識を掲示すべき場所」「クーリングオフが適用されない場所」を定めているので、それぞれの違いに注意したい。

事務所以外で専任の宅地建物取引主任者を置くべき場所

読み方:じむしょいがいでせんにんのたくちたてものとりひきしゅにんしゃをおくべきばしょ 

宅地建物取引業法では、法第 3 条第 1 項の「事務所」には専任の宅地建物取引主任者を一定割合以上設置することを義務付けている(詳しくは宅地建物取引主任者の設置義務)。
しかし法第 3 条第 1 項の「事務所」に該当しない案内所・展示会等であっても、契約締結等を行なう場合には、宅地建物取引業の業務の適正を確保すべき必要性が非常に高いと言える。
そこで宅地建物取引業法では、こうした案内所等が一定の要件に該当する場合には、 1 名以上の成年の専任の宅地建物取引主任者を常時設置するように義務付けているのである(法第 15 条第 1 項、第 2 項、施行規則第 6 条の 2 )。
このような「事務所以外の場所であって、専任の宅地建物取引主任者を置くべき場所」とは、具体的には、施行規則第 6 条の 2 で規定されている。ただしこの施行規則第 6 条の 2 の内容は複雑なので、 A :外形的な要件と B :実質的な要件に分けてそれぞれ説明する。(なお以下の文章は国土交通省の宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方にもとづいている)

A :外形的な要件
施行規則第 6 条の 2 で規定する「事務所以外で専任の宅地建物取引主任者を置くべき場所」とは、次の 4 種類の場所のどれかに該当することが必要である。

( 1 )事務所以外で継続的に業務を行なう施設を有する場所

( 2 ) 10 区画以上の一団の宅地または 10 戸以上の一団の建物を分譲する場合の案内所

( 3 )他の宅地建物取引業者が分譲する 10 区画以上の一団の宅地または 10 戸以上の一団の建物について、代理または媒介をする場合の案内所

( 4 )宅地建物取引業者が展示会その他の催しをする場所

上記の( 1 )は、「事務所」と同等程度に事務所としての物的施設を有してはいるが、宅地建物取引業に係る契約を締結する権限を有する者(支店長・支配人など)が設置されていないせいで、「事務所」から除外されるような場所を指している。
具体的には「特定の物件の契約又は申込みの受付等を行なう場所」「特定のプロジェクトを実施するための現地の出張所」等が該当する。
( 2 )は、一団地(すなわち 10 区画以上の一団の宅地または 10 区画以上の一団の建物)の分譲をするための案内所のことである。これには臨時に開設する案内所も含まれる。例えば「週末に宅地建物取引主任者や契約締結権者が出張して申込みの受付や契約の締結を行なう別荘の現地案内所等のように、週末にのみ営業を行なうような場所」も含まれる。
( 3 )は、上記( 2 )の分譲について、販売の代理や媒介を行なう宅地建物取引業者が設置する案内所を指している。
( 4 )は、「宅地建物の取引や媒介契約の申込みを行なう不動産フェア」「宅地建物の買い換え・住み替えの相談会」「住宅金融公庫融資付物件等のように一時に多数の顧客が対象となる場合に設けられる抽選会」「売買契約の事務処理等を行なう場所」などのように、催しとして期間を限って開催されるフェア・展示会・相談会・抽選会その他を指している。

B :実質的な要件
上述のAの( 1 )から( 4 )の場所において、契約を締結しまたは契約の申込みを受けるとき、その場所は「事務所以外で専任の宅地建物取引主任者を置くべき場所」となる。
ここで「契約の締結」「契約の申込みを受ける」という言葉の具体的な意味が「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」で詳しく規定されているので以下で紹介する。

(ア)契約の締結
契約とは、「宅地建物の売買・交換の契約(予約を含む)」「宅地建物の売買・交換・貸借の代理・媒介の契約(予約を含む)」を指している。従って、物件の売買契約だけでなく、物件の売買の媒介契約や、物件の賃貸の媒介契約なども含まれている。
このような意味での契約を締結するためには、「契約を締結する権限を有する者が派遣されている」か、または「契約を締結する権限の委任を受けた者が置かれている」ことが必要となる。

(イ)契約の申込みを受ける
契約の意味は上記(ア)と同じである。
また「申込み」とは、契約を締結する意思を表示することであるが、手付金・申込証拠金などの金銭を交付して締結の意思表示をする場合だけではなくて、「物件の購入のための抽選の申し込み」のような金銭の授受を伴わない意思表示も含まれるので、注意したい。
なお「申込みを受ける」ためには、「契約を締結する権限を有する者が派遣されていること」または「契約を締結する権限の委任を受けた者が置かれていること」は必須ではない。この点にも注意したい。

事務所等

読み方:じむしょとう 

宅地建物取引業法では、その第 15 条第 1 項で、一定の場所には、成年で専任の宅地建物取引主任者を置かなければならないと定めている。
この専任の宅地建物取引主任者を置くべき場所のことを、宅地建物取引業法では「事務所等」と表現している。
「事務所等」とは具体的には次の 2 種類の場所を指す言葉である。

( 1 )「事務所」
原則的には本店・支店を「事務所」と呼ぶ。ただし、本店・支店以外であっても、継続的に業務を行なうことができる施設に宅地建物取引業に係る支店長や支配人を置いていれば、その施設は「事務所」に含まれることになる。(宅地建物取引業法施行令第 1 条の 2 )

( 2 )「事務所以外で専任の宅地建物取引主任者を置くべき場所」
これは上記( 1 )の事務所以外であって、専任の宅地建物取引主任者を置かなければならない場所のことである。この場所は宅地建物取引業法施行規則第 6 条の 2 において具体的に規定されている。
この規則第 6 条の 2 の内容は複雑なので、概略だけをまとめれば、「事務所以外で継続的に業務を行う施設を有する場所」「 10 区画以上または 10 戸以上の一団地の宅地建物を分譲する場合の案内所」「他の宅地建物取引業者が分譲する 10 区画以上または 10 戸以上の一団地の宅地建物の代理または媒介をする場合の案内所」「宅地建物取引業者が展示会その他の催しをする場所」という 4 種類の場所であって、契約の締結または契約の申込みの受付をする場所が、この規則第 6 条の 2 の場所である。
なお「事務所等」という言葉は、上記のとおり宅地建物取引業法第 15 条第 1 項で定義されている。しかし宅地建物取引業法第 37 条の 2 (クーリングオフ)においてもやはり「事務所等」という言葉が使用されている。両者は異なる内容を指しているので注意したい。

従業者 

読み方:じゅうぎょうしゃ 

宅地建物取引業法第 48 条の規定により、従業者証明書を携帯させるべき者のことを「従業者」という。
この従業者の定義は、国土交通省のガイドラインである宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方に規定されている。
それによれば、従業者は従事者よりも広い概念である。具体的には従業者とは「従事者」と「非常勤の役員」と「宅地建物の取引に直接的な関係が乏しい業務に臨時的に従事する者」をあわせたもののことである。
こうした従業者については宅地建物取引業者は次の 2 つの義務を負う。

1) 従業者証明書の携帯義務(宅地建物取引業法第 48 条第 1 項)
2) 従業者名簿の作成義務(宅地建物取引業法第 48 条第 3 項)

また従業者自身は、宅地建物取引業法第 31 条に定める「業務に関する禁止事項」を遵守する義務を負い、宅地建物取引業法第 75 条の 2 に規定する「守秘義務」を負う。
従業者証明書 

読み方:じゅうぎょうしゃしょうめいしょ 

宅地建物取引業者は、その「従業者」に対して、その従業者であることを証する証明書を携帯させなければ、その者をその業務に従事させてはならない(宅地建物取引業法第 48 条)。
この証明書を「従業者証明書」と呼んでいる。
この「従業者証明書」は、宅地建物取引業者が作成してその従業者に交付するものであり、従業者の顔写真がついたカード型のものである。
なお従業者は、取引の関係者から請求があつた場合には、この「従業者証明書」を提示しなければならない(宅地建物取引業法第 48 条)。

従業者名簿 

読み方:じゅうぎょうしゃめいぼ 

宅地建物取引業法第 48 条の規定により、従業者証明書を携帯させるべき者のことを「従業者」という。
この従業者について、宅地建物取引業者は、その事務所ごとに「従業者名簿」を作成して備え付け、最終の記載をした日から少なくとも 10 年間保存しなければならないという義務を負う(宅地建物取引業法第 48 条第 3 項、同法施行規則第 17 条の 2 )。
さらに宅地建物取引業者は、取引の関係者から請求があったときは、この「従業者名簿」をその者の閲覧に供しなければならないという義務を負う(宅地建物取引業法第 48 条第 4 項)。
この「従業者名簿」に記載すべき事項は次のとおりである(宅地建物取引業法施行規則第 17 条の 2 )。

1 )従業者の氏名・住所
2) 従業者証明書の番号
3 )生年月日
4 )主たる職務内容
5 )取引主任者であるか否かの別
6 )当該事務所の従業者となった年月日
7 )当該事務所の従業者でなくなったときは、その年月日

自由刑 

読み方:じゆうけい 

刑罰のうち、犯人の自由を剥奪する刑罰のこと。
自由刑としては重い順に「懲役、禁固、拘留」がある。
懲役は「犯人を拘禁し、作業を課す」という刑罰であり、有期と無期に分かれる。有期ではその刑期は犯罪ごとに異なっているが、最高で 15 年、最短でひと月とされている(ただし最高で 20 年まで加重することができる)。
禁固は「犯人を拘禁する」という刑罰であり、作業をしなくてよい点に特色がある(ただし受刑者の要望により作業することは可能である)。禁固が適用される犯罪は、過失犯などごく一部の犯罪に限定されている。
拘留は、公然わいせつ罪、暴行罪、侮辱罪、軽犯罪などに適用される刑罰であり、刑期は「 1 日以上 30 日未満」と短く、監獄ではなく拘留場で執行される。

従事者 

読み方:じゅうじしゃ 

宅地建物取引業法の規定により、宅地建物取引業者はその事務所において「従事者」の数の 5 分の 1 以上の割合で、成年の専任の宅地建物取引主任者を置く義務を負う(宅地建物取引業法第 15 条第 1 項、同法施行規則第 6 条の 3 )。
この成年の専任の宅地建物取引主任者の設置義務は、宅地建物取引業者にとって非常に重要な義務であるので、従事者の範囲は重要な意味を持っている。
この点について、国土交通省の宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方は次のようなガイドラインを設けている。

1) 宅地建物取引業のみを営む宅地建物取引業者の場合
代表者、役員(非常勤の役員を除く)およびすべての従業員等が「従事者」に含まれる。受付、秘書、運転手等の業務に従事する者も「従事者」に含まれる。
ただし、宅地建物の取引に直接的な関係が乏しい業務に臨時的に従事する者は「従事者」から除外される。

2) 他の業種を兼業している宅地建物取引業者の場合
代表者、宅地建物取引業を担当する役員(非常勤の役員および主として他の業種も担当し宅地建物取引業の業務の比重が小さい役員を除く)と、宅地建物取引業の業務に従事する者が「従事者」に含まれる。
なお、宅地建物取引業を主として営む宅地建物取引業者にあっては、全体を統括する一般管理部門の職員も「従事者」に含める。

重要事項説明

読み方:じゅうようじこうせつめい 

宅地建物取引業者が、売買契約・賃貸借契約の締結に先立って、買い主・借り主に対して契約上の重要な事項を宅地建物取引業法第 35 条に基づき説明すること。
この重要事項説明において宅地建物取引業者が買い主・借り主に対して交付する書面を「重要事項説明書」という。
不動産の買い主・借り主は、契約しようとする物件に関して十分な情報を持っていない事がほとんどで、また買い主・借り主が一般人である場合には不動産に関する法律知識が不十分であるため、思わぬ損害を受けてしまう可能性がある。
そこで宅地建物取引業法第 35 条では、売買契約・賃貸借契約を締結するよりも前に、不動産取引を媒介する(または自ら売り主・貸し主として取引を行なう)宅地建物取引業者が、買い主・借り主に契約上の重要な事項を説明するように法律で義務付けているのである。
重要事項説明にあたっては、説明する重要事項をすべて書面に記載し、買い主・借り主にその書面(重要事項説明書)を渡す必要があるとされている。この重要事項説明書には宅地建物取引主任者が記名押印しなければならない。
さらに宅地建物取引業者は、宅地建物取引主任者を通じて、重要事項説明書の内容をわかりやすく買い主・借り主に説明しなければならない(このとき宅地建物取引主任者は宅地建物取引主任者証を提示しなければならない)。このように一定以上の知識経験を有すると認められる有資格者(宅地建物取引主任者)が説明することにより、買い主・借り主に誤った説明がされないよう配慮されているのである。
重要事項説明書に記載すべき事項は、非常に広範囲にわたる。また契約の種類・物件の種類によっても説明すべき事項に多くの違いがある。

主任者証 

読み方:しゅにんしゃしょう 

→宅地建物取引主任者証

専属専任媒介契約 

読み方:せんぞくせんにんばいかいけいやく 

媒介契約であって、次のアとイの特約が付いている契約のことを「専属専任媒介契約」と呼ぶ。

ア:依頼者は、他の宅地建物取引業者に重ねて売買(又は交換)の媒介(又は代理)を依頼することができない。
イ:依頼者は、依頼した宅地建物取引業者が探索した相手方以外の者と売買(又は交換)の契約を締結することができない。〔すなわち依頼者は自分で発見した取引の相手方と、当該宅地建物取引業者の媒介(又は代理)を経ずに、契約を締結してはならない〕。

t専任主任者

読み方:せんにんしゅにんしゃ 

→宅地建物取引主任者の設置義務

専任媒介契約 

読み方:せんにんばいかいけいやく 

媒介契約であって、依頼者が他の宅地建物取引業者に重ねて依頼することが禁止されている契約のことを「専任媒介契約」と呼ぶ。
損害賠償額の予定等の制限 

読み方:そんがいばいしょうがくのよていとうのせいげん 

宅地建物取引業者が売り主となる宅地建物の売買契約では、契約の解除に伴う損害賠償額の予定や違約金を定めるときは、その合計が売買代金の額の 10 分の 2 を超えてはならないという制限のこと(宅地建物取引業法第 38 条) 。
損害賠償額の予定とは、あらかじめ契約で損害賠償額を予定しておけば、債務不履行が発生した場合に、損害を受けた側は煩雑な損害額の証明をする必要がなくなるので、損害を受けた側の権利行使が容易になるという制度である(民法第 420 条第 1 項)。
また違約金とは、債務不履行が発生した場合に、義務を履行しなかった者が支払うことを約束した金銭のこと。この違約金は懲罰としての性格を持つだけでなく、相手方の損害に対する損害賠償としての性格を持つ場合もあるので、違約金と損害賠償額の予定との区別は実際上難しい。そこで民法第 420 条第 3 項では「違約金は賠償額の予定と推定する」旨を定めている。
しかしこのような損害賠償額の予定や違約金は、たいへん高額になることもあり、取引に精通していない一般消費者はこれらによって不測の損害を被る場合が考えられる。そこで宅地建物取引業法第 38 条では、宅地建物取引業者が売り主で、宅地建物取引業者以外の者が買い主である場合には、不当に過酷な損害賠償額の予定または違約金を課すことを禁止している。具体的には、損害賠償額の予定と違約金の合計額は最大でも代金の 2 割以内とした。
また同じく第 38 条第 2 項では、「前項の規定に反する特約は、代金の額の十分の二を超える部分について、無効とする」と定めており、代金の 2 割を超える損害賠償額の予定と違約金の合計額が代金の 2 割を超えるような契約は、自動的に代金の 2 割にまで縮減されると定めている(この場合も契約そのものは有効なまま維持される)。
なおこの第 38 条は一般消費者保護の規定であるので、宅地建物取引業者が売り主で、宅地建物取引業者以外の者が買い主である場合にのみ適用される。

 ◇   行  ◇
大臣免許 

読み方:だいじんめんきょ 

宅地建物取引業者が国土交通大臣から免許を受けていること。
宅地建物取引業を営もうとする者が、二以上の都道府県において事務所を設ける場合には、国土交通大臣から免許を受けることが必要とされている(宅地建物取引業法第 3 条第 1 項)。この規定にもとづき、国土交通大臣から免許を受けることを、一般に「大臣免許」または「国土交通大臣免許」と呼んでいる。
なお、平成 13 年 1 月 6 日より前は、国土交通省ではなく建設省が所管していたため、平成 13 年 1 月 6 日より前にこうした免許を受けた場合は「建設大臣免許」である。

代理(宅建業法における〜)

読み方:だいり(たっけんぎょうほうにおける) 

不動産取引における宅地建物取引業者の立場(取引態様)のひとつ。
宅地建物取引業者が、売買取引・交換取引・賃貸借取引について、売主の代理人や買主の代理人となって(又は貸主の代理人や、借主の代理人となって)、取引成立に向けて活動するという意味である。

宅地(宅地建物取引業法における〜)

読み方:たくち(たくちたてものとりひきぎょうほうにおける〜) 

宅地建物取引業法では、宅地の定義を次のように定めている(宅地建物取引業法第 2 条第 1 号、施行令第 1 条)。

( 1 )用途地域内の土地について
都市計画法で定める 12 種類の用途地域内に存在する土地は、どのような目的で取引する場合であろうと、すべて宅地建物取引業法上の「宅地」である。
従って、例えば用途地域内に存在する農地を、農地として利用する目的で売却する場合であっても、宅地建物取引業法では「宅地」として取り扱う。

( 2 )用途地域内の道路・公園・河川・広場・水路の用地について
用途地域内の土地のうちで、 5 種類の公共施設の用に供されている土地については、「宅地」から除外する。具体的には、道路・公園・河川・広場・水路という 5 種類の公共施設の用地は「宅地」から除外される。(ただし下記の補足 1 を参照のこと)

( 3 )建物の敷地に供する目的で取引の対象とされた土地について
建物の敷地に供する目的で取引の対象とされた土地は、土地の原状の用途に関係なく、すべて宅地建物取引業法上の「宅地」である。
従って、例えば、土地登記簿上の地目が「田」「畑」「池沼」「山林」「原野」である土地であっても、その土地を、建物の敷地に供する目的で取引するならば、宅地建物取引業法上はすべて「宅地」として取り扱われる。
これについては、土地の所在がどこであろうと適用される判断基準である。従って、都市計画区域外の山林や原野を、建物の敷地に供する目的で取引する場合には、その山林や原野は「宅地」として取り扱われる。

(補足 1 )用途地域内の道路・公園・河川・広場・水路の用地を、建物の敷地に供する目的で取引の対象とする場合について:
例えば用途地域内の道路用地である土地を、建物の敷地に供する目的で取引する場合には、上記( 3 )の基準が適用される。従って、この場合は、用途地域内の道路用地が、宅地建物取引業法上の「宅地」に該当することになる。

宅地建物取引業 

読み方:たくちたてものとりひきぎょう 

宅地建物取引業とは「宅地建物の取引」を「業として行う」ことである(法第 2 条第 2 号)。
ここで「宅地建物の取引」と「業として行う」とは具体的には次の意味である。

1 )「宅地建物の取引」とは次のアおよびイを指している。
ア:宅地建物の売買・交換
イ:宅地建物の売買・交換・賃借の媒介・代理

上記 1 )のアでは「宅地建物の賃借」が除外されている。このため、自ら貸し主として賃貸ビル・賃貸マンション・アパート・土地・駐車場を不特定多数の者に反復継続的に貸す行為は、宅地建物取引業から除外されているので、宅地建物取引業の免許を取得する必要がない。
またここで言う「宅地」とは宅地建物取引業法上の宅地を指す(詳しくは「宅地(宅地建物取引業法における〜)」を参照のこと)。

2 )「業として行う」とは、宅地建物の取引を「社会通念上事業の遂行とみることができる程度に行う状態」を指す。具体的な判断基準は宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方の「第 2 条第 2 号関係」に記載されているが、主な考え方は次のとおりである。
ア:取引の対象者
   広く一般の者を対象に取引を行なおうとするものは事業性が高く、取引の当事者に特定の関係が認められるものは事業性が低い。
イ:取引の反復継続性
  反復継続的に取引を行なおうとするものは事業性が高く、 1 回限りの取引として行なおうとするものは事業性が低い。

宅地建物取引業者 

読み方:たくちたてものとりひきぎょうしゃ 

宅地建物取引業者とは、宅地建物取引業免許を受けて、宅地建物取引業を営む者のことである(宅地建物取引業法第 2 条第 3 号)。
宅地建物取引業者には、法人業者と個人業者がいる。
なお、宅地建物取引業を事実上営んでいる者であっても、宅地建物取引業免許を取得していない場合には、その者は宅地建物取引業者ではない(このような者は一般に「無免許業者」と呼ばれる)。

宅地建物取引業者名簿 

読み方:たくちたてものとりひきぎょうしゃめいぼ 

宅地建物取引業者に関する一定の事項を登載した名簿のこと。
都道府県知事または国土交通大臣は、下記の 1 )から 8 )の事項を登載した宅地建物取引業者名簿を作成しなければならない(宅地建物取引業法第 8 条)(※末尾参照)。

1 )免許証番号・免許を受けた年月日(法第 8 条第 2 項第 1 号)
2 )商号または名称(法第 8 条第 2 項第 2 号)
3 )事務所の名称と所在地(法第 8 条第 2 項第 5 号)
4 )宅地建物取引業者が法人である場合には、その法人の役員の氏名および事務所の代表者の氏名(法第 8 条第 2 項第 3 号)
5 )宅地建物取引業者が個人である場合には、その者の氏名および事務所の代表者の氏名(法第 8 条第 2 項第 4 号)
6 )事務所に置かれる専任の宅地建物取引主任者の氏名(法第 8 条第 2 項第 6 号)
7 )宅地建物取引業以外の事業を営んでいるときは、その事業の種類(施行規則第 5 条第 2 号)
8 )過去に指示処分(法第 65 条第 1 項、第 3 項)または業務停止処分(法第 65 条第 2 項、第 4 項)を受けた場合には、その内容および処分の年月日(施行規則第 5 条第 1 号)

上記 2 )から 7 )までは免許申請書の記載事項(法第 4 条第 1 項)と同じである。
また上記 2 )から 6 )に関して変更があったときは、宅地建物取引業者は免許権者である知事または大臣に対して、宅地建物取引業者名簿の登載事項の変更の届出(法第 9 条)を行なう必要がある。

※●宅地建物取引業者が、不動産投資信託等に関して取引一任代理等の認可を国土交通大臣から得ている場合にはその旨も宅地建物取引業者名簿に登載される(法第 50 条の 2 、法第 8 条第 2 項第 7 号)。

●大臣と知事では、宅地建物取引業者名簿を作成する範囲が異なっている。
国土交通大臣は、国土交通大臣が免許を与えた宅地建物取引業者の名簿のみを作成する。
各都道府県知事は、その都道府県知事が免許を与えた宅地建物取引業者の名簿と、その都道府県内に本店を置く国土交通大臣が免許を与えた宅地建物取引業者の名簿を作成する(法第 8 条第 2 項本文)。

宅地建物取引業者名簿等の閲覧 

読み方:たくちたてものとりひきぎょうしゃめいぼとうのえつらん 

宅地建物取引業法では、都道府県知事または国土交通大臣は、宅地建物取引業者名簿などの一定の書類を広く一般の閲覧に供しなければならないと定めている(宅地建物取引業法第 10 条)。
これは、宅地建物取引業者の業歴、信用状況、行政処分歴などを公開することにより、宅地建物の取引の円滑化を図る制度であるということができる。具体的には次のとおり。

1 )閲覧できる書類の範囲
次のように広い範囲の書類が閲覧対象とされている(法第 10 条)

ア:宅地建物取引業者名簿
イ:免許申請書
ウ:免許申請書の添付書類
エ:宅地建物取引業者名簿の登載事項の変更の届出に係る書類

上記アには指示処分、業務停止処分の履歴が登載されており、行政処分歴が把握できる。
また上記ウには、貸借対照表および損益計算書(施行規則第 1 条の 2 第 6 号)、資産に関する調書 (施行規則第 1 条の 2 第 7 号)などの財務書類が含まれており、信用状況の把握に役立つ。

2 )閲覧の方法
誰でも閲覧できることとされている。具体的な閲覧の方法は、閲覧場所ごとに閲覧規則を定めて規定している(施行規則第 5 条の 2 )。これにより閲覧可能な時間帯、閲覧申請書の記入方法などが個別に定められている。

3 )閲覧場所
宅地建物取引業者が都道府県知事から免許を受けた場合(知事免許)は次のアの場所で、国土交通大臣から免許を受けた場合(大臣免許)は次のイの場所で、それぞれ閲覧できる。

ア:知事免許の場合

各都道府県の宅地建物取引業を所管する部署において、上記 1 )の書類が閲覧できる。
例えば、東京都知事免許の宅地建物取引業者であれば、東京都庁の宅地建物取引業所管課で上記 1 )の書類が閲覧できる。

イ:大臣免許の場合

この場合には次の 2 ヵ所で上記 1 )の書類が閲覧できる。
A :その宅地建物取引業者の本店の所在地を管轄する都道府県の宅地建物取引業所管課
B :全国の国土交通省地方整備局の宅地建物取引業所管課(注)
例えば、大阪府に本店・東京都に支店を置く大臣免許の宅地建物取引業者であれば、大阪府庁および全国の地方整備局において上記 1 )の書類が閲覧できることになる。
(ただし支店所在地である東京都庁では閲覧できないことに注意)

(注)地方整備局とは「北海道開発局」「東北地方整備局」「関東地方整備局」「北陸地方整備局」「中部地方整備局」「近畿地方整備局」「中国地方整備局」「四国地方整備局」「九州地方整備局」「沖縄総合事務局」のこと。
宅地建物取引業者名簿の登載事項の変更の届出 

読み方:たくちたてものとりひきぎょうしゃめいぼのとうさいじこうのへんこうのとどけで 

都道府県知事または国土交通大臣は一定の事項を登載した宅地建物取引業者名簿を作成するが、この名簿の登載事項のうち一部の登載事項について変更があったときは、宅地建物取引業者は 30 日以内に変更の届出を行なう義務を負う。具体的には次のとおり。

1 )変更の届出を行なうべき事項
次のアからオの事項に変更が生じたとき、宅地建物取引業者は変更の届出を行なう必要がある(法第 9 条)(※参照)。

ア:商号または名称(法第 8 条第 2 項第 2 号)
イ:事務所の名称と所在地(法第 8 条第 2 項第 5 号)
ウ:宅地建物取引業者が法人である場合には、その法人の役員の氏名および事務所の代表者の氏名(法第 8 条第 2 項第 3 号)
エ:宅地建物取引業者が個人である場合には、その者の氏名および事務所の代表者の氏名(法第 8 条第 2 項第 4 号)
オ:事務所に置かれる専任の宅地建物取引主任者の氏名(法第 8 条第 2 項第 6 号)

※●宅地建物取引業以外の事業を営んでいるとき、その兼業している事業の種類(施行規則第 5 条第 2 号)については、変更の届出を行なう義務がない。

●役員・事務所の代表者・専任の宅地建物取引主任者の氏名の変更があったときは届出の必要があるが、住所の変更があったときは届出の必要がない。
●事務所の新設・移転・廃止は、「事務所の名称、所在地」の変更(法第 8 条第 2 項第 5 号)に該当するので、新設・移転・廃止を行なってから 30 日以内に届出が必要である。
●法人の場合、資本金の額や定款は、そもそも宅地建物取引業者名簿の登載事項ではない。従って資本金の額の変更や定款変更は、届出が不要である。

2 )届出期間・届出の相手方
変更が生じてから 30 日以内に、免許権者(知事免許ならばその知事、大臣免許ならば国土交通大臣)に対して、宅地建物取引業者名簿登載事項変更届出書(施行規則様式第 3 号)を提出しなければならない(施行規則第 5 条の 3 第 1 項)。
この際に、役員・事務所の代表者・専任の宅地建物取引主任者の増員・交代については、成年被後見人および被保佐人に該当しない旨の登記事項証明書を提出するなど、さまざまな添付書類が必要となる場合がある(施行規則第 5 条の 3 第 2 項)。

宅地建物取引業初任従業者教育研修 

読み方:たくちたてものとりひきぎょうしょにんじゅうぎょうしゃきょういくけんしゅう 

(財)不動産流通近代化センター等が実施する従業者向けの研修のこと。宅地建物取引業務に必要な法律、制度等を実務に即して基礎から体系的に習得するためもので、受講資格要件はない。
講座内容は、 3 ヵ月間の通信講座と 2 日間のスクーリングのいずれか一方を選んで受講するというものである。

宅地建物取引業法 

読み方:たくちたてものとりひきぎょうほう 

宅地建物取引を業として行なう者に対して、免許制度を実施し、その業務について必要な規制を加える法律(昭和 27 年制定)。宅地建物取引業法では、宅地建物取引業免許、宅地建物取引主任者、営業保証金、業務上の規制、監督規定など、広汎な規制により宅地建物流通の円滑化を図っている。
宅地建物取引業法施行規則第 6 条の 2 で定める場所 

読み方:たくちたてものとりひきぎょうほうせこうきそくだいろくじょうのにでさだめるばしょ 

→事務所以外で専任の宅地建物取引主任者を置くべき場所へ
宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方 

読み方:たくちたてものとりひきぎょうほうのかいしゃく・うんようのかんがえかた 

宅地建物取引業法の解釈・運用に関して、国が定めた包括的なガイドラインのこと。
従来、宅地建物取引業法の解釈・運用については、国(旧建設省)が通達・行政実例により詳細かつ統一的な基準を定めてきたが、平成 12 年 4 月 1 日付けで「地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律」(平成 11 年法律第 87 号)が施行されたことにより、宅地建物取引業に係る事務は都道府県の自治事務等となった。
このため、平成 12 年 4 月 1 日をもって従来旧建設省から各都道府県に発出された宅地建物取引業法に関する通達等は一律廃止された。
しかしこれでは宅地建物取引業法の解釈・運用が国民からみて極めて分かりにくくなると考えられたので、平成 12 年 7 月 25 日付で建設省不動産業課(現・国土交通省総合政策局不動産業課)において「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」を策定し、各都道府県に参考通知したものである。
なお宅地建物取引業法等に改正があったときは、この「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」もその都度改正され、各都道府県に参考通知されている。

宅地建物取引主任者 

読み方:たくちたてものとりひきしゅにんしゃ 

宅地建物取引主任者資格試験に合格し、都道府県知事の登録を受けて、宅地建物取引主任者証の交付を受けた者のこと(法第 15 条第 1 項)。
宅地建物取引主任者は一定以上の知識・経験を持つ者として公的に認められた者である。宅地建物取引業者は、事務所ごとに従事者 5 名に対して 1 名以上の割合で、専任の宅地建物取引主任者を置かなければならない(法第 15 条第 1 項)。(詳しくは宅地建物取引主任者の設置義務へ)
宅地建物取引において特に重要な次の 3 つの業務は、宅地建物取引主任者だけが行なうことができるとされている(宅地建物取引主任者ではない者はこれらの業務を行なうことができない)。

ア:重要事項説明(法第 35 条第 1 項、第 2 項、第 3 項)
イ:重要事項説明書への記名・押印(法第 35 条第 4 項)
ウ: 37 条書面への記名・押印(法第 37 条第 3 項)
宅地建物取引主任者となるためには、具体的には次の 1 )から 5 )の条件を満たす必要がある。

1 )宅地建物取引主任者資格試験に合格すること
宅地建物取引業に関して必要な知識に関する資格試験である宅地建物取引主任者資格試験に合格することが必要である。なお一定の要件を満たす者については宅地建物取引主任者資格試験の一部免除の制度がある。

2 )都道府県知事に登録を申請すること
この際に、宅地建物取引に関して 2 年以上の実務経験を有しない者であるときは、財団法人不動産流通近代化センターが実施する「実務講習」を受講し修了することが必要である(法第 18 条第 1 項本文、施行規則第 13 条の 15 、第 13 条の 16 )。

3 )都道府県知事の登録を受けること
登録を受けるには一定の欠格事由に該当しないことが必要である(法第 18 条第 1 項各号)。

4 )宅地建物取引主任者証の交付を申請すること
宅地建物取引主任者証の交付を申請する日が宅地建物取引主任者資格試験に合格した日から 1 年を超えている場合には、都道府県知事の定める「法定講習」を受講する義務がある(法第 22 条の 2 第 2 項)。

5 )宅地建物取引主任者証の交付を受けること
氏名、住所、生年月日、有効期間の満了する日等が記載されている宅地建物取引主任者証の交付を受けてはじめて正式に宅地建物取引主任者となる(法第 15 条第 1 項)。

宅地建物取引主任者資格試験

読み方:たくちたてものとりひきしゅにんしゃしかくしけん 

宅地建物取引業法第 16 条第 1 項に基づき、都道府県知事が実施する資格試験。宅地建物取引業に関して必要な知識について行なわれる試験である。
年齢、学歴、宅地建物取引業に関する実務経験などによる受験資格の制限は一切ないので、誰でも受験することができる(ただし試験を受けようとする都道府県内に居住していることが条件となっている場合が多い)。
なお、一定の実務経験を有し、登録講習機関が実施する講習(登録講習)を受けた者については、試験の一部を免除する制度が設けられている(宅地建物取引業法第 16 条第 3 項)。

宅地建物取引主任者資格試験の一部免除 

読み方:たくちたてものとりひきしゅにんしゃしかくしけんのいちぶめんじょ 

宅地建物取引主任者資格試験は、宅地建物取引業法第 16 条にもとづき、都道府県知事が実施する資格試験である。この試験で、一定の講習(「登録講習」)を受けた者については、試験の一部を免除する制度が設けられている(宅地建物取引業法第 16 条第 3 項)。
これを宅地建物取引主任者資格試験の一部免除と呼んでいる。
一部免除を受けるために必要となる「登録講習」は(財)不動産流通近代化センターをはじめとする複数の登録講習機関が実施している。
「登録講習」を受講するためには、宅地建物取引業に従事していることが要件となっている(平成 16 年までの「指定講習」を受講するためには「通算して 3 年以上の宅地建物取引業務に関する実務経験を有すること」が必要だったが、平成 17 年からは宅地建物取引業に従事しているだけで受講できることになった)。
「登録講習」は通信講座およびスクーリングから成り立っている。
スクーリングの最終日に登録講習修了試験が実施され、この試験に合格すると「登録講習修了者証明書」が交付される。この証明書によって、証明書の公布日から 3 年以内に実施される宅地建物取引宅地建物取引主任者資格試験の一部免除の適用を受けることができる。
なお一部免除を受ける者(即ち証明書の交付を受けた者)については次の要領で試験が実施される。

ア)試験時間は1時間 50 分(通常の受験者より 10 分短い)
イ) 5 問免除される結果、 45 問 4 肢択一の試験問題
ウ)上記のイ)の 45 問は、通常の受験者と同一の問題である
エ)免除される 5 問の範囲は「宅地及び建物の需給に関する法令及び実務に関すること」および「土地の形質、地積、地目及び種別並びに建物の形質、構造及び種別に関すること」である。過去の出題から分析すれば、具体的には「統計・景品表示・住宅金融公庫・土地・建物」が免除されるという意味である(宅地建物取引業法施行規則第 10 条の 5 、同施行規則第 8 条第 1 号および第 5 号)。
オ)合格点は通常の受験者と同一である。例えばその年の通常の受験者の合格点が 33 点であるときは、指定講習修了者は 45 問中 28 問に正解すれば合格することとなる。

宅地建物取引主任者資格試験の運営 

読み方:たくちたてものとりひきしゅにんしゃしかくしけんのうんえい 

宅地建物取引主任者資格試験は都道府県知事が行なう試験であるが、実際には知事から「財団法人不動産適正取引機構」へ試験事務が委託されており、「財団法人不動産適正取引推進機構」が試験事務を実施している。
さらに各都道府県において、各都道府県に 1 つずつの試験協力機関が定められている。試験協力機関は、その都道府県の外郭団体や、その都道府県内の宅地建物取引業の業界団体である場合が多い。
試験協力機関は、受験申込書の配布、受験申込みの受付などの事務手続を行なっている。
このように宅地建物取引主任者資格試験は、都道府県知事、財団法人不動産適正取引推進機構、試験協力機関の三者の協力のもとで運営されている。

宅地建物取引主任者資格試験の試験内容

読み方:たくちたてものとりひきしゅにんしゃしかくしけんのしけんないよう

試験は択一式で、 4 肢択一の 50 問( 50 点満点)である。 年によって多少の変化があるが、最近では次のような科目構成となっている。

1 )権利の変動(民法など)・・・ 15 問
2 )法令上の制限(行政法規)・・・ 10 問
3 )宅地建物取引業法・・・ 16 問
4 )税法・・・ 3 問
5 )その他・・・ 6 問

合格ラインは公表されていないため不明だが、 32 又は 33 点で合格となる年が多いと言われている。なお都道府県ごとの合格ラインの差異はない。
宅地建物取引主任者資格試験の日程

読み方:たくちたてものとりひきしゅにんしゃしかくしけんのにってい 

試験日程は 6 月初めまでに各都道府県から公表される。
例年、 7 月初めに受験申込書の配布と共に郵送申し込みが始まり、 7 月末頃の 5 日間に持参による受験申込みの受付が行なわれ、試験そのものは 10 月の第 3 日曜日に実施される。
ただし年によって日程は異なる可能性がある。
試験日程や申込み方法については、都道府県の宅地建物取引業を所管する課、または試験協力機関(各都道府県において宅地建物取引主任者資格試験の事務手続を行なっている都道府県の外郭団体や宅地建物取引業の業界団体を言う)から情報を収集しておくことが望ましい。

宅地建物取引主任者証 

読み方:たくちたてものとりひきしゅにんしゃしょう 

都道府県知事の行なう宅地建物取引主任者資格試験に合格し、都道府県知事の登録を受けた者は、登録をしている都道府県知事に対して申請することにより、宅地建物取引主任者証の交付を受けることができる(宅地建物取引業法第 22 条の 2 )。
宅地建物取引主任者証は顔写真付のカードであり、氏名、住所、生年月日、有効期間の満了する日等が記載されている。
有効期間は 5 年であり、申請により更新することができる(宅地建物取引業法第 22 条の 3 )。
主任者証の交付を受ける際に、主任者証の交付を申請する日が宅地建物取引主任者資格試験に合格した日から 1 年を超えている場合には、「法定講習」を受講する義務が生じるので注意が必要である(宅地建物取引業法第 22 条の 2 第 2 項)。

宅地建物取引主任者証の提示義務

読み方:たくちたてものとりひきしゅにんしゃしょうのていじぎむ 

宅地建物取引主任者は、不動産取引の当事者から請求があったときは、宅地建物取引主任者証を必ず提示しなければならない(宅地建物取引業法第 22 条の 4 )。
また、宅地建物取引主任者は、不動産取引の当事者に重要事項説明を行なう際には、不動産取引の相手方等に対して、宅地建物取引主任者証を必ず提示しなければならない(宅地建物取引業法第 35 条)。

宅地建物取引主任者の設置義務

読み方:たくちたてものとりひきしゅにんしゃのせっちぎむ 

宅地建物取引業者が、その事務所等に、「成年の専任の宅地建物取引主任者」を置かなければならないという義務のこと(宅地建物取引業法第 15 条第 1 項)。

( 1 )主任者を置くべき場所と人数
最低設置人数は、その場所の種類で異なることとされており、具体的には次のとおり。
(ア)「事務所」に設置すべき成年の専任の宅地建物取引主任者の最低設置人数は、事務所の「業務に従事する者」(以下「従事者」という)の数の 5 分の 1 以上である。
例えば事務所における従事者が 11 人ならば、その 5 分の 1 は 2.2 人であるので、成年の専任の宅地建物取引主任者を 3 人(またはそれ以上)置かなければならない(施行規則第 6 条の 3 による)。
なお従事者の範囲については、詳細なガイドラインが設けられている(別項目の「従事者」を参照のこと)
(イ)「事務所以外で専任の宅地建物取引主任者を置くべき場所」に設置すべき成年の専任の宅地建物取引主任者の最低設置人数は、その場所の従事者の人数に関係なく、 1 名以上である。

( 2 )置くべき主任者の要件
上述の( 1 )において置くべき宅地建物取引主任者は「成年」かつ「専任」でなければならないとされている。
ここで「専任」とは、国土交通省の宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方によれば、原則として、宅地建物取引業を営む事務所に常勤(宅地建物取引業者の通常の勤務時間を勤務することをいう)して、専ら宅地建物取引業に従事する状態を言うと解説されている。
ただし、当該事務所が宅地建物取引業以外の業種を兼業している場合等で、当該事務所において一時的に宅地建物取引業の業務が行なわれていない間に他の業種に係る業務に従事することは差し支えないものと解説されている。
また「成年」とは満 20 歳に達したことをいうが、民法第 753 条により未成年でもいったん結婚すると成年に達したものとみなされる(詳しくは別項目の「成年」へ)。

( 3 )置くべき主任者の要件に関する特例措置
役員(個人業者の場合には業者本人)が、宅地建物取引主任者であるときは、その者が「成年の専任の宅地建物取引主任者」とみなされるという特例措置が設けられている。
従って、例えば、ある宅地建物取引業者において、 18 歳の役員である宅地建物取引主任者(婚姻はしていない者)がいて、主として専らある事務所の業務に従事している場合には、その役員がその事務所の「成年の専任の宅地建物取引主任者」とみなされることになる。
なおここでいう「役員」とは、取締役よりも広い範囲を指している。具体的には「役員とは、業務を執行する社員、取締役、執行役、またはこれらに準ずる者」とされている。ちなみに監査役はここでいう「役員」から除外されている。(法第 15 条第 2 項)

( 4 )設置義務違反の是正措置
上述の( 1 )の最低設置人数に違反する状態になった場合には、宅地建物取引業者は早急に是正しなければならない(法第 15 条第 3 項)。
具体的には、既存の事務所等がこの成年の専任主任者の設置義務に違反する状態となったときは、 2 週間以内に設置義務を満たす必要があるとされている。

宅地建物取引主任者の登録 

読み方:たくちたてものとりひきしゅにんしゃのとうろく 

宅地建物取引主任者資格試験に合格した者が、宅地建物取引主任者として業務に従事するのにふさわしい資格等を有していることを都道府県知事が確認する手続のこと(宅地建物取引業法第 18 条、第 19 条)。具体的には次のとおりである。

1 )登録を申請する相手方
宅地建物取引主任者資格試験に合格した者が、試験を行なった都道府県知事に対して登録を申請する(宅地建物取引業に従事しようとする都道府県の知事ではないことに注意)。

2 )登録を受けるための要件
宅地建物取引主任者の登録を受けるには次のアとイの要件を満たすことが必要である。

ア:宅地建物の取引に関して 2 年以上の実務経験を有すること
宅地建物取引業者の下で 2 年以上勤務していた経験(または免許を受けた宅地建物取引業者としての 2 年以上の経験)が必要である。
ただし、(財)不動産流通近代化センターが実施する実務講習を受講し修了することにより、この実務経験を有するものと同等以上の能力を持つ者として認定されることができる。
(詳しくは、実務経験、実務講習へ)

イ:一定の不適格な事情(欠格事由)に該当しないこと
成年被後見人であることなどの一定の不適格な事情(欠格事由)がある者は、登録を受けることができないとされている。
(詳しくは宅地建物取引主任者の登録の基準へ)

3 )登録の申請の方法
宅地建物取引主任者資格試験に合格した者が、試験を行なった都道府県知事に対して、一定の事項を記載した登録申請書を提出する(法第 19 条第 1 項、施行規則第 14 条の 3 、施行規則様式第 5 号)。このとき実務経験証明書などの一定の書類の添付が必要である(施行規則第 14 条の 3 )。

4 )宅地建物取引主任者資格登録簿への登載
登録申請書を提出された都道府県知事は、上記 2 )の要件を満たしていることを確認した後に、宅地建物取引主任者資格登録簿に一定の事項を遅滞なく登載する(法第 19 条第 2 項)。
これにより宅地建物取引主任者の登録が完了する。
(詳しくは宅地建物取引主任者資格登録簿へ)

5 )変更の登録
宅地建物取引主任者資格登録簿の登載事項(氏名、住所など)に変更が生じた場合には、登録を受けている本人が遅滞なく変更を申請しなければならない(法第 20 条)。これを「変更の登録」と呼んでいる。
(詳しくは宅地建物取引主任者資格登録簿へ)

6 )登録の移転
宅地建物取引主任者の登録を受けた者は、一定の事情が発生したときは、他の都道府県知事に対して登録の移転を申請することが可能である。
(詳しくは宅地建物取引主任者の登録の移転へ)

7 )死亡等の届出
宅地建物取引主任者の登録を受けた者について、死亡等の事情が発生した場合には、登録を受けている都道府県知事への届出が必要である。
(詳しくは死亡等の届出へ)

8 )登録の消除
上記 7 )の死亡等の届出があった場合やその他の場合には、登録を受けている都道府県知事は、宅地建物取引主任者の登録を消除しなければならない。
(詳しくは宅地建物取引主任者の登録の消除へ)

9 )登録の有効期間
有効期間の制限はないので、一度登録すれば生涯にわたって有効である。ただし上記 8 )により消除される場合あり。

10 )宅地建物取引主任者との関係
宅地建物取引主任者の登録を受けた者は、宅地建物取引主任者証の交付を受けることによって、はじめて宅地建物取引主任者となることができる(宅地建物取引主任者の登録を受けただけではまだ宅地建物取引主任者ではない)。

宅地建物取引主任者の登録の移転

読み方:たくちたてものとりひきしゅにんしゃのとうろくのいてん 

宅地建物取引主任者の登録を受けている者は、登録をしている都道府県以外の都道府県に所在する宅地建物取引業者の事務所において、業務に従事する(または業務に従事しようとする)ときは、登録を移転することができる。
宅地建物取引主任者の登録は、試験を行なった都道府県知事から登録を受けることとされている。しかし、宅地建物取引主任者の登録を終えた後に、他の都道府県内の事務所で勤務する(または勤務する予定の)場合には、登録を移転することが可能とされている(宅地建物取引業法第 19 条の 2 )。具体的には次のとおり。

1 )登録を移転できる場合
登録をしている都道府県以外の都道府県に所在する事務所において、業務に従事する(または業務に従事しようとするとき)ことが必要である。
例えば東京都知事の登録を受けている者が、大阪府知事免許の宅地建物取引業者に勤務する(または勤務しようとする)場合には、登録の移転を申請して、大阪府知事の登録を受けることができる。また、東京都知事の登録を受けている者が、国土交通大臣免許の宅地建物取引業者(本店は大阪府、支店が兵庫県と京都府)の兵庫県の支店に勤務する場合には、登録の移転を申請して、兵庫県知事の登録を受けることができる。
登録の移転をするには、勤務する(または勤務する予定の)事務所が登録を受けた都道府県以外にあることが必要である。従って、住所を変更したが、勤務地は登録を受けた都道府県のままであるという場合には、登録の移転はできない。
ちなみに登録の移転は任意であるので、他の都道府県の事務所に勤務するときは必ず登録を移転しなければならないということではない。

2 )登録を移転する方法
登録を受けている本人が、自分が勤務する(または自分が勤務する予定の)事務所を管轄する都道府県知事に対して、登録の移転を申請する。ただし実際の手続としては、現に登録を受けている都道府県知事を経由して登録の移転を申請する。
例えば東京都知事の登録を受けている者が、大阪府知事免許の宅地建物取引業者に勤務する予定である場合には、大阪府知事に対して登録の移転を申請する。(実際には東京都知事に登録移転申請書を提出する。ただし登録移転申請書の冒頭に記載するあて先は大阪府知事とする)。

3 )提出する書類
登録移転申請書(施行規則様式第 6 号の 2 )に必要事項を記載して提出する(施行規則第 14 条の 5 )。

4 )登録の移転が禁止される場合
宅地建物取引主任者としてすべき事務の禁止の処分を受けている場合(法第 68 条第 2 項、第 4 項)には、事務の禁止の期間が終了するまでは、登録の移転をすることができない(法第 19 条の 2 但書)。

宅地建物取引主任者の登録の基準 

読み方:たくちたてものとりひきしゅにんしゃのとうろくのきじゅん 

宅地建物取引主任者資格試験の合格者が、宅地建物取引主任者の登録を受けるにあたって満たすべき基準のこと。
宅地建物取引主任者資格試験の合格者が、宅地建物取引主任者の登録を受けるためには、一定の不適格な事情(登録の欠格事由)に該当しないことが必要とされている(法第 18 条第 1 項各号)。
具体的には次の 1 )から 5 )の欠格事由に該当しない場合にのみ登録を受けることができる

1 )成年被後見人、被保佐人、破産者で復権を得ない者(法第 18 条第 1 項第 2 号、第 3 号)
これらの者は登録を受けることができない。

2 )免許取消し処分を受けた宅地建物取引業者等
悪質な違反行為(法第 66 条第 1 項第 8 号、第 9 号)を犯したことを理由として、免許の取消処分を受けた個人業者、免許の取消処分を受けた法人の役員は、当該免許の取消処分の日から 5 年間は、宅地建物取引主任者の登録を受けることができない(法第 18 条第 1 項第 4 号)。
この他、役員の連座(第 4 号の 2 )、免許取消し処分を不当にまぬがれるための廃業等(第 4 号の 3 )についても詳細な規定が設けられている。

3 )懲役刑、禁固刑、一定の罪に対する罰金刑を受けた者
一定の刑事罰を受けた経歴がある場合には、刑の執行を終えた日(または刑の執行を受けることがなくなった日)から 5 年間は、登録を受けることができない(法第 18 条第 1 項第 5 号、第 5 号の 2 )。

4 )登録消除処分を受けた者等
一定の悪質な違反行為(法第 68 条の 2 第 2 号、第 3 号、第 4 号など)を犯したことを理由として、登録の消除の処分を受けた個人は、当該登録の消除の処分の日から 5 年間は、宅地建物取引主任者の登録を受けることができない(法第 18 条第 1 項第 6 号)。
この他、登録消除処分を不当にまぬがれる目的で登録の消除を申請した場合(第 7 号)、事務禁止処分の期間中に登録の消除を申請し場合(第 8 号)などに関する詳細な定めがある。

5 )営業に関し成年者と同一の能力を有しない未成年者(法第 18 条第 1 項第 1 号)
未成年者が登録を受けるためには「宅地建物取引業の営業に関して成年者と同一の能力を有すること」が必要とされる。
「成年者と同一の能力を有する」とは、「法定代理人より営業を許可されていること」または「婚姻により成年と同一の能力を獲得していること」を指している。
(詳しくは未成年者へ)

宅地建物取引主任者の登録の消除

読み方:たくちたてものとりひきしゅにんしゃのとうろくのしょうじょ 

宅地建物取引主任者の登録を受けている者について一定の事情が発生した場合に、都道府県知事が宅地建物取引主任者の登録を消除すること。
宅地建物取引主任者資格試験の合格者が、宅地建物取引主任者として業務に従事するためには、その前提条件として都道府県知事より宅地建物取引主任者の登録を受けることが必要である(宅地建物取引業法第 22 条の 2 第 1 項、第 18 条第 1 項)。この登録を受けた場合には、氏名、住所等の一定の事項が宅地建物取引主任者資格登録簿に登載される(法第 18 条第 2 項)。
このような宅地建物取引主任者の登録を受けた者について一定の事情が発生した場合には、届出により、または知事の職権により、宅地建物取引主任者の登録が消除される(法第 22 条、法第 68 条の 2 )。その場合には再び登録を受けない限り、宅地建物取引主任者として業務に従事することはできない(法第 22 条の 2 により、登録がない者は宅地建物取引主任者証の交付を受けることができないため)。
登録が消除されるのは次の場合である。

1 )本人から登録の消除の申請があったとき(法第 22 条第 1 号)
宅地建物取引主任者の登録は一度登録すれば生涯にわたり有効であるが、本人の意思により登録を消除することも可能である。

2 )法第 21 条の届出(死亡等の届出)があったとき(法第 22 条第 2 号)
死亡等の届出が提出された場合、知事はその届出に基づいて登録を消除しなければならない。(詳しくは死亡等の届出へ)

3 )死亡したとき
死亡の事実が判明したときは、都道府県知事は職権により登録を消除しなければならない。
本来は相続人が上記 2 の「死亡等の届出」(法第 21 条)を提出すべきであるが、この届出がない場合であっても、知事は職権により登録を消除しなければならない(法第 22 条第 3 号)

4 )死亡以外の理由で、法第 21 条の届出(死亡等の届出)を提出すべき事由が発生したとき(法第 22 条第 3 号、法第 68 条の 2 第 1 項第 1 号、法第 68 条の 2 第 2 項第 1 号)
死亡以外の理由で「死亡等の届出」を提出すべき事由が発生した場合(すなわち法第 18 条第 1 項第 1 号から第 5 号の 2 までの登録の欠格事由が生じた場合)については、上記 3 )と同様の扱いである。
従って、知事に対してその旨の届出が提出されないときでも、知事は職権により登録を消除しなければならない。
(登録の欠格事由について詳しくは宅地建物取引主任者の登録の基準へ)

5 )宅地建物取引主任者資格試験の合格が取消されたとき(法第 22 条第 4 号、法第 17 条第 1 項、第 2 項)

6 )不正の手段により宅地建物取引主任者の登録を受けたとき(法第 68 条の 2 第 1 項第 2 号、第 2 項第 2 号)

7 )不正の手段により宅地建物取引主任者証の交付を受けたとき(法第 68 条の 2 第 1 項第 3 号)

8 )法第 68 条第 1 項各号の事由(指示処分の対象となる事由)に違反し、特に情状が重いとき(法第 68 条の 2 第 1 項第 4 号)

9 )法第 68 条第 2 項・第 4 項にもとづく事務の禁止の処分を受けて、その事務の禁止の処分に違反したとき(法第 68 条の 2 第 1 項第 4 号)

10 )宅地建物取引主任者証の交付を受けていない者が、宅地建物取引主任者としてすべき事務を行ない、情状が特に重いとき(法第 68 条の 2 第 2 項第 3 号)

上記 5 )から 10 )までの場合には、知事は職権により登録を消除しなければならない。
また上記 6 )から 10 )までは、宅地建物取引主任者としての不正行為・不当行為(法第 68 条第 1 項第 2 号、第 3 号、第 4 号)などがあったことに由来する知事の監督処分である。このような意味で、 6 )から 10 )までの登録消除を、特に「登録消除処分」と呼ぶことがある。

宅地建物取引主任者資格登録簿 

読み方:たくちたてものとりひしゅにんしゃしかくとうろくぼ 

宅地建物取引主任者の登録を受けた者に関して、都道府県知事が作成した登録簿のこと。
宅地建物取引主任者となるためには、その前提として、宅地建物取引主任者の登録を受けることが必要とされている(宅地建物取引業法第 18 条第 1 項)。
この宅地建物取引主任者の登録を受けた者について、都道府県知事が作成した登録簿が宅地建物取引主任者資格登録簿である(宅地建物取引主任者資格登録簿の様式は施行規則様式第 4 号に規定されている)。

1 )宅地建物取引主任者資格登録簿の登載事項
宅地建物取引主任者資格登録簿には、宅地建物取引主任者の登録を受けた者に関する次の事項が登載される(法第 18 条第 2 項、施行規則第 14 条の 2 )。

ア:氏名
イ:生年月日
ウ:住所
エ:本籍(日本の国籍を有しない場合は、その者の国籍)
オ:性別
カ:試験の合格年月日および合格証書番号
キ:実務経験を有する者である場合は、登録申請時現在の実務経験の期間、その内容、従事していた宅地建物取引業者の商号(または名称)と免許証番号
ク:実務講習の修了者である場合は、修了認定の年月日
ケ:宅地建物取引業者の業務に従事している場合は、当該宅地建物取引業者の商号(または名称)および免許証番号

2 )宅地建物取引主任者資格登録簿の登載事項の変更
登録簿に登載された上記アからケの事項について変更が生じた場合には、登録を受けた者は遅滞なく変更登録申請書を提出しなければならない(法第 20 条、施行規則第 14 条の 7 、施行規則様式第 7 号)。これを「変更の登録」と呼んでいる。
具体的には、下記の 4 つの事項について変更が生じれば、変更登録申請書を遅滞なく提出する必要が生じることになる

A :氏名
B :住所
C :本籍
D :宅地建物取引業者の業務に従事している場合は、当該宅地建物取引業者の商号(または名称)および免許証番号

宅建試験 

読み方:たっけんしけん 

宅地建物取引業法第 16 条第 1 項にもとづき、都道府県知事が実施する資格試験のこと。正式名称は宅地建物取引主任者資格試験である。
宅地建物取引業に関して必要な知識について行なわれる試験で、試験科目は宅建業法、民法、都市計画法、建築基準法、税法その他。配点は 50 点満点。試験は例年 10 月の第 3 日曜日に実施される。
詳しくは宅地建物取引主任者資格試験へ。

宅建免許 

読み方:たっけんめんきょ 

→免許へ
他人物売買の制限 

読み方:たにんぶつばいばいのせいげん 

宅地建物取引業者が他人物を売ることを原則的に禁止するという規制のこと。これは一般消費者を保護するための措置である(宅地建物取引業法第 33 条の 2 )。

( 1 )概要
本来、他人の物を売買することは不可能とする考え方もありうるが、わが国の民法(民法第 560 条)では他人の物の売買も有効な売買契約であるとして認めている。
しかしこのような他人物売買では、売買取引に精通していない一般の買い主は、不利益をこうむる恐れがある。
そこで、宅地建物取引業法第 33 条の 2 では、他人物を売買の対象とすることを原則的に禁止しているのである。

( 2 )他人物売買の制限
法第 33 条の 2 では次のように定めている。
宅地建物取引業者は、他人の所有物について、自らが売り主になるような売買契約を締結することができない。
また、宅地建物取引業者は、他人の所有物について、自らが売り主になるような予約を締結することもできない。

( 3 )他人物売買が許される場合 その 1
ただし、「他人物を確実に取得できるという別の契約または予約があるとき」には、他人物の売買契約または予約を締結してよい(法第 33 条の 2 第 1 号)。
例えば、ある A 氏所有の中古マンションを、宅地建物取引業者 B 社が一般消費者である C 氏に売却する場合を想定しよう。このとき B 社が、 A 氏の所有物である中古マンションをそのままで C 氏に売却することは、他人物売買に該当するので、上記( 2 )により禁止されているはずである。
しかし B 社が A 氏との間で、 1 ヵ月後にそのマンションを B 社が購入するという予約を締結済みであったならば、「他人物を確実に取得できるという別の契約または予約がある」ことになるので、 BC 間の売買契約の締結が許されるということである。
なお、「他人物を確実に取得できるという別の契約または予約」について、この「別の契約または予約」は、停止条件が付いているものであってはならない。
停止条件付きの契約(予約)とは、ある事実(発生するかどうかが不確実な事実に限る)が発生したときに、初めて契約(予約)が効力を生じるという特殊な契約(予約)のことである。
先程の例でいえば、 B 社がマンション購入を A 氏と予約する際に、 A 氏が「ほかにもっとよいマンションが運よく見つかったら今のマンションを B 社に売ることを承諾する」という条件を付けていたとしよう。すると、これは「停止条件付きの予約」に該当するので、「他人物を確実に取得できるという別の契約または予約」が存在しないことになってしまう。

( 4 )他人物売買が許される場合 その 2
換地処分の公告以前の「保留地予定地」については、宅地建物取引業者が一般消費者へ転売することが許されている(施行規則第 15 条の 6 第 3 号)。

( 5 )適用範囲
この「他人物売買の制限」(法第 33 条の 2 )は、消費者を保護するための規定である。
従って、宅地建物取引業者どうしの売買については、他人物であっても制限なしに売買することができる(法第 78 条第 2 項)。

知事免許 

読み方:ちじめんきょ 

宅地建物取引業者が、都道府県知事から免許を受けていること。
宅地建物取引業を営もうとする者が、ひとつの都道府県内においてのみ事務所を設ける場合には、その都道府県の知事から免許を受けることが必要とされている(宅地建物取引業法第 3 条第 1 項)。この規定にもとづき、都道府県知事から免許を受けることを、一般に「知事免許」と呼んでいる。

仲介 

読み方:ちゅうかい 

不動産取引における宅地建物取引業者の立場(取引態様)のひとつ。
「媒介」と同意。

仲介契約 

読み方:ちゅうかいけいやく 

→媒介契約
仲介手数料

読み方:ちゅうかいてすうりょう 

媒介報酬(仲介報酬)とも。
宅地建物取引業者の媒介により、売買・交換・貸借が成立した場合に、宅地建物取引業者が媒介契約にもとづき、依頼者から受け取ることができる報酬のこと。(詳しくは報酬額の制限へ)

仲介報酬 

読み方:ちゅうかいほうしゅう 

媒介報酬とも。宅地建物取引業者の媒介により、売買・交換・貸借が成立した場合に、宅地建物取引業者が媒介契約にもとづき、依頼者から受け取ることができる報酬のこと。(詳しくは報酬額の制限へ)
手付の額の制限 

読み方:てつけのがくのせいげん 

売り主が宅地建物取引業者である宅地建物の売買契約を締結するとき、手付は、代金の額の 10 分の 2 を超えてはならないという制限のこと(宅地建物取引業法第 39 条第 1 項)
手付とは、売買契約・賃貸借契約・請負契約などが締結されるに際して、当事者の一方が相手方に交付する金銭等のことである。
この手付が高額であると、買い主としては手付を放棄して売買契約を解除することが難しくなり、売買契約の拘束力が不当に高くなってしまう。そこで、宅地建物取引業法では、売り主が宅地建物取引業者で、買い主が宅地建物取引業者以外の者である場合には、手付は代金の 2 割を超えてはならないという制限を設けている(宅地建物取引業法第 39 条第 1 項)。ただしこの第 39 条は一般消費者保護の規定であるので、この制限は売り主が宅地建物取引業者で、買い主が宅地建物取引業者以外の者である場合にのみ適用される。
仮に代金の「 3 割」の手付を買い主が支払った場合には、 2 割を超えた部分(つまり 1 割)は手付ではなくて、代金の前払い(内金または中間金)であると考えることになる。
なお、この手付の額の制限は、強行規定であるので、これに反する特約で、買い主に不利なものは無効となる(宅地建物取引業法第 39 条第 3 項)

登録

読み方:とうろく 

宅地建物取引主任者資格試験に合格した者が、宅地建物取引主任者として業務に従事するのにふさわしい資格等を有していることを都道府県知事が確認する手続のこと。
(詳しくは宅地建物取引主任者の登録へ)

登録講習

読み方:とうろくこうしゅう 

宅地建物取引主任者資格試験では一定の講習を受けた者については、宅地建物取引主任者資格試験の一部免除の制度( 50 問中の 5 問の免除)が設けられている(宅地建物取引業法第 16 条第 3 項)。
この宅地建物取引業法第 16 条第 3 項に定められた一部免除を受けるために受講しなければならない講習のことを「登録講習」と呼んでいる。
この「登録講習」は(財)不動産流通近代化センターをはじめとする複数の登録講習機関が実施している。
「登録講習」を受講するためには、宅地建物取引業に従事していることが要件となっている(平成 16 年までは「通算して 3 年以上の宅地建物取引業務に関する実務経験を有すること」が必要だったが、平成 17 年からは宅地建物取引業に従事しているだけで受講できることになった)。
「登録講習」は通信講座およびスクーリングから成り立っている。
スクーリングの最終日に登録講習修了試験が実施される。この終了試験に合格すると「登録講習修了者証明書」が交付される。この証明書によって宅地建物取引宅地建物取引主任者資格試験の一部免除の適用を受けることができる。

登録の消除

読み方:とうろくのしょうじょ 

宅地建物取引主任者の登録を受けている者について一定の事情が発生した場合に、都道府県知事が宅地建物取引主任者の登録を消除すること。
死亡等の届出(宅地建物取引業法第 21 条)にもとづいて消除する場合と、職権により消除する場合がある。
(詳しくは宅地建物取引主任者の登録の消除へ)

取引態様

読み方:とりひきたいよう 

不動産広告における宅地建物取引業者の立場(取引態様)のこと。
不動産の広告を規制する「不動産の表示に関する公正競争規約(表示規約)」によれば、不動産広告を行なう際には、不動産会社の取引態様が「売主」「貸主」「媒介」「代理」のどれに該当するかを明確に表示しなければならないとされている。
ただし「媒介」については「仲介」という言葉でもよいこととされている(不動産の表示に関する公正競争規約第 15 条第 1 号)。

 ◇   行  ◇
媒介 

読み方:ばいかい 

不動産取引における宅地建物取引業者の立場(取引態様)のひとつ。
「媒介」とは、宅地建物取引業者が、売買取引・交換取引・賃貸借取引について、売主と買主(又は貸主と借主)との間に立って、取引成立に向けて活動するという意味である。
「仲介」とは「媒介」と同じ意味である。

媒介契約 

読み方:ばいかいけいやく 

「媒介」とは、宅地建物取引業者が、売買取引・交換取引・賃貸借取引について、売主と買主(又は貸主と借主)との間に立って、取引成立に向けて活動するという意味である。
宅地建物取引業者がこうした活動を行なう際に、依頼者(売主・買主・貸主・借主)と宅地建物取引業者との間に締結される契約を「媒介契約」と呼ぶ。
媒介契約の方法や内容については、宅地建物取引業法第 34 条の 2 によって厳しい規制が加えられている。

媒介契約書 

読み方:ばいかいけいやくしょ 

宅地建物取引業者は、媒介契約を締結したときは、遅滞なく、一定の事項を記載した書面を作成し、宅地建物取引業者がその書面に記名押印し、依頼者(売主・買主・貸主・借主)にその書面を交付しなければならない。
このとき交付される書面のことを「媒介契約書」と呼んでいる(宅地建物取引業法第 34 条の 2 第 1 項)。
また媒介契約書に記載されるべき事項は詳細に法定されている。

媒介報酬(仲介報酬) 

読み方:ばいかいほうしゅう(ちゅうかいほうしゅう) 

宅地建物取引業者の媒介により、売買・交換・貸借が成立した場合に、宅地建物取引業者が媒介契約にもとづき、依頼者から受け取ることができる報酬のこと。(詳しくは報酬額の制限へ)
廃業等の届出 

読み方:はいぎょうとうのとどけで 

宅地建物取引業者において死亡・破産・解散・廃業などの事情が発生した場合に、一定の者が行なうべき届出のこと(宅地建物取引業法第 11 条第 1 項)。この届出を行なうのは、次の 5 つの場合である。

1 )宅地建物取引業者(個人)が死亡したとき(法第 11 条第 1 項第 1 号)
宅地建物取引業者の相続人は、死亡の事実を知った日から 30 日以内に、免許権者(その免許を与えた知事または大臣のこと)に対して、廃業等届出書(施行規則第 5 条の 5 、施行規則様式第 3 号の 5 )を提出する義務を負う(死亡の場合、廃業等届出書の提出期間は「死亡の日から 30 日以内」ではなく「死亡の事実を知った日から 30 日以内」であることに注意。また宅地建物取引業者が死亡した時点で、免許は自動的に失効する。廃業等届出書を提出した時点で免許が失効するのではないことに注意)。

2 )宅地建物取引業者(法人)が合併により消滅した場合(法第 11 条第 1 項第 2 号)
その法人を代表する役員であった者は、法人が合併により消滅した日から 30 日以内に、免許権者に廃業等届出書を提出する義務を負う(合併により法人が消滅した場合、法人が消滅した時点で免許は自動的に失効する。廃業等届出書を提出した時点で免許が失効するのではないことに注意。また、合併による消滅、合併および破産以外の理由による解散、廃業については、免許取消し処分をまぬがれるための不当なものであるときは、免許の欠格事由となる。詳しくは免許の基準(廃業等)へ)。
合併による消滅には、吸収合併と新設合併がある。
吸収合併については、例えば甲法人が解散して乙法人に吸収されるのならば、解散する甲法人の代表者が廃業等届出書を提出する義務を負う。
新設合併については、例えば A 法人(宅地建物取引業の免許あり)と B 法人(宅地建物取引業の免許なし)が解散して、新会社であるC法人を新規に設立するのならば、 A 法人の代表者が廃業等届出書を提出する義務を負う。

3 )宅地建物取引業者(個人または法人)が破産した場合(法第 11 条第 1 項第 3 号)
破産管財人は、破産した日から 30 日以内に、免許権者に対して、廃業等届出書を提出する義務を負う(破産、合併および破産以外の理由による解散、廃業については、廃業等届出書を提出した時点で、免許が失効する(法第 11 条第 2 項)。また、廃業等届出書が提出されない場合であっても、免許権者においてこれらの事実が判明したならば、免許権者は免許を必ず取消さなくてはならない(法第 66 条第 1 項第 7 号))。

4 )宅地建物取引業者(法人)が、合併および破産以外の理由により解散した場合(法第 11 条第 1 項第 4 号)
その法人の清算人は、合併・破産以外の理由で解散した日から 30 日以内に、免許権者に対して、廃業等届出書を提出する義務を負う。
(破産、合併および破産以外の理由による解散、廃業については、廃業等届出書を提出した時点で、免許が失効する(法第 11 条第 2 項)。また、廃業等届出書が提出されない場合であっても、免許権者においてこれらの事実が判明したならば、免許権者は免許を必ず取消さなくてはならない(法第 66 条第 1 項第 7 号)。さらに合併による消滅、合併および破産以外の理由による解散、廃業)については、免許取消し処分をまぬがれるための不当なものであるときは、免許の欠格事由となる。詳しくは免許の基準(廃業等)へ)

5 )宅地建物取引業者(個人または法人)が、宅地建物取引業を廃止した場合(法第 11 条第 1 項第 5 号)
宅地建物取引業を廃止した場合とは、上記 1 )から 4 )に該当しない場合であって、宅地建物取引業を業として営むことをやめる場合を指す。一般的には「廃業」と呼ばれる。
この場合には、宅地建物取引業者であった個人または宅地建物取引業者であった法人を代表する役員は、廃業した日から 30 日以内に、免許権者に対して、廃業等届出書を提出する義務を負う。
(破産、合併および破産以外の理由による解散、廃業については、廃業等届出書を提出した時点で、免許が失効する(法第 11 条第 2 項)。また、破産、合併および破産以外の理由による解散、廃業については、廃業等届出書が提出されない場合であっても、免許権者においてこれらの事実が判明したならば、免許権者は免許を必ず取消さなくてはならない(法第 66 条第 1 項第 7 号)。さらに合併による消滅、合併および破産以外の理由による解散、廃業については、免許取消し処分をまぬがれるための不当なものであるときは、免許の欠格事由となる。詳しくは免許の基準(廃業等)へ)。

標識の掲示 

読み方:ひょうしきのけいじ 

免許証番号などを記載した「標識」を、宅地建物取引業者の事務所その他の一定の場所に掲示することを「標識の掲示」という。

( 1 )趣旨
無免許営業を防止すること、責任の所在を明確にすること等の目的で、宅地建物取引業者に義務付けられたものである(宅建業法第 50 条第 1 項)。

( 2 )標識に記載すべき事項
標識に掲示すべき事項は、免許証番号、免許有効期間、商号、代表者氏名、主たる事務所の所在地など(施行規則第 19 条第 2 項)。

( 3 )標識を掲示すべき場所
標識を掲示すべき場所としては、次の(ア)から(ウ)の 3 種類の場所が法定されている。

(ア):事務所(法第 3 条第 1 項)
(イ):事務所以外で専任の宅地建物取引主任者を置くべき場所(施行規則第 6 条の 2 )
(ウ):(ア)および(イ)以外の場所であって標識を掲示すべき場所(法第 50 条第 1 項、施行規則第 19 条第 1 項)

( 4 )標識を掲示すべき場所についての説明
上記の(ア)と(イ)については、別項目の「事務所」「事務所以外で専任の宅地建物取引主任者を置くべき場所」に詳しい説明があるのでそちらを参照のこと。
上記の(ウ)の場所は、施行規則第 19 条第 1 項において法定されている。具体的には上記の(ウ)の場所とは、次の( a )から( e )の場所のことである。

( a )継続的に業務を行なうことができる施設を有する場所で事務所以外のもの
( b )宅地建物取引業者が一団の宅地建物の分譲をする場合における当該宅地または建物の所在する場所(ここで「一団」とは「 10 戸以上または 10 区画以上」を指す。次の( c )と( d )でも同じ(施行規則第 6 条の 2 による))
( c )一団地の宅地建物の分譲を案内所を設置して行なう場合には、その案内所
(d)他の宅地建物取引業者が行なう一団の宅地建物の分譲の代理または媒介を案内所を設置して行なう場合には、その案内所
( e )宅地建物取引業者が業務に関し展示会その他これに類する催しを実施する場合には、これらの催しを実施する場所
( 5 )標識を掲示すべき場所についての説明の補足

上述の( 3 )の(イ)の場所と(ウ)の場所は、要件が非常によく似ているので区別がつきにくい。
区別するための判断基準は、(イ)の場所では、契約の締結または契約の申込みを受けるという業務を行なうことが要件になっているのに対して、(ウ)の場所ではそうした契約に関する要件がないという点である。
例えばある 10 区画の宅地の分譲の案内所について、その案内所で契約の締結を行なうかまたは契約の申込みを受けるのであれば、その案内所は(イ)の場所となり、専任の宅地建物取引主任者を 1 名以上設置するとともに、標識を掲示しなければならない。
しかし、その案内所において、契約の締結を行なうことも契約の申込みを受けることもしないのであれば、その案内所は(ウ)の場所となるので、専任の宅地建物取引主任者を設置する義務はないが、標識は必ず掲示しなければならない、ということである。
また上述の(ウ)の場所のうち( b )の場所(すなわち一団の宅地建物の分譲をする場合における当該宅地または建物の所在する場所)については、専任の宅地建物取引主任者を設置する場所になることはありえないが、標識は必ず掲示しなければならないことに注意したい。

標準媒介契約約款

読み方:ひょうじゅんばいかいけいやくやっかん 

国土交通省が定めた標準的な媒介契約の契約条項のことである。
媒介契約に関しては、宅地建物取引業法第 34 条の 2 で具体的な規制が行なわれているが、さらに消費者保護の観点から標準的な契約条項を普及させることが必要と考えられたので、建設省(現国土交通省)は、住宅宅地審議会の答申を踏まえて、「標準媒介契約約款」を作成し、告示したものである〔昭和 57 年 5 月 7 日建設告示第 1110 号(最終改正平成 9 年 1 月 17 日)〕。
宅地建物取引業者が媒介契約書を作成する場合においては、宅地建物取引業法施行規則第 15 条の 7 第 4 号により、「標準媒介契約約款に基づくものであるか否かの別」を契約書に記載しなければならない。
従って法律上は、宅地建物取引業者が媒介契約書を作成する場合に「標準媒介契約約款」を使用しないことも可能とされている。
ただし「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」(国土交通省のガイドライン)では、「媒介契約制度の的確な運用を図るため、宅地建物取引業者間の大量取引における販売提携、販売受託等の特殊な事情のあるものを除き、標準媒介契約約款を使用することとする」と明言されている。
従って国土交通省は「標準媒介契約約款」を使用するよう指導していると言うことができる。

変更の登録 

読み方:へんこうのとうろく 

宅地建物取引主任者の登録を受けた者は、宅地建物取引主任者資格登録簿に登載された事項に変更があったときは、変更登録申請書を遅滞なく提出しなければならない。これを変更の登録という。
(詳しくは宅地建物取引主任者資格登録簿へ)

変更の届出 

読み方:へんこうのとどけで 

宅地建物取引業者に関する一定の事項を登載した名簿(宅地建物取引業者名簿)の登載事項について変更が生じた場合に、宅地建物取引業者が行なうべき届出のこと(宅地建物取引業法第 9 条)。
(詳しくは宅地建物取引業者名簿の登載事項の変更の届出へ)

報酬額の制限

読み方:ほうしゅうがくのせいげん 

宅地建物取引業者による媒介または代理によって、宅地建物の売買・交換・貸借が成立した場合に、宅地建物取引業者は、媒介契約または代理契約に基づき、依頼者から所定の報酬を受け取ることができる。
この報酬の額は、媒介契約または代理契約に基づき、依頼者と宅地建物取引業者の間で約定されるものである。
またこの報酬の額の上限は、宅地建物取引業法により国土交通大臣が告示で定めるものとされており(法第 46 条第 1 項)、宅地建物取引業者はその告示の規定を超えて、報酬を受けてはならないという制限がある(法第 46 条第 2 項)。
このような宅地建物取引業法の規定を受けて、昭和 45 年に建設省告示「宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額を定める件」(いわゆる報酬告示)が告示されている(最終改正平成 16 年 2 月 18 日)。報酬額の制限の概要は次のとおり。

1 )報酬が発生する場合
宅地建物取引業者の媒介または代理により、売買・交換・貸借が成立した場合に、宅地建物取引業者は依頼者に報酬を請求することができる(法第 46 条第 1 項)。
しかし、宅地建物取引業者自らが売り主または貸し主として売買・交換・貸借が成立した場合には、その売り主または貸し主である宅地建物取引業者は取引当事者の立場にあるので、買い主または借り主に報酬を請求することはできない。
またこの報酬は成功報酬と解釈されており、原則として売買・交換・貸借が媒介または代理により成立した場合にのみ報酬請求権が発生するとされている(標準媒介契約約款の規定等による)。

2 )売買の媒介における報酬額の上限
売買の媒介の場合に、宅地建物取引業者が依頼者の一方から受けることができる報酬額の上限は、報酬に係る消費税相当額を含めた総額で、次のとおりである(報酬告示第二)。

ア:売買に係る代金の価額(ただし建物に係る消費税額を除外する)のうち 200 万円以下の部分について… 5.25 %
イ: 200 万円を超え 400 万円以下の部分について… 4.2 %
ウ: 400 万円を超える部分について… 3.15 %

例えば、売買に係る代金の価額(建物に係る消費税額を除外)が 1,000 万円の場合には、 200 万円の 5.25 %、 200 万円の 4.2 %、 600 万円の 3.15 %で、 10.5 万円・ 8.4 万円・ 18.9 万円の合計として 37 万 8,000 円が依頼者の一方から受ける報酬額の上限となる(ただしこの額には報酬に係る消費税相当額を含む)。

3 )交換の媒介における報酬額の上限
交換の媒介の場合には、交換する宅地建物の価額に差があるときは、いずれか高い方を「交換に係る宅地建物の価額(ただし建物に係る消費税額を除外する)」とする(報酬告示第二)。
例えば、 A 社が X 氏と媒介契約を結んで X 氏所有の 800 万円(消費税額を除外後)の宅地建物を媒介し、 B 社が Y 氏と媒介契約を結んで Y 氏所有の 1,000 万円(消費税額を除外後)の宅地建物を媒介して交換が成立したとすれば、 A 社の報酬額の上限は 800 万円でなく、 1,000 万円をもとに計算する。従って A 社の報酬額の上限は 37 万 8,000 円である(ただしこの額には報酬に係る消費税相当額を含む)。

4 )貸借の媒介の場合
宅地または建物の貸借の媒介において、宅地建物取引業者が依頼者の一方から受けることのできる報酬の上限は原則として借賃(ただし借賃に係る消費税額を除外する)の 1 月分の 0.525 倍である。ただしこの額には報酬に係る消費税相当額を含んでいる(報酬告示第四)。
また、宅地建物取引業者が当該依頼者の承諾を得ているときは、最高で借賃の 1 月分の 1.05 倍を依頼者の一方から受けることができる。
なお、宅地または非居住用の建物(店舗・事務所など)の賃貸借において、権利金が授受されるときは、その権利金の額を上記 2 )の「売買に係る代金の額」とみなして、売買の媒介の場合と同様に報酬額の上限を算出することが可能である(報酬告示第六)。

5 )代理の場合
売買・交換・貸借の代理において、宅地建物取引業者が依頼者の一方から受けることのできる報酬額の上限は、上記 2 )・ 3 )・ 4 )の 2 倍となる(報酬告示第三・第五)。

6 )複数の宅地建物取引業者の関与
複数の宅地建物取引業者が関与する場合には、それらの業者の受ける報酬額の合計は、上記 2 )・ 3 )・ 4 )の 2 倍を超えることはできない。

7 )特別の依頼に係る広告費用
依頼者が特別に依頼した広告の料金に相当する額は、上記の 1 )から 6 )のほかに、宅地建物取引業者が依頼者から受けることができる(報酬告示第七)。

法第 15 条第 1 項の国土交通省令で定める場所 

読み方:ほうだいじゅうごじょうだいいっこうのこくどこうつうしょうれいでさだめるばしょ 

→事務所等へ
法定講習 

読み方:ほうていこうしゅう 

宅地建物取引主任者資格試験に合格し、都道府県知事の登録を受けた者が、宅地建物取引主任者証の交付を申請する際に、主任者証の交付を申請する日が宅地建物取引主任者資格試験に合格した日から 1 年を超えている場合には、都道府県知事の定める「講習」を受講する義務が生じる(宅地建物取引業法第 22 条の 2 第 2 項)。
この宅地建物取引業法第 22 条の 2 にもとづく講習を「法定講習」と呼ぶ。
また、宅地建物取引主任者証の有効期間の更新を希望する場合にも、この「法定講習」を有効期間満了の前に受講することが義務付けられている。
「法定講習」を実施するのは都道府県知事であるが、実際には知事が指定した実施機関が講習を実施している。
どのような機関が実施機関となるかは各都道府県により異なっているので、法定講習を受講する際には、各都道府県の宅地建物取引業法を所管する課や、宅地建物取引業の業界団体へ問い合わせる必要がある。

 ◇   行  ◇
未完成物件の売買の制限 

読み方:みかんせいぶっけんのばいばいのせいげん 

宅地建物取引業者が未完成物件を売ることを原則的に禁止するという規制のこと。これは一般消費者を保護するための措置である(宅地建物取引業法第 33 条の 2 )。

( 1 )概要
宅地建物取引業者が自ら売り主になって、未完成の宅地または建物を、造成中または工事中の段階で販売することは、原則的に禁止されている(法第 32 条の 2 本文)。これは、売買取引に精通していない一般の買主を保護するための規定である。

( 2 )未完成物件の売買が許される場合
しかし造成中の宅地の分譲や、工事中の建物の分譲が全く行なえないことになっては不動産実務上、非常に不便であることは明らかである。
そこで、法第 33 条の 2 第 2 号では、「未完成物件に関する手付金等の保全措置」を講じることを要件として、未完成物件の売買を許すこととした。
具体的には、「未完成物件に関する手付金等の保全措置」が行なわれている未完成物件については、造成中・工事中であっても、未完成物件の売買契約(予約を含む)を締結してよいこととした。
ここで「未完成物件に関する手付金等の保全措置」とは、法第 41 条第 1 項に規定されている「工事完了前の売買に係る手付金等の保全措置」のことである。
これは、工事完了前に買い主が交付する手付金等について、銀行が保証し(保証委託契約)または保険会社が保証保険を付する(保証保険契約)という保全措置である。

( 3 )手付金等保全措置が不要な未完成物件の場合
なお、手付金等の額が代金の 5 %以下でかつ 1,000 万円以下であれば、法第 41 条第 1 項の「工事完了前の売買に係る手付金等の保全措置」を講じなくてよいとされている。
このような手付金等保全措置が不要な未完成物件については、手付金等保全措置を行なわないままで、未完成物件の売買契約(予約を含む)を締結してよい、とされている。

( 4 )適用範囲
この「未完成物件の売買の制限」(法第 33 条の 2 )は、消費者を保護するための規定である。
従って、宅地建物取引業者どうしの売買については、未完成物件であっても、手付金等保全措置を全く講じないで売買することができる(法第 78 条第 2 項)。

無免許営業等の禁止 

読み方:むめんきょえいぎょうとうのきんし 

宅地建物取引業の免許を受けないで、宅地建物取引業の営業(または表示行為・広告行為)を行なうことは、法律上禁止されている(宅地建物取引業法第 12 条)。これを無免許営業等の禁止という。具体的には次のとおり

1 )無免許営業の禁止(法第 12 条第 1 項)
宅地建物取引業を無免許で営むことは、宅地建物取引業法の免許制度の根本をゆるがす重大な違反行為である。
そのため、無免許の営業を行なった者には、宅地建物取引業法上の最も重い罰則として、 3 年以下の懲役または 100 万円以下の罰金(または両者の併科)が予定されている(法第 79 条第 2 号)。

2 )無免許の表示行為・広告行為の禁止(法第 12 条第 2 項)
無免許の者が実際に営業を行なわない場合(または営業が事後的に立証できない場合)であっても、無免許の者が看板等において宅地建物取引業者である旨を表示した場合(表示行為)や、無免許の者が宅地建物取引業を営む目的で広告をした場合(広告行為)については、そうした表示行為・広告行為そのものが宅地建物取引業法上の処罰対象とされる。
具体的には、そうした無免許の表示行為・無免許の広告行為を行なった者に対しては、 30 万円以下の罰金が予定されている(法第 82 条第 2 号)。

名義貸しの禁止

読み方:めいぎがしのきんし 

宅地建物取引業者が他人に名義を貸して営業(または表示行為・広告行為)を行なわせることは、法律上禁止されている(宅地建物取引業法第 13 条)。これを名義貸しの禁止という。
具体的には次のとおり。

1 )名義貸しによる営業の禁止
名義を貸して他人に営業させることは、宅地建物取引業法の免許制度の根本をゆるがす重大な違反行為である。
そのため、名義を貸した側には「名義貸しの禁止」の規定が適用され(法第 13 条第 1 項)、 3 年以下の懲役または 100 万円以下の罰金(または両者の併科)という重い罰則が予定されている(法第 79 条第 3 号)。

2 )名義貸しによる表示行為・広告行為の禁止
名義貸しによる営業については上記 1 )の罰則が適用されるが、実際に営業を行なわない場合(または営業が事後的に立証できない場合)であっても、看板における名義の使用(表示行為)や広告における名義の使用(広告行為)という事実があれば、そうした名義貸しによる表示行為・広告行為があったこと自体が宅地建物取引業法上の処罰対象になる。
具体的には、名義を貸して表示行為・広告行為を行なわせた側には、「名義貸しの禁止」の規定が適用され(法第 13 条第 2 項)、 30 万円以下の罰金が予定されている(法第 82 条第 2 号)。
ちなみに名義を借りた側に対する処罰については下記のとおり。
名義を借りて営業を行なった者が「無免許営業等の禁止」(法第 12 条第 1 項)に該当する場合には、 3 年以下の懲役または 100 万円以下の罰金(または両者の併科)という重い罰則が適用される(法第 79 条第 2 号)。
また名義を借りて表示行為・広告行為を行なった者が「無免許営業等の禁止」(法第 12 条第 2 項)に該当する場合には、 30 万円以下の罰金が予定されている(法第 82 条第 2 号)。

免許

読み方:めんきょ 

宅地建物取引業を営もうとする者は、都道府県知事または国土交通大臣に宅地建物取引業の免許を申請し、免許を受けることが必要である(宅地建物取引業法第 3 条)。
不正の手段で宅地建物取引業の免許を受けた者や、無免許で宅地建物取引業を営んだ者には、 3 年以下の懲役又は 100 万円以下の罰金という罰則が予定されている(法第 79 条第 1 号、第 2 号)。(詳しくは無免許営業等の禁止へ)
免許を受けるには、宅地建物取引業を営もうとする者(個人または法人)が、一定の不適格な事情(欠格事由)に該当しないことが要件とされている(法第 5 条第 1 項)。
この免許の欠格事由は、法律により詳細に規定されている(詳しくは免許の基準へ)
また宅地建物取引業の免許を受けるには、免許申請書および免許申請書の添付書類を都道府県知事または国土交通大臣に提出する必要があり、その記載事項等は詳細に法定されている(法第 4 条第 1 項、第 2 項、施行規則第 1 条の 2 )。
なお、宅地建物取引業の免許の有効期間は 5 年とされている(法第 3 条第 2 項)。
免許の有効期間の満了後、引き続き宅地建物取引業を営むためには、有効期間満了の日の 90 日前から 30 日前の期間内に免許の更新の申請書を提出する必要がある(法第 3 条第 3 項、施行規則第 3 条)。

免許換え

読み方:めんきょがえ 

宅地建物取引業者が事務所の新設・移転・廃止を行なうのに伴い、新たな免許権者より新規に免許を受け、従前の免許が失効すること。
宅地建物取引業者は一つの都道府県内に事務所を設置する時はその都道府県知事より免許を受け、二以上の都道府県で事務所を設置する時は、国土交通大臣より免許を受ける。
(詳しくは免許の申請へ)
しかし、既に免許を受けている宅地建物取引業者が、事務所を新設・移転・廃止しようとする場合には、事務所の所在地である都道府県が変更されることにより、新規に免許を受ける必要が生じることがある。このような免許の新規取得は「免許換え」と呼ばれている。具体的には次のとおり。

1 )免許換えが必要となる場合
次の 3 種類のケースである(宅地建物取引業法第 7 条)

ア:国土交通大臣免許から都道府県知事免許への免許換え
例えば東京と大阪に事務所を設けていた宅地建物取引業者が、大阪の事務所を廃止する場合には、国土交通大臣免許から東京都知事免許への免許換えが必要である。

イ:都道府県知事免許から国土交通大臣免許への免許換え
例えば大阪にのみ事務所を設けていた宅地建物取引業者が、東京にも事務所を新設する場合には、大阪府知事免許から国土交通大臣免許への免許換えが必要である。

ウ:都道府県知事免許から別の都道府県知事免許への免許換え
例えば東京にのみ事務所を設けていた宅地建物取引業者が、東京の事務所を廃止し、大阪に事務所を新設する場合には、東京都知事免許から大阪府知事免許への免許換えが必要である。

2 )免許換えの申請に必要な書類
免許換えは、免許の新規取得と同一の扱いである。
従って免許換えの申請では、免許申請書、免許申請書の添付書類は、新規の免許取得の場合と同一である。
そのため、免許換えの申請をする際には、事務所の代表者の氏名、専任の宅地建物取引主任者の氏名、事務所の名称と所在地、事務所を使用する権原に関する書面、事務所の写真などをすべて申請・添付しなければならない。

3 )免許換えの申請の相手方
免許換えの申請をする相手方は、新たな免許権者とされている(従来は「従前の免許権者を経由して、新たな免許権者に申請する」とされていたが、平成 12 年に宅地建物取引業法施行規則第 4 条の 5 が改正されたことにより、現在では「直接新たな免許権者に申請する」こととされている)。新たな免許権者は、免許を与えた場合には、従前の免許権者に遅滞なく通知する(施行規則第 4 条の 5 )。
例えば、ある宅地建物取引業者(東京都知事免許)が東京都の事務所を廃止して、大阪府に事務所を新設する場合には、その宅地建物取引業者は直接大阪府知事に対して免許換えの申請をする(大阪府知事は新たな免許を与えた場合には、遅滞なくその旨を従前の免許権者である東京都知事に通知する)。

4 )新たな免許の有効期間
免許換えにより取得した新たな免許の有効期間は、新たな免許を受けた時から 5 年間である(従前の免許の残存有効期間が満了した時から 5 年間ではない)。
新たな免許が与えられた時点で、従前の免許は自動的に失効する(法第 7 条第 1 項本文)。

5 )他の届出との関係
免許換えの申請により新たな免許を取得する場合には、従前の免許に関する廃業等の届出(法第 11 条)は不要。従前の免許に関する宅地建物取引業者名簿の登載事項の変更の届出(法第 9 条)も不要である。

免許権者 

読み方:めんきょけんじゃ 

宅地建物取引業の免許を与える権限を持つ行政機関のこと(宅地建物取引業法第 3 条第 1 項)。
免許権者は、宅地建物取引業を営もうとする者が設置する事務所の所在地より異なる。

1 )同一の都道府県内に事務所を設置しようとするとき
この場合、免許権者は「都道府県知事」である。
例えば、東京都内に本店と宅地建物取引業を営業する支店を設置して、宅地建物取引業を営もうとする場合には、免許権者は「東京都知事」である。

2 ) 2 以上の都道府県内に事務所を設置しようとするとき。
この場合、免許権者は「国土交通大臣」である。
例えば、大阪府内に本店を設置し、東京都内に宅地建物取引業を営業する支店を設置して、宅地建物取引業を営もうとする場合には、免許権者は「国土交通大臣」である。(ただし実際の免許申請手続では、大阪府知事を経由して国土交通大臣に免許を申請する)
なお、都道府県知事から免許を受けた宅地建物取引業者を「知事免許」、国土交通大臣から免許を受けた宅地建物取引業者を「大臣免許」と呼ぶことがある。

免許申請書

読み方:めんきょしんせいしょ 

宅地建物取引業の免許を受けようとする者が、国土交通大臣または都道府県知事に提出する申請書のこと。免許申請書の様式は、宅地建物取引業法施行規則の様式第 1 号で定められている(施行規則第 1 条)。
免許申請書に記載すべき事項は次のとおりである(宅地建物取引業法第 4 条第 1 項)。

1 )商号または名称 (第 4 条第 1 項第 1 号)
2 )法人である場合においてはその役員の氏名、事務所の代表者の氏名 (第 4 条第 1 項第 2 号、施行令第 2 条の 2 )
3 )個人である場合においてはその者の氏名、事務所の代表者の氏名 (第 4 条第 1 項第 3 号、施行令第 2 条の 2 )
4 )事務所の名称および所在地 (第 4 条第 1 項第 4 号)
5 )事務所ごとに置かれる専任の宅地建物取引主任者の氏名 (第 4 条第 1 項第 5 号)
6 )他に事業を行なっているときは、その事業の種類 (第 4 条第 1 項第 6 号)

免許申請書の添付書類

読み方:めんきょしんせいしょのてんぷしょるい 

宅地建物取引業を営もうとする者が、宅地建物取引業の免許を申請する場合には、次の書類を免許申請書に添付しなければならないとされている(宅地建物取引業法第 4 条第 2 項)。

1 )宅地建物取引業経歴書 (法第 4 条第 2 項第 1 号)
2 )免許の欠格事由(法第 5 条第 1 項各号の事由)に該当しないことを誓約する書面 (法第 4 条第 2 項第 2 号)
3 )事務所について専任の宅地建物取引主任者の設置義務を満たしていることを証する書面 (法第 4 条第 2 項第 3 号)
4 )免許申請者(法人の場合は役員(相談役、顧問含む))、事務所の代表者、専任の宅地建物取引主任者が、成年被後見人および被保佐人に該当しない旨の登記事項証明書。これらの者が禁治産者、準禁治産者、破産者で復権を得ない者に該当しない旨の市町村の長の証明書 (施行規則第 1 条の 2 第 1 号、第 1 号の 2 )
5 )法人である場合において、相談役および顧問の氏名と住所、発行済株式総数の 100 分の 5 以上の株式を有する株主または出資額の 100 分の 5 以上の額に相当する出資をしている出資者の氏名(名称)と住所、およびその株式の数またはその出資の金額を記載した書面 (施行規則第 1 条の 2 第 2 号)
6 )事務所を使用する権原に関する書面(施行規則第 1 条の 2 第 3 号)
7 )事務所付近の地図および事務所の写真(施行規則第 1 条の 2 第 4 号)
8 )免許申請者、事務所の代表者、専任の宅地建物取引主任者の略歴を記載した書面 (施行規則第 1 条の 2 第 5 号)
9 )法人である場合においては、直前 1 年の各事業年度の貸借対照表および損益計算書 (施行規則第 1 条の 2 第 6 号)
10 )個人である場合においては、資産に関する調書 (施行規則第 1 条の 2 第 7 号)
11 )宅地建物取引業に従事する者の名簿 (施行規則第 1 条の 2 第 8 号)
12 )法人である場合においては法人税、個人である場合においては所得税の直前 1 年の各年度における納付すべき額および納付済額を証する書面 (施行規則第 1 条の 2 第 9 号)
13 )法人である場合においては、登記簿謄本(施行規則第 1 条の 2 第 10 号)
14 )個人である場合においては、住民票抄本またはこれに代わる書面(施行規則第 1 条の 2 第 11 号)

免許の基準 

読み方:めんきょのきじゅん 

宅地建物取引業を営もうとする者(個人または法人)が、宅地建物取引業の免許を申請した場合には、国土交通大臣または都道府県知事は、一定の事由に該当する場合には、免許を与えることができないとされている(宅地建物取引業法第 5 条第 1 項)。具体的には次のとおりである。
<なお下記 5 ・ 6 ・ 11 の「役員」の定義は役員(免許の基準における〜)を参照のこと>

1 )免許申請書等で、重要な事項の虚偽記載等がある場合
宅地建物取引業を営もうとする者が提出した免許申請書や免許申請書の添付書類において、重要な事項について虚偽の記載があり、または重要な事実の記載が欠けている場合には、免許を与えることができない(法第 5 条第 1 項本文)。

2 )専任の宅地建物取引主任者の設置義務を満たさない者
宅地建物取引業を営もうとする者が、その事務所に関して宅地建物取引主任者の設置義務を満たさない場合には、免許を与えることができない(法第 5 条第 1 項第 9 号)。

3 )成年被後見人、被保佐人、復権を得ない破産者
宅地建物取引業を営もうとする個人が、成年被後見人、被保佐人、破産者で復権を得ないものであるときは、免許を与えることができない(法第 5 条第 1 項第 1 号)。

4 )一定の事情で免許の取消しをされてから 5 年を経過しない者
宅地建物取引業を営もうとする個人が、次のア・イ・ウの事情により免許を取消されてから 5 年を経過しない者であるときは、免許を与えることができない(法第 5 条第 2 号)。

ア:不正の手段により免許を受けたために、免許を取消された者(法第 66 条第 1 項第 8 号)
イ:業務停止処分に該当する行為<法第 65 条第 2 項の行為>を行ない、特に情状が重いために、免許を取消された者(法第 66 条第 1 項第 9 号)
ウ:業務停止処分を受けて、業務停止処分に違反したために、免許を取消された者(法第 66 条第 1 項第 9 号)

5 )免許の取消しをされた法人の役員であった者で、法人の免許の取消しから 5 年を経過しない者
宅地建物取引業を営んでいた法人が、上記 4 )のア・イ・ウの事情により免許の取消しを受けた場合において、聴聞の公示の日(免許取消し処分に係る聴聞の日時・場所が公示された日)の 60 日前以内にその法人の役員(注)であった者は、法人の免許の取消しから 5 年を経過しない場合には、個人として免許を受けることができない(法第 5 条第 1 項第 2 号)。(詳しくは免許の基準(役員の連座)へ)

6 )一定の時期に廃業・解散等した個人(または法人の役員)で、廃業の届出等から 5 年を経過しない者
これは免許取消し処分が下されることを回避するために、廃業・解散等してしまった場合を指している(法第 5 条第 1 項第 2 号の 2 、第 2 号の 3 )。(詳しくは免許の基準(廃業等)へ)

7 )刑事罰の執行を終えてから 5 年を経過しない者等
免許を取得しようとする個人が、過去に一定の刑事罰を受けた経歴がある場合には、原則として刑の執行を終えてから 5 年間は、免許を受けることができない。(詳しくは免許の基準(刑事罰)へ)

8 )免許の申請前 5 年以内に、宅地建物取引業に関し不正または著しく不当な行為をした者 (法第 5 条第 1 項第 4 号)

9 )宅地建物取引業に関し不正または不誠実な行為をするおそれが明らかな者 (法第 5 条第 1 項第 5 号)

10 )営業に関し成年者と同一の能力を有しない未成年者で、その法定代理人が上記 3 )から 9 )のいずれかに該当するもの (法第 5 条第 1 項第 6 号)
未成年者は、婚姻をした場合(離婚後を含む)または営業の許可を受けた場合には、成年者と同一の能力を有することとなり、法定代理人の同意なくして有効に法律行為を行なうことが可能になる。しかし未婚かつ営業許可のない未成年者は法定代理人の同意を必要とする(詳しくは未成年者へ)。そこでこうした未成年者については法定代理人が上記 3 )から 9 )の欠格事由に該当しないことが要求されている。

11 )法人が免許を取得しようとする場合に、その役員(注)のうちに、上記 3 )から 9 )までのいずれかに該当する者があるもの (法第 5 条第 1 項第 7 号)

12 )法人が免許を取得しようとする場合に、その事務所の代表者のうちに、上記 3 )から 9 )までのいずれかに該当する者があるもの (法第 5 条第 1 項第 7 号)

13 )個人が免許を取得しようとする場合に、その事務所の代表者のうちに上記 3 )から 9 )までのいずれかに該当する者のあるもの (法第 5 条第 1 項第 8 号)

(注)上記 5 )・ 6 )・ 11 )における役員は、実質的な支配力を有する者を含む広い概念である。詳しくは役員(免許の基準における〜)を参照のこと。
免許の基準(刑事罰) 

読み方:めんきょのきじゅん(けいじばつ) 

宅地建物取引業を営もうとする者(個人または法人)が、宅地建物取引業の免許を申請した場合には、一定の事由に該当する場合には、免許を与えることができない(宅地建物取引業法第 5 条第 1 項:免許の基準)。
このような免許の欠格事由のひとつとして、免許を取得しようとする個人が、過去に一定の刑事罰を受けた経歴がある場合には、原則として刑の執行を終えてから 5 年間は、免許を受けることができないとされている(法第 5 条第 1 項第 3 号)。具体的には次のとおりである。

1 )禁固以上の刑を受けた場合(法第 5 条第 1 項第 3 号)
刑罰には重い順に「死刑、懲役、禁固、罰金、拘留、科料」があるとされている(詳しくは自由刑、財産刑へ)。なお行政法規違反に対する「過料」は刑罰ではない
宅地建物取引業法では「禁固以上の刑を受けた場合には、刑の執行を終わった日(または刑の執行を受けることがなくなった日)から 5 年間は、免許を受けることができない」旨を定めている(法第 5 条第 1 項第 3 号)。
従って「死刑、懲役、禁固」の刑を受ければ、その罪名に関係なく、原則として刑の執行を終わった日から 5 年間は免許の欠格事由に該当することとなる。

2 )一定の犯罪について罰金刑を受けた場合(法第 5 条第 1 項第 3 号の 2 )
暴力や背任などの犯罪については、罰金刑であっても、刑の執行を終わった日(または刑の執行を受けることがなくなった日)から 5 年間は、免許を受けることができない(法第 5 条第 1 項第 3 号の 2 )。具体的には次の4種類の犯罪である。

A :「宅地建物取引業」への違反に対する罰金の刑
B :「傷害罪・暴行罪・脅迫罪・背任罪・傷害助勢罪・凶器準備集合罪」に対する罰金の刑
C :「暴力行為等処罰に関する法律」への違反に対する罰金の刑
D :「暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律」への違反に対する罰金の刑

3 )「刑の執行を終わった日から 5 年間」の意味
懲役と禁固の場合は、刑は監獄で執行することとされているので、「刑の執行を終わった日」とは監獄から出獄した日である。この日から 5 年間は宅地建物取引業の免許を受けることはできない。
罰金の場合は、金銭を納付することが執行にあたるので、「刑の執行を終わった日」とは罰金を納付した日である。この日から 5 年間は宅地建物取引業の免許を受けることはできない。

4 )「刑の執行を受けることがなくなった日から 5 年間」の意味
これは「仮出獄における残刑期満了の日から 5 年間」という意味である。
仮出獄(いわゆる仮出所)とは、有期刑では刑期の 3 分の 1 (無期刑では 10 年)を経過したときに地方更正保護委員会の処分により仮に出獄することをいう。
仮出獄の場合には、仮出獄を取消されることなく、残りの刑期を無事に経過すれば、刑の執行が終了したものとなる。従って仮出獄の場合は、「刑の執行を受けることがなくなった日から 5 年間」とは「残刑期がすべて終了した日から 5 年間」という意味である。

5 )執行猶予の場合
執行猶予とは、刑の言い渡しをした場合に、情状等を考慮して、刑の執行を一定期間猶予することである。執行猶予期間が無事終了したときは、刑の言い渡しそのものが失効する。
つまり執行猶予の場合は、執行猶予期間が経過すれば、犯罪そのものが消滅することとなる。従って執行猶予期間が経過すれば、その翌日から宅地建物取引業の免許を受けることが可能となる。

6 )恩赦の場合
大赦・特赦の場合には、刑の言い渡しそのものが失効するので、上記 5 )の執行猶予と同じ結論となる。

7 )時効の場合
時効(公訴時効)とは、犯罪行為が終わったときから一定期間が経過することにより、刑事訴訟を提起することができなくなるという制度である。
そのため、時効が完成した日が「刑の執行を受けることがなくなった日」に該当すると解釈されている。従って、時効完成の日(=刑の執行を受けることがなくなった日)から 5 年間は免許を受けることができない。

免許の基準(廃業等) 

読み方:めんきょのきじゅん(はいぎょうとう) 

宅地建物取引業を営もうとする者(個人または法人)が、宅地建物取引業の免許を申請した場合には、一定の事由に該当する場合には、免許を与えることができない(宅地建物取引業法第 5 条第 1 項:免許の基準)。
この免許の欠格事由のひとつとして、過去に免許の取消しをされた個人や法人の役員(注 1 )については、 5 年間は個人として免許を受けることができないとされている(法第 5 条第 1 項第 1 号、第 2 号)。(役員の場合に関して詳しくは免許の基準(役員の連座)へ)
しかしこの法第 5 条第 1 項第 1 号および第 2 号の規定では、聴聞の公示の日以降に宅地建物取引業自体を廃業し、または法人自体を解散または合併により消滅させて、免許取消し処分を不当にまぬがれた個人や法人が対象外とされてしまう。
そこで法第 5 条第 1 項第 2 号の 2 および第 2 号の 3 では、こうした不当な廃業・解散・合併消滅についても、免許の欠格事由に該当することとしている。具体的には次のとおり。

1 )対象となる個人または法人
次のア・イ・ウに該当する悪質な違反行為を犯し、免許取消し処分に係る聴聞の日時・場所が公示された個人または法人が対象となる。

ア:不正の手段により免許を受けたこと(法第 66 条第 1 項第 8 号)、
イ:業務停止処分に該当する行為 < 法第 65 条第 2 項の行為 > を行ない、特に情状が重いこと(法第 66 条第 1 項第 9 号)
ウ:業務停止処分を受けて、業務停止処分に違反したこと(法第 66 条第 1 項第 9 号)

2 )対象となる廃業・解散・合併消滅
次のように聴聞の公示日以降における廃業の届出・解散の届出・合併消滅が対象となる

【注:●廃業の届出、解散の届出、合併による消滅について相当の理由がある場合には、免許の欠格事由とならない。(例えば個人が重病で廃業するなど)

●聴聞公示日以降に、破産した場合には、免許の欠格事由とならない。これは免許取消し処分を免れるために故意に破産することは通常考えにくいという理由にもとづく。

●聴聞公示より前に、廃業の届出、解散の届出、合併による消滅がなされた場合には、個人・法人役員について免許の欠格事由が生じることはない。法第 5 条第 1 項第 2 号の 2 および第 2 号の 3 は、聴聞公示がなされた場合に適用される規定であり、聴聞公示がなされないならば適用されないからである。】

A :個人の廃業の届出
上記 1 )のア・イ・ウに該当する個人が、免許取消し処分に関する「聴聞の日時及び場所」が公示された日以降、免許取消し処分の日(または処分しないことが決定された日)までの期間内に、宅地建物取引業の廃止の届出(法第 11 条第 4 号)を提出したこと。
この場合には、廃業の届出から 5 年間、その個人に免許の欠格事由が生じる。

B :法人の廃業の届出
上記 1 )のア・イ・ウに該当する法人が、免許取消し処分に関する「聴聞の日時及び場所」が公示された日以降、免許取消し処分の日(または処分しないことが決定された日)までの期間内に、宅地建物取引業の廃止の届出(法第 11 条第 4 号)を提出したこと。
この場合には、「聴聞の日時及び場所」が公示された日の 60 日前以降にその法人の役員(※)であった者に免許の欠格事由が生じる。(これは、宅地建物取引業の違反行為から聴聞公示日までの期間内に役員を辞職して逃れようとする役員を捕捉するための役員連座規定である)
その役員に関して免許の欠格事由が生じる期間は「廃業の届出から 5 年間」である。(「役員辞職から 5 年間」ではないことに注意)

※宅地建物取引業法第 5 条第 1 項(免許の基準)における「役員」とは、その名称の如何を問わず、実質的な支配力を有する者を含むという幅広い概念とされている。(詳しくは役員(免許の基準における〜)を参照のこと)

C :法人の解散の届出
これは上記Bの「宅地建物取引業の廃止の届出(法第 11 条第 4 号)」を「法人の解散の届出(法第 11 条第 5 号)」に置き換えただけで、それ以外は全く同じである。
その役員に関して免許の欠格事由が生じる期間は「解散の届出から 5 年間」である。

D :法人の合併による消滅
これも上記Bの「宅地建物取引業の廃止の届出(法第 11 条第 4 号)」を「法人の合併による消滅」に置き換えたものである。
ただし、その役員に関して免許の欠格事由が生じる期間は「合併による消滅から 5 年間」である(「合併による消滅の届出から5年間」ではないことに注意)。

以上のように、聴聞公示後になされた不当な廃業の届出・解散の届出・合併消滅については、届出または合併消滅から 5 年間にわたり免許の欠格事由が生じることとされている。

免許の基準(役員の連座) 

読み方:めんきょのきじゅん(やくいんのれんざ) 

宅地建物取引業を営もうとする者(個人または法人)が、宅地建物取引業の免許を申請した場合には、国土交通大臣又は都道府県知事は、一定の事由に該当する場合には、免許を与えることができないとされている(宅地建物取引業法第 5 条第 1 項:免許の基準)。
この免許の欠格事由のひとつとして、一定の悪質な事情により過去に免許の取消しをされた法人において、一定期間内にその法人の役員であった者は、その法人の免許の取消しから 5 年を経過しない間は、個人として免許を受けることができないとされている(法第 5 条第 1 項第 2 号)。具体的には次のとおりである。

1 )役員の範囲について
役員とは、その名称の如何を問わず、実質的な支配力を有する者を含むという幅広い概念とされている。(詳しくは役員(免許の基準における〜)を参照のこと)

2 )過去における法人の免許の取消しの事由について
法人の免許が次のア・イ・ウに該当する悪質な事由によって取消されたことが要件である。

ア:法人が、不正の手段により免許を受けたために、免許を取消されたこと(法第 66 条第 1 項第 8 号)
イ:法人が、業務停止処分に該当する行為<法第 65 条第 2 項の行為>を行ない、特に情状が重いために、免許を取消されたこと(法第 66 条第 1 項第 9 号)
ウ:法人が、業務停止処分を受けて、業務停止処分に違反したために、免許を取消されたこと(法第 66 条第 1 項第 9 号)

3 )その法人の役員であった時期について
その法人の役員のすべてが法第 5 条第 1 項第 2 号の欠格事由に該当するわけでなく、次のAまたはBの時期にその法人の役員であった者だけが、法第 5 条第 1 項第 2 号の欠格事由に該当するとされている。

A :法人の免許が取消された時点
B :法人の免許の取消しに係る「聴聞の期日及び場所」が公示された日の前 60 日から、法人の免許の取消しまでの期間

このうち B は、宅地建物取引業の違反行為があってから、聴聞の公示までに役員を辞職して逃れようとする役員をも捕捉して対象にするという規定である。
なお、聴聞の公示日以降に宅地建物取引業を廃業しまたは法人を解散して、免許取消し処分を不当に免れようとする法人の役員についても同様の役員連座規定を設けている。
(詳しくは免許の基準(廃業等)へ)

免許の申請 

読み方:めんきょのしんせい 

宅地建物取引業を営むためには、宅地建物取引業の免許を国土交通大臣または都道府県知事に申請して免許を受けることが必要である(宅地建物取引法第 4 条)。

1 :免許の申請の方法
次の区分により都道府県知事または国土交通大臣に免許を申請する。

ア)ある一つの都道府県内に事務所を設置して、宅地建物取引業を営もうとするとき
この場合はその都道府県の知事に免許を申請する。例えば東京都内に本店と二つの支店を置く場合には、東京都知事に免許を申請し、東京都知事から免許を受ける。

イ)二つ以上の都道府県内に事務所を設置して、宅地建物取引業を営もうとするとき
この場合は、国土交通大臣から免許を受ける必要がある。ただし実際の免許申請手続は主たる事務所の所在地である都道府県の知事を経由して行なうこととされている(法第 4 条)。
例えば大阪府内に本店を置き、東京都内に支店を置く場合には、大阪府知事を経由して国土交通大臣に免許を申請し、国土交通大臣から免許を受ける。

2 :免許申請書
国土交通大臣または都道府県知事に提出する免許申請書には、商号や役員の氏名などを記載しなければならない(法第 4 条第 1 項)。(詳しくは免許申請書へ)

3 :免許申請書の添付書類
上記の免許申請書には、納税証明書、従業者名簿などの書類を添付しなければならない(法第 4 条第 2 項)。(詳しくは免許申請書の添付書類へ)

 ◇   行  ◇
役員(免許の基準における〜) 

読み方:やくいん(めんきょのきじゅんにおける〜) 

宅地建物取引業法第 5 条第 1 項(免許の基準)では、その事由に該当した場合には宅地建物取引業の免許を与えることができない事由を列挙している。これらの欠格事由における役員とは次の 1 および 2 の者を指しており、実質的に支配力を有する者を含む幅広い概念である。
1 :業務を執行する社員、取締役、執行役またはこれらに準ずる者
2 :相談役、顧問、その他いかなる名称を有する者であるかを問わず、法人に対し業務を執行する社員、取締役、執行役またはこれらに準ずる者と同等以上の支配力を有するものと認められる者
このように、名称の如何を問わず、宅地建物取引業を営む法人または個人に対して、実質的に支配力を有する者を、宅地建物取引業法第 5 条第 1 項(免許の基準)では「役員」と呼んでいる。
なお上記 2 の「同等以上の支配力」の認定に際しては、「名刺、案内状等に会長、相談役等の役職名を使用しているか否かが一つの基準となる」と説明されている(宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方「第 5 条第 1 項関係」より)。

マンション用語
 
  ◇   行  ◇
管理委託契約 

読み方:かんりいたくけいやく 

管理組合がマンション管理会社に対して、分譲マンションの管理を委託する契約のこと。
このとき、マンション管理会社がマンション管理法に定める「マンション管理業者」であるならば、次のことを行なう義務がある。

1 )マンション管理会社は、管理委託契約の締結前に一定の重要事項を説明しなければならない(マンション管理法第 72 条)
2 )マンション管理会社は、管理委託契約を締結する時に、一定の事項を記載した書面(通常は管理委託契約書)を遅滞なく交付しなければならない(マンション管理法第 73 条)

管理規約

読み方:かんりきやく 

区分所有法にもとづいて設定される、区分所有建物における区分所有者相互間の関係を定めるための規則のこと。
区分所有法では単に「規約」と呼んでいるが、一般的には「管理規約」と呼ばれている。
区分所有建物では、区分所有者の権利関係が複雑であり、また区分所有者の共同の利益を害するような行為を排除する必要がある。このため、詳細な規則である「管理規約」を区分所有者自身が設定することが、区分所有法によって事実上義務付けられているのである。
管理規約を設けるためには、区分所有者の集会において、特別決議(区分所有者の 4 分の 3 以上かつ議決権の 4 分の 3 以上)により可決する必要がある(区分所有法第 31 条)。
管理規約で定めるべき事柄には、区分所有法上の制約は特にないので、区分所有者の意思によりさまざまな事項を定めることが可能である(区分所有法第 30 条)。
一般的には、次のような事柄について管理規約で定めることが多い(下記 1 )から 7 )は平成 9 年に建設省(現・国土交通省)が定めたガイドラインである「中高層共同住宅標準管理規約」から抜粋した)。

1 )敷地、建物、付属施設の範囲
2 )共用部分の範囲
3 )敷地・付属施設・共用部分に関する各区分所有者の持つ共有持分の割合
4 )専用使用権の範囲
5 )敷地利用権と専有部分の分離処分の可否
6 )使用細則(使用に関する詳細な規則)の設定
7 )管理、管理組合、集会、理事会、会計等に関する事項

なお、管理規約は集会の特別決議で設定されるべきものであるが、次の 4 つの事項に限っては、マンション分譲業者が最初にマンションの全部を所有している時点において公正証書で定める場合に限り、集会を経ずに、マンション分譲業者が単独で管理規約を設定することができるとされている(区分所有法第 32 条)。

1 )規約敷地
2 )規約共用部分
3 )敷地利用権の共有持分の割合
4 )専有部分と敷地利用権の分離処分の可否

管理規約の変更 

読み方:かんりきやくのへんこう 

分譲マンションなどの区分所有建物では、管理組合は、区分所有者どうしの関係を定めるルールである管理規約を設定する。
この管理規約を設定するためには、集会における特別決議(すなわち区分所有者数の 4 分の 3 以上かつ議決権の 4 分の 3 以上の賛成)で可決する必要がある。
このようにして特別多数により決議されて設定された管理規約であっても、時代の変化や入居者の状況の変化に応じて、内容を変更する必要に迫られる場合がある。特に最近ではペット飼育が一般化しつつあるため、管理規約の変更が議論されることが多くなっている。
このような管理規約の変更について、区分所有法では次の 2 つの要件を定めている。

1 )管理規約を変更するには、区分所有者数及び議決権の各 4 分の 3 以上の多数によって集会で決議する必要がある(区分所有法第 31 条)。
2 )管理規約を変更しようとする場合に、その管理規約の変更が「一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすべきとき」は、その一部の区分所有者の承諾を得なければ、管理規約を変更することができない(区分所有法第 31 条)。

まず上記 1 )のように、管理規約の変更には 4 分の 3 以上の特別多数の賛成が必要である。
また、たとえ 4 分の 3 以上の賛成を得ることができたとしても、その管理規約の変更により、一部の区分所有者だけが不利益をうける可能性があるときは、上記 2 )によりその不利益をうけるであろう区分所有者の承諾を得なければ、管理規約を変更することはできない。
このように厳しい要件が定められているので、管理規約の変更には困難が伴うことが多い。
なお使用細則の変更については、原則として過半数の賛成で行なうことができるが、建物および敷地の管理に関する基本的な事項にかかわる部分の変更には 4 分の 3 以上の賛成が必要と考えられている(詳しくは使用細則へ)。

管理業務主任者 

読み方:かんりぎょうむしゅにんしゃ 

マンション管理法にもとづき、国土交通大臣が毎年実施する「管理業務主任者試験」に合格し、管理事務に関し 2 年以上の実務経験またはそれと同等以上の能力を有すると認められて、国土交通大臣の登録を受け、管理業務主任者証の交付を受けた者のことである(マンション管理法第 57 条、第 58 条、第 59 条、第 2 条)。
マンション管理業者は、その事務所ごとに、 30 の管理組合の事務を委託されるごとに 1 名の割合で、専任の管理業務主任者を置く義務がある(マンション管理法第 56 条)。
例えばあるマンション管理業者が 2 つの事務所を持ち、 A 事務所では 40 組合、 B 事務所では 10 組合の事務の委託を受けていたとすれば、 A 事務所で 2 名、 B 事務所で 1 名、計 3 名の専任の管理業務主任者を置く必要がある。
また、管理組合との間で、管理委託契約を締結する際には、マンション管理業者は、契約締結前の重要事項説明を管理業務主任者に行なわせる義務がある(マンション管理法第 72 条)。また契約成立時に交付する書面(通常は管理委託契約書を指す)には、管理業務主任者が記名押印する必要がある(マンション管理法第 73 条)。
さらにマンション管理業者は毎年、管理組合等に報告を行なう義務があるが、この際にも管理業務主任者によって報告を行なう必要がある(マンション管理法第 77 条)。

管理組合 

読み方:かんりくみあい 

分譲マンションなどの区分所有建物において、区分所有者が建物および敷地等の管理を行なうために区分所有法にもとづいて結成する団体のこと。(ただし区分所有法上では「管理組合」という言葉を使用せず、「区分所有者の団体」と呼んでいる)。
区分所有建物においては、区分所有者は区分所有法により、当然にこの「管理組合」に加入することとされているので、区分所有者の任意で管理組合から脱退することはできない(区分所有法第 3 条)。
このような管理組合は、集会(いわゆる管理組合の総会)を開き、管理に関するさまざまな事項を議決し、管理規約を定める。
また管理組合の通常業務を執行するために、管理規約にもとづいて複数の理事が選出され、この理事によって構成される理事会が業務を行なう。
また管理組合は、法人になることができる。法人になった管理組合は「管理組合法人」と呼ばれる。

管理組合総会

読み方:かんりくみあいそうかい 

→「集会」へ
管理組合法人 

読み方:かんりくみあいほうじん 

区分所有建物の管理組合は、区分所有者の数に関係なく(※)、集会の特別決議(区分所有者数および議決権の各 4 分の 3 以上)により、管理組合法人となることができる(区分区分所有法第 47 条第 1 項)。
管理組合法人は、名称に必ず「管理組合法人」という文字を使用し、その名称と事務所所在地、理事の住所氏名等を、登記所において登記する必要がある(区分所有法第 47 条第 1 項、第 48 条)。
管理組合法人の業務執行機関は理事である(区分所有法第 49 条第 1 項・第 2 項)。この理事は管理組合法人を代表する者であり、通常は管理組合の理事長が管理組合法人の理事に就任する。
従来は管理組合法人を設立するには、区分所有者数が 30 人以上であることが必要だったが、区分所有法が平成 14 年 12 月 11 日に改正・公布され、この 30 人以上という要件が撤廃された。この改正は公布日から 6 月以内に施行されることになっている。

管理者

読み方:かんりしゃ 

管理者とは、分譲マンションなどの区分所有建物において、区分所有者全員の代表者として、建物および敷地等の管理を実行する者のことである。
通常の場合、管理組合の理事長がこの「管理者」である。マンション管理会社はここで言う「管理者」ではない(ただし管理者は必ずしも管理組合の理事長である必要は無く、区分所有者以外の第三者でもよい)。
管理者は、通常の場合、管理規約の定めに従って、管理組合の理事会において、理事の互選により選ばれる(ただし区分所有法(第 25 条)上は別の選任方法でもよい)。
管理者は、区分所有者全員の代表者として、集会で決議された事項を実行し、また管理規約において与えられた職務権限を行使することができる(区分所有法第 26 条)。
管理者の職務としては次のものを挙げることができる。

1 )集会(管理組合の総会)の招集・議事運営・議事録作成 (区分所有法第 34 条・第 41 条・第 42 条)
2 )管理規約の保管と閲覧への対応(区分所有法第 33 条)
3 )義務違反者に対する訴訟の提起(区分所有法第 57 条から第 60 条)
4 )そのほか管理規約・使用細則で管理者の職務とされた事項(理事会の運営・日常的な業務の執行など)

管理費(賃貸物件の?) 

読み方:かんりひ(ちんたいぶっけんの?) 

賃貸マンション・アパート、貸家において、借主が貸主に対して毎月支払う金銭であって、賃貸物件の管理のために必要とされる費用のこと。
「共益費」と呼ばれることもある。

管理費(分譲マンションの〜) 

読み方:かんりひ(ぶんじょうまんしょんの〜) 

分譲マンションにおいて、区分所有者が管理組合に対して毎月納入する金銭であって、共用部分や建物の敷地などの管理に要する経費に当てるために消費される金銭のこと。
具体的には、管理会社に対する管理委託費や管理組合の運営費用などの経費に充当される。

議決権

読み方:ぎけつけん 

区分所有法の第 39 条によれば、管理組合の集会において通常の議案を議決する場合には、「区分所有者の過半数」かつ「議決権の過半数」の賛成で可決することができる。(「普通決議」「特別決議」参照)
ここでいう「議決権」とは、原則として各区分所有者の専有部分の割合を指している(区分所有法第 38 条)。
例えば、ある区分所有建物の専有部分の面積の合計が 1,000 平方メートルの場合に、ある区分所有者の専有部分の面積が 70 平方メートルであるならば、その区分所有者の議決権は「 1,000 分の 70 」となるのが原則である(区分所有法第 38 条・第 14 条第 1 項)。
ただし管理規約の定めによって、これとは異なる割合で、議決権を定めることも可能である(区分所有法第 38 条)。

義務違反者に対する措置(区分所有法における〜) 

読み方:ぎむいはんしゃにたいするそち(くぶんしょゆうほうにおける〜) 

分譲マンションなどの区分所有建物では、区分所有法の規定により、区分所有者等は、区分所有者全体の「共同の利益」に反する行為をすることが禁止されている(区分所有法第 6 条)。
このような共同の利益を守るために、区分所有法では「義務違反者に対する措置」という条項を設けている。その内容は次の A ・ B のとおりである。

A )区分所有者が共同の利益に反する行為をする場合
この場合には次の 3 つの措置が用意されている。

1 )行為の停止等の請求(区分所有法第 57 条)
ある区分所有者が、共同の利益に反する行為をした場合(またはそのおそれがある場合)には、他の区分所有者は、その行為の停止(またはその行為の結果の除去や、その行為を予防するために必要な措置を行なうこと)を、その区分所有者に請求できる。
これは、迷惑行為をする区分所有者に対して、他の区分所有者は誰でもその迷惑行為の停止等を請求できるという意味であるが、実際には管理規約の定めにより理事長が理事会の決議を経て、理事長からその区分所有者に対して正式に行為の停止等を要求することが多い。
なお、この行為の停止等を理事長等が裁判を起こして請求することも可能だが、裁判を起こす場合には、集会の普通決議が必要である。

2 )使用禁止の請求(区分所有法第 58 条)
共同生活上の障害が大きく、行為の停止等の請求では十分な効果が期待できない場合には、理事長等が裁判を起こして、迷惑行為をする区分所有者に対して専有部分の一定期間の使用禁止を請求することができる。
この使用禁止の請求をするには、かならず裁判を起こす必要があり、また裁判の提起には集会の特別決議(すなわち区分所有者数の 4 分の 3 以上かつ議決権の 4 分の 3 以上の賛成)が必要である。

3 )競売の請求(区分所有法第 59 条)
共同生活上の障害が非常に大きく、使用禁止の請求では十分な効果が期待できない場合には、理事長等が裁判を起こして、迷惑行為をする区分所有者の建物・土地に関する権利を、強制的に競売することができる。
この競売の請求をするには、かならず裁判を起こす必要があり、また裁判の提起には集会の特別決議(すなわち区分所有者数の 4 分の 3 以上かつ議決権の 4 分の 3 以上の賛成)が必要である。

B )区分所有者の同居人や賃借人が共同の利益に反する行為をする場合
この場合には次の 2 つの措置が用意されている。

1 )行為の停止等の請求(区分所有法第 57 条第 4 項)
ある区分所有者の同居人や賃借人(区分所有法では「占有者:せんゆうしゃ」と言う)が、共同の利益に反する行為をした場合(またはそのおそれがある場合)には、 A の 1 の場合と同様に、他の区分所有者は、その行為の停止等を、その区分所有者に請求できる。
なお、この行為の停止等を理事長等が裁判を起こして請求することも可能だが、裁判を起こす場合には、集会の普通決議が必要である。

2 )占有者に対する引渡しの請求(区分所有法第 60 条)
共同生活上の障害が大きく、行為の停止等の請求では十分な効果が期待できない場合には、理事長等が裁判を起こして、迷惑行為をする占有者に対して、専有部分の引渡しを請求することができる。
この請求をするには、かならず裁判を起こす必要があり、また裁判の提起には集会の特別決議(すなわち区分所有者数の 4 分の 3 以上かつ議決権の 4 分の 3 以上の賛成)が必要である。
この請求が裁判で認められると、占有者はその専有部分から退去しなければならない。

規約

読み方:きやく 

→「管理規約」へ

共用部分 

読み方:きょうようぶぶん 

分譲マンションのような区分所有建物について、区分所有者が全員で共有している建物の部分を「共用部分」と言う。
その反対に各区分所有者がそれぞれ単独で所有している部分は「専有部分」と呼ばれる。
具体的には次の 3 つのものが「共用部分」である(区分所有法第 2 条)。

1 )その性質上区分所有者が共同で使用する部分(廊下、階段、エレベーター、エントランス、バルコニー、外壁など)
2 )専有部分に属さない建物の付属物(専有部分の外部にある電気・ガス・水道設備など)
3 )本来は専有部分となることができるが、管理規約の定めにより共用部分とされたもの(管理人室・集会室など)

このような 1 〜 3 の共用部分は、原則として区分所有者全員の共有である(区分所有法第 11 条)。
また共用部分は共有であるから、各区分所有者はそれぞれ共用部分に関する共有持分を持っていることになる。
この共有持分の割合は、原則として、専有部分の床面積(専有面積)の割合に等しい(区分所有法第 14 条)が、この割合は規約により変えることができる。
また区分所有者は、その共用部分の共有持分のみを自由に売却等することはできない(区分所有法第 15 条)。

区分所有

読み方:くぶんしょゆう 

分譲マンションのように、建物が独立した各部分から構成されているとき、その建物の独立した各部分を所有することを「区分所有」という。
「区分所有」が成立するためには、次の2つの条件を満たす必要がある(区分所有法第 1 条)

1 )構造上の独立性があること。
これは、建物の各部分が他の部分と壁等で完全に遮断されていることを指している。ふすま、障子、間仕切りなどによる遮断では足りない。

2 )利用上の独立性があること
これは、建物の各部分が、他の部分から完全に独立して、用途を果たすことを意味している。例えば居住用の建物であれば、独立した各部分がそれぞれひとつの住居として使用可能であるということである。
つまり構造上・利用上の独立性がある建物であれば、分譲マンションに限らず、オフィスビル・商業店舗・倉庫などでも区分所有が成立することができる。(詳しくは「区分所有建物」へ)

区分所有権

読み方:くぶんしょゆうけん 

分譲マンションのように独立した各部分から構成されている建物を「区分所有建物」と言う。
この区分所有建物において、建物の独立した各部分のことを「専有部分」と言う。
区分所有権とは、この専有部分を所有する権利のことである。(詳しくは「区分所有建物」参照)

区分所有者 

読み方:くぶんしょゆうしゃ 

分譲マンションのように独立した各部分から構成されている建物を「区分所有建物」と言う。
この区分所有建物において、建物の独立した各部分のことを「専有部分」と言う。
区分所有者とは、この専有部分を所有する者のことである。(詳しくは「区分所有建物」参照)

区分所有者数

読み方:くぶんしょゆうしゃすう 

分譲マンションなどの区分所有建物において、専有部分を所有している者のことを「区分所有者」という。
この区分所有者は管理組合を結成し、集会において管理規約を議決し、同じく集会においてさまざまな議案を議決することができる。
このように集会で議決を行なう場合には、通常の案件は普通決議で議決し、特別の案件は特別決議で議決することになるが、どちらの議決方法においても、「区分所有者数」のうちの一定以上の賛成が必要である。
ここでいう「区分所有者数」とは、次のような方法で求めた数である。

1 ) 1 人が 1 つの専有部分を 1 人で所有しているときは、「 1 」と数える
2 ) 1 人が 2 つの専有部分を 1 人で所有しているときは、「 1 」と数える
3 ) 2 人が 1 つの専有部分を共有しているときは、「 1 」と数える

例えばある分譲マンションに 4 つの専有部分があり、それぞれに 1 号室、 2 号室、 3 号室、 4 号室という名称がついており、 1 号室は A さんの所有、 2 号室と 3 号室は B さんの所有、 4 号室は夫婦( C さんと D さん)の共有であったとする。
このとき区分所有者数は、 A さんで「 1 」、 B さんで「 1 」、 C さんと D さんの夫婦で「 1 」と数えるので、区分所有者数はぜんぶで「 3 」となる。

区分所有建物 

読み方:くぶんしょゆうたてもの 

区分所有建物とは、構造上区分され、独立して住居・店舗・事務所・倉庫等の用途に供することができる数個の部分から構成されているような建物のことである。
区分所有建物となるためには次の 2 つの要件を満たすことが必要である。

1 )建物の各部分に構造上の独立性があること。
これは、建物の各部分が他の部分と壁等で完全に遮断されていることを指している。ふすま、障子、間仕切りなどによる遮断では足りない。

2 )建物の各部分に利用上の独立性があること
これは、建物の各部分が、他の部分から完全に独立して、用途を果たすことを意味している。例えば居住用の建物であれば、独立した各部分がそれぞれひとつの住居として使用可能であるということである。
上記 1 )と 2 )を満たすような建物の各部分について、それぞれ別個の所有権が成立しているとき、その建物は「区分所有建物」と呼ばれる。区分所有建物については、民法の特別法である区分所有法が適用される。
代表的なものとしては分譲マンションが区分所有建物である。しかし分譲マンションに限らず、オフィスビル・商業店舗・倉庫等であっても、上記 1 )と 2 )を満たし、建物の独立した各部分について別個の所有権が成立しているならば区分所有建物となる。
なお区分所有建物では、建物の独立した各部分は「専有部分」と呼ばれる。
またこの専有部分を所有する者のことを「区分所有者」と言う。
廊下・エレベータ・階段などのように区分所有者が共同で利用する建物の部分は「共用部分」と呼ばれ、区分所有者が共有する。
また建物の敷地も、区分所有者の共有となる(ただし土地権利が借地権である場合には「準共有」となる。このとき区分所有者が取得している敷地の共有持分は「敷地利用権」と呼ばれる。
従って区分所有建物においては、区分所有者は、専有部分の所有権、共用部分の共有持分、敷地の共有持分という 3 種類の権利を持っていることになる。

区分所有法 

読み方:くぶんしょゆうほう 

分譲マンションなどの区分所有建物に関する権利関係や管理運営について定めた法律。
正式名称は「建物の区分所有等に関する法律」と言う。「マンション法」と呼ばれることもある。
区分所有建物とは、分譲マンションのように独立した各部分から構成されている建物のことであり、通常の建物に比べて所有関係が複雑であり、所有者相互の利害関係を調整する必要性が高い。
このため昭和 37 年に民法の特別法として区分所有法が制定された。これにより、専有部分・共用部分・建物の敷地に関する権利関係の明確化が図られ、規約・集会に関する法制度が整備された。
その後、分譲マンションが急速に普及したことに伴って、分譲マンションの管理運営に関するトラブルが生じたり、不動産登記事務が煩雑になるなどの問題点が生じたので、昭和 58 年に区分所有法が大幅に改正された。
このときの改正点は、区分所有者が当然に管理組合を構成すること、集会での多数決主義の導入、建替え制度の導入、敷地利用権と専有部分の一体化などであった。
その後、平成 7 年の阪神淡路大震災により、被災マンションの建替えが問題となり、また老朽化したマンションの建替えや大規模修繕を円滑に行なうための法制度の不備が指摘されるようになった。
こうした点に対応するため、平成 14 年 12 月 11 日に区分所有法が改正・公布された(施行日は公布日から 6 ヵ月以内)。この改正により、建替えや大規模修繕の法律上の要件が緩和されることとなった。

  ◇   行  ◇
敷地利用権 

読み方:しきちりようけん 

分譲マンションのような区分所有建物において、区分所有者が持っている土地に関する権利のことを「敷地利用権」と言う(区分所有法第 2 条)。
区分所有建物では、その敷地は区分所有者全員の共有とされている。
従って、敷地利用権とは、区分所有者が持っている「土地の共有持分」と言い換えることができる。

敷地利用権と専有部分の一体化 

読み方:しきちりようけんとせんゆうぶぶんのいったいか 

分譲マンションなどの区分所有建物において、区分所有者が土地に関する権利と建物に関する権利を切り離して売却すること等が禁止されていることを指す。
分譲マンションなどの区分所有建物では、区分所有者は次の 3 つの権利を持っている。

1 )専有部分の所有権
2 )共用部分の共有持分
3 )土地の共有持分(これを敷地利用権という)

この 3 つの権利のうち、 1 )の専有部分の所有権と 3 )の敷地利用権を分離して処分することは、区分所有法により原則的に禁止されている(区分所有法第 22 条)。(なお 1 )と 2 )を分離することも区分所有法第 15 条により原則的に禁止されている)
ただし管理規約で区分所有法第 22 条とは異なる定めを置くこともできるが、通常は管理規約において「分離して処分してはならない」という定めを設けている。
この結果、例えばある区分所有者が、敷地利用権だけを第三者に売却しようとしても、区分所有法および管理規約の定めにより、売却することができないことになる。
またある区分所有者が、借入金の担保とするために、敷地利用権だけに抵当権を設定しようとしても、区分所有法および管理規約の定めにより、抵当権設定ができないことになる。
このような「敷地利用権と専有部分の一体化」は昭和 58 年の区分所有法の大改正により導入された制度である(施行は昭和 59 年 1 月 1 日)。
それ以前は、区分所有建物でも、建物の権利と土地の権利を別々に処分することが可能であったたため、分譲マンションの土地登記簿には、各住戸の売買や担保設定のたびに所有権移転登記や抵当権設定登記が記入された。
そのため住戸数が多い場合には、マンションの土地登記簿の記載内容が膨大となり、登記事務の煩雑化を招き、記載ミスや読み間違いが起きるという事態になっていた。
こうした問題に対処するため、「敷地利用権と専有部分の一体化」が導入された。これにより、敷地利用権が常に専有部分と一緒に売買等されることになったので、区分所有建物の建物登記簿のみに所有権移転登記等を記載し、土地登記簿にはこれらの登記を記載しない扱いとした(不動産登記法第 93 条の 4 「敷地権たる旨の登記」)。
こうして土地登記簿への記載が全面的に省略された結果、登記事務の大幅な簡略化が実現したのである。

集会(区分所有法における〜)

読み方:しゅうかい(くぶんしょゆうほうにおける〜) 

分譲マンションのような区分所有建物において、建物および敷地の管理に関する事項を決定するために、少なくとも年に 1 回以上開催される区分所有者の集会のこと。
区分所有建物では、区分所有者は管理組合の構成員となる。この区分所有者の全員が参加する意思決定機関が「集会」である。一般的には「管理組合総会」「管理組合集会」「総会」とも呼ばれるが、区分所有法では「集会」という名称を使用している。
区分所有法では、「管理者は、少なくとも毎年 1 回集会を招集しなければならない」と定めている(同法第 34 条第 1 項・第 2 項)。ここでいう管理者とは通常は、管理組合の理事長のことである。また年に 1 回以上定期的に開催される集会は、一般的には「通常総会」と呼ばれている。
この他に、特定の議案を審議するために区分所有者の一定数以上の請求により臨時的に集会を開催することも可能であり、こうした集会は「臨時総会」と呼ばれている(区分所有法第 34 条第 3 項から第 5 項)。
集会を開催する場合、管理者(理事長)は、開催日より 1 週間以上前に、開催日時・開催場所・議案の概要を各区分所有者に通知する必要がある(区分所有法第 35 条)。ただし区分所有者全員が同意した場合に限り、こうした招集手続を省略することも可能である(区分所有法第 36 条)。
集会が開催されると、原則として管理者(理事長)が議長となり、あらかじめ通知された議案が審議される。議案を議決する方法としては、普通決議と特別決議がある。
区分所有者は集会に自ら出席して、議案を審議するのが原則であるが、出席できない場合には、書面によって議決を行なうことができ、また代理人を選任して代理人を出席させることも可能である(区分所有法第 39 条第 2 項)。
書面による場合には、あらかじめ各議案についての賛成・反対の意見を表明した書面(議決権行使書という)を、管理者(理事長)に提出しておく。また代理人を選任する場合には、その代理人を選任したことを証明するための書面(委任状)を管理者(理事長)に提出する。
集会の議事の内容については、議長が議事録を作成しなければならない(区分所有法第 42 条)。この議事録は管理者(理事長)が保管し、関係者の請求があった時、管理者はいつでもこの議事録を閲覧させる必要がある(区分所有法第 42 条・第 33 条)。
このように集会は、区分所有者の最高の意思決定機関であるが、日常的な管理組合の運営については集会の下部機関として管理規約にもとづき「理事会」が組織されており、さまざまな業務を執行している。

修繕積立金 

読み方:しゅうぜんつみたてきん 

管理組合が長期修繕計画にしたがって修繕を実施するために、区分所有者から毎月徴収した金銭を積み立てたものである。
区分所有者は、管理組合に対して、通常、管理費と特別修繕費を納入するが、この特別修繕費を毎月積み立てたものが「修繕積立金」である。
この修繕積立金は、管理費と混同しないように、管理費とは別に経理することが管理規約において定められていることが多い。

小規模滅失 

読み方:しょうきぼめっしつ 

区分所有建物において、建物の価格の 2 分の 1 以下に相当する部分が、地震・火災等により滅失することを「小規模滅失」という。
詳しくは「復旧」へ

使用細則

読み方:しようさいそく 

分譲マンションのような区分所有建物において、管理規約にもとづいて設定される共同生活上の詳細なルールのことを「使用細則」と言う。
この使用細則は、区分所有者の集会において管理規約とは別途に作成される規則であり、共同生活において遵守すべきルールを詳細に定めるものである。
その内容は分譲マンションごとにさまざまであるが、一般的には概ね次のような事項が「使用細則」に規定されている。

1 )禁止される事項(物の放置・共用部分に係る工事など)
2 )管理組合に届出を必要とする事項(入居者の変更・専有部分の賃貸など)
3 )駐車場・駐輪場・専用庭の使用に関する事項
4 )ゴミ処理
5 )違反者に対する措置

なお、上記の事項の全部をひとつの使用細則で定める必要はなく、目的ごとに複数の使用細則を作ることも可能である(例えば全般的なルールについては「使用細則」、駐車場については「駐車場使用細則」を設けるなど)。
また、使用細則で規定されている事項は、多くの場合、共同生活のルールに関する事柄であるので、原則的には、集会の普通決議によって変更することが可能である(すなわち集会の特別決議を経る必要がない)。
ただし使用細則の変更が、管理規約の内容の変更に該当する場合や、建物・敷地の管理・使用に関する基本的事項の変更に該当する場合には、管理規約そのものの変更の手続を踏む必要がある。
従ってこうした場合には、集会の特別決議(区分所有者の 4 分の 3 以上かつ議決権の 4 分の 3 以上)が必要となる。
このように使用細則中の変更しようとする部分の性質によって、変更手続が大きく異なるので、注意したい。

専有部分 

読み方:せんゆうぶぶん 

分譲マンションなどの区分所有建物において、それぞれの区分所有者が単独で所有している建物の部分のことを「専有部分」と呼ぶ(区分所有法第 1 条・第 2 条)。
分譲マンションの場合で言えば、各住戸の内部が「専有部分」に該当する。
この反対に、区分所有建物において区分所有者が全員で共有している部分(例えば廊下・階段・バルコニーなど)は「共用部分」と呼ばれる。

専有面積 

読み方:せんゆうめんせき 

分譲マンションなどの区分所有建物において、それぞれの区分所有者が単独で所有している建物の部分のことを「専有部分」と呼ぶ(区分所有法第 1 条・第 2 条)。
この専有部分の床面積が「専有面積」である。
したがって専有面積とは「区分所有者が単独で所有している専有部分の床面積」のことであり、具体的には各住戸の内部空間の床面積を指している。
分譲マンションの販売広告では一般的に「専有面積 60 平方メートル、他にバルコニー 5 平方メートル」のように床面積を表示していることが多い。
バルコニーは専有面積から除外される扱いとなるが、これはバルコニーは一見それぞれの住戸に付属しているように見えるが、法律的にはバルコニーは「共用部分」とされているからである。
なお区分所有建物の場合、専有面積には「内法」と「壁心」という 2 種類の計算方法が存在し、両者の計算方法による専有面積の大きさは異なったものとなるので注意したい(詳しくは「専有面積の広告表示」へ)

専有面積の広告表示

読み方:せんゆうめんせきのこうこくひょうじ 

分譲マンションなどの区分所有建物の専有面積には 2 通りの計算方法が存在している。
1 つは、壁の厚みを考慮せず、壁の内側の部分の面積だけを床面積とする計算方法である(これを「内法(うちのり)」という)。
もう 1 つは、壁の厚みも加えて床面積を計算する方法である(これを「壁心(かべしん・へきしん)」という)。
建築基準法にもとづいて建築確認を申請する際には、建物の床面積は上記の「壁心」の考え方で計算する(建築基準法施行令 2 条 1 項 3 号)。
しかし不動産登記法にもとづいて区分所有建物を登記する場合には、上記の「内法」の考え方で床面積を計算することとされている(不動産登記法施行令第 8 条)。
このように専有面積には 2 通りの計算方法が存在し、混同しやすいので、不動産広告を規制する「不動産の表示に関する公正競争規約(表示規約)」では次のようなルールを設定している(表示規約第 15 条第 21 号)。

1 )新築マンションや中古マンションの販売広告では、原則的に「壁心による床面積」を広告に表示する必要がある。
2 )しかし中古マンションの広告では「内法による床面積」だけを表示することも許される
3 ) 2 )の場合には広告中に「登記面積」である旨を明記する必要がある。

従って、新築マンションの販売広告では上記 1) に従って「壁心」による床面積が表示されていることになる。
ただし「住宅ローン控除」をうける際には、マンションの専有面積が 50 平方メートル以上であることが必要とされているが、ここで言う専有面積とは「登記簿上の面積」であり、「内法」の面積のことである。
そのため新築分譲マンションを購入する際には、購入する前に、登記簿上の面積(すなわち「内法」の面積)が何平方メートルになるのかを販売不動産会社に確認しておくのが望ましい。

専用使用権

読み方:せんようしようけん 

区分所有建物における共用部分は、本来、各区分所有者が、通常の用法に従ってそれぞれ自由に使用することができる。敷地についても同様である。
しかし、次のいずれかの場合には、共用部分や敷地の使用を、特定の区分所有者または第三者だけに限定することが可能とされている。

1 )管理規約にその旨の定めがあるとき
2 )集会の決議があるとき
3 )共有者全員の同意があるとき

このようにして、特定の区分所有者又は第三者が、共用部分や敷地を排他的に使用できるとき、その使用の権利を「専用使用権」と呼ぶ。
具体的には、分譲マンションの1階の住戸に専用庭を設けるケースなどで、専用使用権が設定されることが多い。

専用庭 

読み方:せんようにわ 

分譲マンションにおいて敷地に設けられた庭やテラスであって、 1 階部分の区分所有者が排他的に使用できるもののこと。 1 階部分の区分所有者のために専用使用権が設定されていることが多い。
  ◇   行  ◇
大規模滅失

読み方:だいきぼめっしつ 

区分所有建物において、建物の価格の 2 分の 1 を超える部分が、地震・火災等により滅失することを「大規模滅失」という。
詳しくは「復旧」へ

建替え決議 

読み方:たてかえけつぎ 

分譲マンションのような区分所有建物について、建物が著しく老朽化した場合や地震による大きな被害を受けた場合などには、建物を元の状態に戻すことが難しいケースや、経済的に見て建物を元の状態に戻すよりも建物全部を建て替える方がメリットの大きいケースがある。
このため、区分所有法の規定では、区分所有者数の 5 分の 4 以上の賛成と議決権の 5 分の 4 以上の賛成による決議がある場合には、建物を取り壊し、新しい建物を新築することを可能にしている。
このように区分所有者の多数の意思により建物を建て替えるという決議のことを「建替え決議」と呼んでいる。
この建替え決議については、区分所有者全員に建替え計画を周知し、理解を促すために、次のような手続き規定が区分所有法に定められている(※)。

1 )建替え決議のための管理組合の集会を開くには、招集者(通常は理事長)は、その集会の日の少なくとも 2 月前までに集会の開催を区分所有者に通知しなければならない。(区分所有法第 62 条第 4 項)
2 )上記 1 )の通知においては、招集者は「建替えを必要とする理由」、「建替えをしないときに建物の効用を維持(または回復)するのに要する費用の額と内訳」などの事項を通知しなければならない(区分所有法第 62 条第 5 項)
3 )上記 2 )の通知事項について、招集者は、その集会の日の少なくとも 1 月前までに区分所有者に対する事前の説明会を開催して、説明しなければならない(区分所有法第 62 条第 6 項)
4 )建替えを決議する管理組合の集会では、新たに建築する建物の設計の概要・費用の概算額・費用の分担などもあわせて決議する必要がある(区分所有法第 62 条第 2 項)
5 )区分所有者数および議決権の各 5 分の 4 以上の賛成により、区分所有建物の建替えを決議する(区分所有法第 62 条第 1 項)。(この決議要件の詳細については「建替え決議の要件」を参照のこと)

なお建替え決議が可決された場合には、建替えに参加する区分所有者等は、参加しない区分所有者に対して、その権利を売り渡すよう請求することができる。これは建替えを円滑にすすめるために設けられた制度である(詳しくは「建替え参加の催告」へ)。
これらの手続規定は平成 14 年 12 月 11 日に改正・公布された規定であり、公布日から 6 ヵ月以内に施行される。

建替え決議の要件

読み方:たてかえけつぎのようけん 

分譲マンションのような区分所有建物について、建物が著しく老朽化した場合や地震による大きな被害を受けた場合などには、建物を元の状態に戻すことが難しいケースや、経済的に見て建物を元の状態に戻すよりも建物全部を建て替えるほうがメリットが大きいケースがある。
このため、区分所有法では、集会において「建替え決議」がなされた場合には、建物を取り壊し、新しい建物を新築することを可能としている。
このような「建替え決議」について、平成 14 年 12 月 11 日に区分所有法の規定が大幅に改正・公布された。この法改正により建替え決議の要件について、次のような内容で区分所有法が平成 14 年 12 月 11 日に改正・公布された。(施行日は公布日から 6 ヵ月以内の予定)

1 :建替え後の建物の敷地が、「建替え前の敷地と同一」または「建替え前の敷地の一部」または「建替え前の敷地の全部または一部を含む土地」であること
2 :集会において区分所有者数の 5 分の 4 以上の賛成と議決権の 5 分の 4 以上の賛成があること

つまり改正後には、老朽化の程度(新築後の経過年数)や、復旧工事にかかる費用の程度にかかわらず、区分所有者数及び議決権の各 5 分の 4 以上の賛成さえあれば、建替え決議ができるということである。
またその際、建物の敷地は同一でなくともよい(隣接地を含んでもよく、前の敷地の一部などでもよい)。また建物の主たる使用目的は変更してもよいので、例えば全戸が住居のマンションを取り壊し、商業店舗と住宅が複合したマンションに建替えることも可能である。
このように建替え決議の要件は、区分所有法改正により大幅に緩和されたので、今後分譲マンションの建替えが活発化することが期待されている。

建替え参加の催告 

読み方:たてかえさんかのさいこく 

分譲マンションなどの区分所有建物について、区分所有者数の 5 分の 4 以上かつ議決権の 5 分の 4 以上の賛成により、建物を取り壊し、新たな建物を新築することを決議することができる(詳しくは「建替え決議」へ)。
この決議がなされた場合に、決議に賛成しなかった区分所有者が、建替えに参加する意思があるかどうかを確認する手続として「建替え参加の催告」という手続が用意されている。
その概要は次の通りである。

1 )建替えが決議されたときは、集会の招集者(理事長)は、決議に賛成しなかつた区分所有者に対し、建替えに参加するか否かを書面で催告しなければならない
2 )この催告をうけた区分所有者は、催告を受けた日から 2 ヵ月以内に回答しなければならず、不参加を回答した者(および回答しなかった者)は、建替えに不参加となる
3 )上記の催告の回答期間の満了の日から 2 ヵ月以内に、建替え参加者等は、建替え不参加者に対して、建物の区分所有権および敷地利用権を「時価」で売り渡すように請求することができる
4 )ただし、建替え決議の日から 2 年以内に建物の取壊しの工事に着手しない場合には、建替え不参加者で建物の区分所有権および敷地利用権を売り渡した者は、 6 ヵ月以内にこれらの権利を買い戻すことを請求することができる(なお、工事着手の遅延に正当な理由があるときはこの限りでない)

こうした手続により、不参加者の権利を保護すると同時に、不参加者が建替えから早期に離脱することを促し、建替え手続の円滑化が図られている。
建物の区分所有等に関する法律 

読み方:たてもののくぶんしょゆうとうにかんするほうりつ 

→「区分所有法」へ
中高層共同住宅使用細則モデル

読み方:ちゅうこうそうきょうどうじゅうたくしようさいそくもでる 

分譲マンションのような区分所有建物において、管理規約にもとづいて設定される共同生活上の詳細なルールのことを「使用細則」という。
中高層共同住宅使用細則モデルとは、財団法人マンション管理センターが作成した使用細則のモデルのことである。この中高層共同住宅使用細則モデルは、分譲マンションの管理組合が使用細則を作成する際の有用な指針として、現在も幅広く活用されている。
中高層共同住宅使用細則モデルとしては、現在までに次の 8 種類が作成され、財団法人マンション管理センターのホームページ等で一般に公開されている。

1 )マンション使用細則
2 )専有部分の修繕等に関する細則
3 )専用庭使用細則
4 )駐車場使用細則
5 )自転車置場使用細則
6 )集会室使用細則
7 )ペット飼育細則例 1
8 )ペット飼育細則例 2

なおこの中高層共同住宅使用細則モデルは、国土交通省の中高層共同住宅標準管理規約を前提として作成されている。
中高層共同住宅標準管理委託契約書 

読み方:ちゅうこうそうきょうどうじゅうたくひょうじゅんかんりいたくけいやくしょ 

建設省(現国土交通省)により定められた、標準的な分譲マンションに関する管理委託契約書のひな型のこと。昭和 57 年に初めて作成され、平成 9 年に大幅に改訂された。
法的な強制力はないが、実際に広く利用されている。
また、マンション管理法ではマンション管理業者が管理委託契約を締結するにあたって、一定の事項を記載した書面(通常は管理委託契約書)を遅滞なく交付しなければならないと定めている(マンション管理法第 73 条)が、中高層共同住宅標準管理委託契約書は、このマンション管理法第 73 条による書面としても使用することができる。

中高層共同住宅標準管理規約 

読み方:ちゅうこうそうきょうどうじゅうたくひょうじゅんかんりきやく 

分譲マンションなどの区分所有建物における管理規約について一定のガイドラインを示すために、国土交通省(旧・建設省)が昭和 57 年に作成したマンション管理規約のモデルのこと。
現在は名称が変更され、「マンション標準管理規約」となっている。
(詳しくはマンション標準管理規約へ)

長期修繕計画 

読み方:ちょうきしゅうぜんけいかく 

分譲マンションの性能を維持し老朽化を防止するために、管理組合が作成する分譲マンションの長期的な修繕計画のことである。
長期修繕計画は、一般的に 10 年から 30 年程度の期間を対象として、マンションの各箇所に関する鉄部等塗装工事・外壁塗装工事・屋上防水工事・給水管工事・排水管工事などの各種の大規模修繕をどの時期に、どの程度の費用で実施するかを予定するものである。
平成 11 年度の建設省(現・国土交通省)の「マンション総合調査」によると、これらの大規模修繕のうち新築後 5 〜 6 年で実施率が高まるのが鉄部等塗装工事である。
また新築後 9 〜 10 年では外壁塗装工事と屋上防水工事の実施率が高まり、給水管工事・排水管工事は新築後 15 年以降に実施率が上昇する。
ただしマンションの建築・設備の仕様によってこれらの時期は大きく変化する。
長期修繕計画ではこうした大規模修繕の実施時期を定めるだけでなく、その費用についても収支計画を定めるのが望ましい。
大規模修繕の費用は原則として「修繕積立金」をとり崩すことでまかなわれる。またマンションの管理規約により「駐車場収入の剰余金」が「修繕積立金」に組み入れられる場合も多い。
しかしこれらの収入だけでは大規模修繕の費用をまかなうのに十分ではないケースが非常に多いので、各大規模修繕の実施時期において、費用の不足分を各戸から一時金として徴収することも計画に組み込んでおく必要がある。
このように長期修繕計画は、分譲マンションの管理運営上非常に重要な事項であるので、通常は管理規約において長期修繕計画の作成を管理組合に義務付けている場合が多い。
ちなみに、国土交通省が作成した管理規約のモデルである中高層共同住宅標準管理規約では、次のような旨の規定をもうけて、長期修繕計画の位置付けを明確化している。

1 )長期修繕計画の作成は、管理組合の業務である(単棟型規約第 31 条)
2 )管理組合の理事会は、長期修繕計画の案を作成する(単棟型規約第 52 条)
3 )長期修繕計画を作成するには、集会の決議を行なう必要がある(単棟型規約第 46 条)
4 )修繕積立金は、一定年数の経過ごとに計画的に行なう修繕などに限って支出することができる(単棟型規約第 27 条)

特別決議 

読み方:とくべつけつぎ 

分譲マンションのような区分所有建物において、管理組合の集会で議案を議決する際に、特に重要な議案について特別多数の賛成により可決することを「特別決議」という。
この特別決議を必要とする議案は、区分所有法により次の 8 種類が規定されている。

1 )管理規約の設定・変更・廃止(同法第 31 条)
2 )管理組合法人の成立(同法第 47 条)
3 )共用部分等の変更(同法第 17 条・第 21 条)
4 )大規模滅失における建物の復旧(同法第 61 条第 5 項)
5 )建物の建替え(同法第 62 条)
6 )専有部分の使用禁止の請求(同法第 58 条)
7 )区分所有権の競売の請求(同法第 59 条)
8 )占有者に対する引渡し請求(同法第 60 条)

上記の 8 種類のうち、「建物の建替え」を除く 7 種類については、特別決議を行なうための議決要件は、「区分所有者数の 4 分の 3 以上」かつ「議決権の 4 分の 3 以上」の賛成である。
ただし「共用部分等の変更」についてはこの議決要件を管理規約により「区分所有者数の過半数」かつ「議決権の 4 分の 3 以上」の賛成にまで緩和することができる。
また「建物の建替え」についての決議要件は「区分所有者数の 5 分の 4 以上」かつ「議決権の 5 分の 4 以上」の賛成である。

  ◇   行  ◇
標準管理規約 

読み方:ひょうじゅんかんりきやく 

→「中高層共同住宅標準管理規約」へ
復旧(区分所有法における〜) 

読み方:ふっきゅう(くぶんしょゆうほうにおける〜) 

区分所有建物が、地震・火災・爆発などにより損害をうけた場合に、その損害を受けた部分を元の建物の状態に戻すことをいう。
専有部分の損害については、区分所有法および民法によれば、各区分所有者が専有部分を単独で所有しているので、原則的には区分所有者が単独で(集会の決議等を経ないで)専有部分の復旧を行なうことができるのであるが、実際には管理規約の定めにより、専有部分を復旧するには理事長の承認等の手続を必要としているケースがほとんどである。なお専有部分の復旧工事にかかる費用は、その専有部分の区分所有者の自己負担となる。
次に、共用部分の損害については、「小規模滅失」と「大規模滅失」により取り扱いが異なる。

1 )小規模滅失の場合
損害を受けて効用を失った建物の部分(専有部分と共用部分の両方)の価格が、建物全体の価格の 2 分の 1 以下に相当する場合を「小規模滅失」という。
この小規模滅失の場合には、区分所有法の規定によれば、それぞれの区分所有者が単独で(集会の決議等を経ないで)、損害を受けた共用部分を復旧することができる(区分所有法第 61 条第 1 項)。しかし実際には、管理組合の集会の普通決議を経ることがほとんどである(区分所有法第 61 条第 3 項・第 4 項)。
共用部分の復旧工事にかかる費用は、共用部分の持分割合に応じて区分所有者全員が費用を分担する(区分所有法第 61 条第 2 項)。

2 )大規模滅失の場合
損害を受けて効用を失った建物の部分(専有部分と共用部分の両方)の価格が、建物全体の価格の 2 分の 1 を超える場合を「大規模滅失」という。
この場合には、復旧を行なうためには、区分所有者の集会の特別決議(区分所有者数の 4 分の 3 以上および議決権の各 4 分の 3 以上の賛成)により可決した場合にのみ、共用部分の復旧を行なうことができる(区分所有法第 61 条第 5 項)。
このように大規模滅失については、復旧にかかる費用が巨額であること、建物自体の建替えも検討する必要があること等により、特別多数の賛成が要件とされている。
なお、大規模滅失における復旧決議に賛成しなかった区分所有者は、復旧決議に賛成した区分所有者に対して、自己の所有する建物および敷地に関する権利を、時価で買い取るように請求することができる(区分所有法第 61 条第 5 項・第 8 項)。
これは復旧に参加する意思のない区分所有者がすみやかに区分所有建物の権利関係から離脱できるように配慮した規定である。
なお、上記の「小規模滅失」および「大規模滅失」のどちらについても、集会における区分所有者数の 5 分の 4 以上及び議決権の 5 分の 4 以上の賛成により、区分所有建物の「建替え決議」を可決して、建物全部を建て替えることも可能である(区分所有法第 62 条)

普通決議 

読み方:ふつうけつぎ 

分譲マンションのような区分所有建物において、管理組合の集会で議案を議決する際に、通常の議案について過半数の賛成により可決することを「普通決議」という。
この反対に、特に重要な議案について 4 分の 3 以上の賛成などの特別多数の賛成により可決することは「特別決議」と呼ばれる。
区分所有法では、「集会での議案の議決は、原則として区分所有者数の過半数及び議決権の過半数の賛成で可決する」という旨を定めている(区分所有法第 39 条第 1 項)。
従って、通常の議案については、区分所有者数の過半数と議決権の過半数の賛成があれば可決できることになり、こうした決議方法を「普通決議」と呼んでいるのである。
ただし実際には、管理組合の集会において、区分所有者の出席が少なく(かつ書面による権利行使や代理人の選任も行なわれず)、上記のような過半数の決議要件を満たすことが困難なケースもある。こうした場合に備えて、管理組合が管理規約において、普通決議の要件を「過半数」よりもあらかじめ緩和しておくことも可能とされている(区分所有法第 39 条第 1 項)。

  ◇   行  ◇
マンション 

読み方:まんしょん 

日本におけるマンションは、一般的には、鉄骨コンクリート造または鉄骨鉄筋コンクリート造で、 3 階建て以上の分譲共同住宅・賃貸共同住宅を指している。ただし賃貸共同住宅の場合には、 PC 造・重量鉄骨造であっても、マンションと呼ばれることがある。
本来、マンションは英語では「大邸宅」を指す。日本におけるマンションは欧米では「アパートメント」と呼ばれている。

マンション管理業

読み方:まんしょんかんりぎょう 

マンション管理法では、マンション管理業とは「管理組合から委託を受けて、業として分譲マンションの「管理事務」を行なうこと」であると定義している(同法第 2 条)。
ここで言う「管理事務」とは、「基幹事務」を含む場合だけを指すものとされている。(基幹事務とは「管理組合の会計及び出納」や「維持又は修繕に関する企画等」を言う)
このため、単に建物管理員業務や清掃業務だけを行なう場合は、上記の「基幹事務」を行なわないので、「管理事務」に該当しない。従って、マンション管理法上はマンション管理業に該当しないことになる。
なお、マンション管理業を行なう場合には、国土交通大臣への登録を行なう義務がある。この登録をしないでマンション管理業を行なった場合には、 1 年以下の懲役または 10 万円以下の罰金の対象となる。

マンション管理業者

読み方:まんしょんかんりぎょうしゃ 

マンション管理業を行なう者であって、国土交通大臣の登録を受け、マンション管理業者名簿に登録された者を「マンション管理業者」と言う(マンション管理法第 2 条第 8 号)。
マンション管理業者は、その事務所ごとに、 30 の管理組合の事務を委託されるごとに 1 名の割合で、専任の管理業務主任者を置く義務がある(マンション管理法第 56 条)。
マンション管理業者は、管理組合と管理委託契約を締結する際には、契約締結前の重要事項説明を管理業務主任者に行なわせる義務がある(マンション管理法第 72 条)。
また契約成立時に交付する書面(通常は管理委託契約書を指す)には、管理業務主任者が記名押印する必要がある(マンション管理法第 73 条)。
なお、マンション管理業者は毎年、管理組合等に報告を行なう義務がある(マンション管理法第 77 条)。

マンション管理士 

読み方:まんしょんかんりし 

マンション管理法にもとづき、国土交通大臣が毎年実施する「マンション管理士試験」に合格し、登録の手続を終えて、マンション管理士登録証の交付を受けた者のこと(マンション管理法第 2 条、第 31 条、第 8 条など)。
マンション管理士は、管理組合や区分所有者の相談を受け、助言・指導を行なうことができる(マンション管理法第 2 条)。

マンション管理法

読み方:まんしょんかんりほう 

マンションの管理の適正化を推進するために、マンション管理士の資格を創設し、マンション管理業者の登録を義務付け、管理業務主任者の設置義務を創設する法律のこと。
正式名称は「マンション管理の適正化の推進に関する法律」。平成 12 年 12 月 8 日に成立し、平成 13 年 8 月 1 日より施行されている。

マンション建替え円滑化法

読み方:まんしょんたてかええんかつかほう 

マンションの建替えを円滑化するために、 2002 年(平成 14 年) 12 月 18 日より施行されている新しい法律。正式名称は「マンションの建替えの円滑化等に関する法律」。

1 )法制定の背景
マンションの建替えについては、基本的な枠組みは「建物の区分所有等に関する法律(区分所有法)」で定められている。
しかし従来の区分所有法では、マンション建替え決議(区分所有法第 62 条第 1 項)の要件が不明確であった。
具体的には、旧区分所有法第 62 条では、建替えは「効用を維持し、又は回復するのに過分の費用を要するに至ったときは 5 分の 4 以上の多数決で」決議できる旨が規定されていた。このため「過分の費用」の解釈をめぐり紛争がたびたび生じていた。
そこで区分所有法は大改正され、 5 分の 4 以上の賛成があれば、その他の条件を問わずに建替え決議ができることになった。改正後の区分所有法は 2003 年 6 月 1 日から施行されている。
このような区分所有法の改正に合わせて、マンション建替えの方法を簡略化・合理化するための新法が制定される運びとなった。それがマンション建替え円滑化法である。

2 )円滑化法の基本的内容
円滑化法では、 ? マンション建て替えを実行するためのマンション建替組合の設立、 ? マンション建替組合の事業計画に対する都道府県知事の認可、 ? 権利変換手法の導入、 ? 建替組合以外の個人による建替え、を柱としている。

3 )組合による事業の実行
マンション建替え決議(改正区分所有法第 62 条第 1 項)に合意した者は、その 4 分の 3 以上の同意により、「マンション建替組合」を設立することができる(円滑化法第 9 条)。
建替え決議の合意者は全員がこの組合員となる(円滑化法第 16 条)。またディベロッパーが建替組合に参加することもできる(円滑化法第 17 条)。
さらに建替組合は、建替えに不参加の区分所有者に対して、その区分所有権と敷地利用権を建替組合に売り渡すように請求できる(円滑化法第 15 条)。これは区分所有法第 63 条の売渡し請求権を、建替組合が主体となって行使するための規定である。
このように円滑化法では建替組合による事業の実行を原則としている。マンション建替え事業の進行に伴い、従来のマンションを取り壊すため、その時点で従来の「マンション管理組合」は自動的に消滅してしまう。そこで建替えに参加する者だけで、先に「建替組合」を結成させて、その建替組合の主導のもとに建替え事業を進めようという趣旨である。

4 )組合の事業計画の認可
マンション建替組合の設立に先立って、建替組合は事業計画に関して都道府県知事の認可を得なければならない(円滑化法第 9 条)。
この知事による認可には政令基準が設定されており、再建後のマンションの住戸の広さが 50 平方メートル以上であること等が必要である(円滑化法第 12 条、同施行規則第 13 条から第 15 条)。

5 )権利変換手法の導入
マンション建替え事業の進行に伴い、従来のマンションを取り壊すため、従来のマンションの権利はいったん消滅し、再建後のマンションの権利を新規に取得することになる。
しかしこれでは手続きが煩雑であり、特に従来の区分所有権に付着していた抵当権の扱いが大きな問題になることが多かった。
そこで円滑化法では、従来の権利が消滅することなく、原則としてそのまま再建後のマンションに自動的に移行するという法的仕組みである「権利変換」を採用している。権利変換の計画は建替組合が決定するだけでなく、都道府県知事の認可を得なければならない(円滑化法第 57 条・第 58 条)。

6 )個人による事業の実行
このように円滑化法では建替組合の主導を基本としているが、従来のマンションの戸数が少ない等の場合には必ずしも組合形式によらずに、参加する区分所有者全員の合意のもとに簡易な方式で事業を進める方が合理的である。
そこで円滑化法では、「個人」が 1 人または数人で事業計画を定め、関係権利者全員の同意を得て、マンションの建替えを実行できることとした(円滑化法第 45 条)。これは組合施行に対して「個人施行」と呼ばれている。
個人施行でも、事業計画について知事の認可が必要である。権利変換手法を用いることも組合施行と同じである。また「個人」とは、関係者権利者全員の同意があれば、ディベロッパーでもよい。

マンション建替組合 

読み方:まんしょんたてかえくみあい 

マンション建替え決議(区分所有法第 62 条第 1 項)が決議された場合に、決議に合意した者のうちのの 4 分の 3 以上の同意により設立される、マンションの建替えを目的とする組合のこと(マンション建替え円滑化法第 9 条)。
この組合の設立が同意されたときは、建替え決議の合意者は全員がこの組合員となる(円滑化法第 16 条)。またディベロッパーがこの組合に参加することもできる(円滑化法第 17 条)。
(マンション建替組合の役割について詳しくはマンション建替え円滑化法へ)

マンション標準管理規約 

読み方:まんしょんひょうじゅんかんりきやく 

分譲マンションなどの区分所有建物における管理規約について一定のガイドラインを示すために、国土交通省(旧・建設省)が作成したマンション管理規約のモデルのこと。
当初は「中高層共同住宅標準管理規約」という名称であったが、平成 16 年 1 月より「マンション標準管理規約」へと名称変更されている。

A )中高層共同住宅標準管理規約の制定
建設省(現・国土交通省)の審議会である住宅宅地審議会は、区分所有法の昭和 58 年の大改正に対応するため、昭和 57 年に「中高層共同住宅標準管理規約」を答申し、建設省はその周知と普及を推進してきた。この「中高層共同住宅標準管理規約」の主な内容は次のとおりである。

1 )敷地、建物、付属施設の範囲
2 )専有部分の範囲、共用部分の範囲
3 )敷地・付属施設・共用部分に関する各区分所有者の持つ共有持分の割合
4 )専用使用権の範囲
5 )使用細則(使用に関する詳細な規則)の設定
6 )管理、管理組合、集会、理事会、会計等に関する事項
B )中高層共同住宅標準管理規約の大改正

その後、分譲マンションが急激に普及したことにより、この「中高層共同住宅標準管理規約」は平成 9 年 2 月に建設省より改正・告示された。平成 9 年の主要な改正点は次のとおり。

1 )大規模修繕を円滑に進めていく上での前提となる長期修繕計画の作成を、管理組合の業務として明確に位置付け。
2 )駐車場の使用に関するトラブルを防止するため、駐車場の使用に関する諸規定を整備。
3 )専用部分のリフォームをめぐるトラブルを防止するため、専用部分のリフォーム工事の手続規定を整備。
4 )専用部分である設備のうち共用部分と一体となった部分(例えば配管の枝管)の管理については、共用部分の管理と一体として行なうことが適当な場合が多いので、管理組合が一体として管理を行なう規定を設けた。
5 )団地形式や店舗併用形式のマンションが増えてきていることから、団地型と複合用途型の標準管理規約を新たに作成、追加した。(これにより単棟型・団地型・複合用途型の 3 タイプが設けられた)

C )マンション標準管理規約の制定
その後、マンション管理適正化法の施行(平成 13 年 8 月)、マンション建替え円滑化法の施行(平成 14 年 12 月)というマンション法制度の大きな変化に対応するため、平成 16 年 1 月に「中高層共同住宅標準管理規約」は改正された。このとき名称も「マンション標準管理規約」へと変更されて、現在に至っている。

  ◇   行  ◇
理事 

読み方:りじ 

区分所有建物の区分所有者が組織する管理組合の理事会において、理事会を構成する役職者である。
理事は、管理組合の集会において区分所有者の中から選出される。理事は理事会の一員として、理事会で議決権を行使し、管理規約で定められた理事会の職務を執行する。

理事会 

読み方:りじかい 

区分所有建物の区分所有者が組織する管理組合において、管理規約の定めにもとづいて、管理組合の業務を執行する機関のことである。管理組合の最高の意思決定機関は集会(いわゆる管理組合の総会)であるが、機動的に管理組合を運営するために、日常的な業務執行機関として理事会をもうけているのである。
理事会は、管理組合の理事によって構成され、理事長が議長となる。理事会では、管理組合の業務全般について集会の決議・管理規約等によって定められた範囲内で、理事会としての意思決定が行なわれる。
特に重要な理事会の職務としては次のものがある(この部分は国土交通省の「中高層共同住宅標準管理規約」より抜粋)。

1 )収支決算案、事業報告案、収支予算案、事業計画案の作成
2 )管理規約の変更案、使用細則の制定又は変更に関する案の作成
3 )長期修繕計画の案の作成
4 )その他の総会に提出する議案の作成

理事長 

読み方:りじちょう 

区分所有建物の管理組合の理事会を招集し、理事会の議長を務める役職者である。
理事長は、一般的に、理事会の理事の互選により選出される。理事長は理事会を主宰するだけでなく、共同生活の秩序を乱す行為に対して勧告を行なう権限や、専用部分の修繕に対して承認を行なう権限などを通常持っている(これらの理事長の権限は管理規約・使用細則により定められている)。
また通常、理事長は、区分所有法第 25 条に定める「管理者」になるので、管理者として集会を招集する(同法第 34 条)、集会の決議を実行する(同法第 26 条)などの大きな権限を持っている。

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